身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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大豆
●「畑の肉」といわれるほど栄養価の高い大豆
大豆はマメ科のl年草で、東アジアが原産とされています。
はじめは中国で栽培されて
いたようで、日本には縄文時代のころに伝えられたといわれています。
明治18年のウ
ィーン万国博覧会に日本が大豆を出品したところ、その豊富な栄養をドイツの科学者から
高く評価され、「畑の肉」とよばれました。
このため、ヨーロッパでも大豆を栽培しよ
うとしたのですが、うまくいきませんでした。というのは、大豆は根瘤菌(コンリュウキン)と
いうバクテリアを根にたくわえて育つのですが、その根瘤菌がヨーロッパの土にはなかっ
たからなのです。
その後、アメリカでも大豆栽培がこころみられましたが、こちらは成功
しました。アメリカの土には根瘤菌があったのです。
アメリカでの大豆栽培は急速にひ
ろまり、現在では、世界最大の大豆生産国となっています。
といっても、アメリカの大豆
は、ほとんどが油の原料です。
納豆やみそ、豆腐などのように、大豆を使っていろいろ
な加工食品を作るのは、日本や中国など一部の国だけといってよいでしょう。定
●黒豆も枝豆も大豆の仲間
大豆の品種は数百種にものぼります。
おおまかに分けると、平豆と丸豆に分けることが
できます
これは豆の形によるもので、日本で使う大豆の多くは丸豆です。
また、豆の
色のちがいから黄大豆、緑大豆、黒大豆などに分類されます。
黒豆は黒大豆の一種で、こ
れについては別項でとりあげます。
ちなみに、枝豆とは未成熟の大豆のことです。
●バリエーションの広い大豆料理
買うときは、できるだけ粒のそろったものを選ぶのがポイントです。
水でもどしてか
らやわらかく煮こみ、野菜ととりあわせるのが一般的な食べかたですが、昆布、ひじきな
ど海草類ともよく含います。
急ぐときは圧力鍋で煮るのもいいでしょう。
また、煮るだ
けでなく、もどした生大豆をミキサーなどですりつぶし、みそ汁に加えた呉汁、乾燥大豆
を弱火でいった、いり豆などもおいしいもの。
いり豆をミキサーで粉末にすれば、自家製
きなこも簡単に作れます。
●アミノ酸の組成が、動物性たんぱく質に酷似
大豆のたんぱく質は30〜40%と、他の豆類とは比較にならないほど多く、質的にも
じつにすぐれています。
「畑の肉」といわれるように、たんぱく質のアミノ酸の組成が動
物性たんぱく質に似ているのです。
必須アミノ酸がほとんど含まれているため、植物性
食品のなかではめずらしく、効率よくアミノ酸を吸収することができるのが特徴です。
●血中コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する
大豆の脂肪のなかには、リノール酸やオレイン酸という不飽和脂肪酸がたくさん含まれ
ています。
これら脂肪酸も、血液中の老廃物をとりのぞき、血管をつねに新しい状態に保
ってくれるはたらきがあります。
したがって、大豆を食べていると血中のコレステロール
が低下し、動脈硬化などの予防が期待できます。
●スタミナをつけ、糖尿病を予防する
ビタミン類の豊富さも見逃すことはできません。
ビタミンB1、B2、B6、E、Kな
どがエネルギー代謝をさかんにしてくれるので、疲労回復やスタミナ増強にもなります。
なかでも、ビタミンB6には血中コレステロールを下げるはたらきがあるので、糖尿病予
防にもつながると思われます。
●サポニとビタミンEで肝機能を強化
大豆にはサポニンという物質が含まれています。
サポニンは体内の脂質が酸化するのを
おさえ、過酸化脂質を分解してくれるはたらきがあります。
過酸化脂質は肝臓に悪影響
をあたえるものですが、これをサポニンがおさえるため、肝機能を高め、肝臓障害から守
ってくれることになるわけです。
また、ビタミンEも脂肪の酸化を防いでくれ、過酸化
脂質の増加を抑制します。
ビタミンEもまた、肝臓のためには欠かせないものなのです。
このように、サポニンとビタミンEという肝臓にとって強い味方が豊富に含まれている
ので、肝臓病患者の食事としては理想的なものといえるでしょう。
鉄分も多く含まれて
いるため、貧血などの症状にも効果をあらわします。
●レシチンが脳に活力をあたえる
最近とくに注目を集めているものに、レシチンという栄養素があります。
これは、アセ
チルコリンという脳神経細胞の伝達をする物質と関係があり、脳の老化を防ぎ、活力をあ
たえるといわれます。
このレシチンが多く含まれているのが、大豆なのです。
つまり大
豆は、「健脳食」としてひじょうにすぐれているわけです。
大豆レシチンは頭の老化を
防ぐだけでなく、積極的にとることにより、記憶力を高め、頭のはたらきをよくするとも
いわれています。
受験生やハードな頭脳労働をする人に適しているといえるでしょう。
なお、レシチンのなかのコリンという物質は、肝臓のはたらきを高める効果もある(肝脂
肪を防ぐ)といわれます。
●ダイエットに酢大豆が流行中
最近民間療法のひとつとしてポピュラーになってきたのが、酢大豆。大豆を米酢に2日
間漬けて乾燥させたものです。
これを毎日小さじ1〜2杯ずつ食べていれば、ダイエット
効果が出てくるといわれます。
大豆のサポニンが小腸で吸収され、脂肪を減らしてくれ
るためではないかともいわれますが、くわしいことはまだわかっていません。
いずれ専門
家の研究によって解明されるでしょう。
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