身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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納豆





●北日本を中心に親しまれてきた納豆


 納豆もまた僧侶が考案したもので、僧房の納所(ナツショ)で作られていたため、この名が ついたといわれています。
10〜20年ほど前までは、関西以西ではあまり食べられなか ったものですが、情報化時代と流通の発展からか、最近では関西以西でも食べられるよう になってきました。
とはいえ、北海道、東北から関東にかけての地方では、日常生活の一 部になるほど親しまれてきた食品です。

 私たちが納豆といっているのは、糸ひき納豆の ことで、水戸納豆とよばれているものです。大豆を煮てこれに納豆菌をふりかけ、40〜 50度くらいの部屋において、発酵させて作ります。 
この水戸納豆とは別に、浜納豆と いうのがあります。大徳寺納豆ともよばれますが、こちらは煮た大豆にこうじをかけて発 酵させ、そのあとで塩水につけて乾燥させたものです。ふつうの納豆のように糸をひかず 、色も黒ずんでいます。




●さまざまな食べかたが工夫できる食品


 古くからある食品だけに、さまざまな食べかたがあります。
 もっともポビュラーなの はご飯にかけて食べる方法ですが、このほか、有名なものに納豆汁があげられます。これ はおもに東北地方で食べられるもので、簡単にいうと納豆入りみそ汁で、下痢に卓効があ るといわれます。
消化がよく、ひじょうに滋養に富んだ汁物です。
からだが温まるので、 寒い地方の人が好んで食べるのもわかります。
 作りかたは、みそ汁ができあがる寸前に 納豆をすって入れます。
そのままでなく、よくすってぺースト状にして入れるのがポイン ト。ひきわり納豆のようにくだいた状態でもよいでしょう。




●糸をひくのは納豆菌のせい


 納豆は糸をひくものほどよいといわれます。

あの糸は納豆菌が大豆を分解している証拠 で、納豆菌の力が強いほど糸をひくわけです。
したがって、糸をひくものほど良質の納豆 といえます。
とはいえ、糸をひくかどうかはまぜてみなければわかりません。見た目で選 ぶなら、表面ができるだけ白っぽく、膜がはっているような状態になっているものが良質 のものです。




●大豆の5倍もあるビダミンB2


 納豆は高たんぱく、低脂肪で、ひじょうに消化吸収がよい理想的な食品です。

これは納 豆菌のためで、この菌が大豆をアミノ酸に分解するので消化がよいのです。
たんぱく質、 脂肪分は豆腐よりも多く、カリウムも多量に含んでいます。
 とくに納豆で注目したいの が、ビタミンB2。大豆のときよりも多くなっています。
ビタミンB2は「成長ビタミン 」ともよばれ、からだの細胞をつくるのに欠かせないビタミンです。




●肝臓障害を防ぐ、納豆の効力


 ビタミンB2は、アルコールやタバコなどの飲みすぎ、吸いすぎの人に欠かせないビタ ミンでもあります。
飲酒、喫煙が多くなると、肝臓はフルにはたらいて休むことができま せん。

ところが、ビタミンB2にはこうした体内に入った薬物、異物などの代謝をスムーズにす るはたらきがあり、肝臓の負担を軽くしてくれるのです。 
納豆はとくに高たんぱく、低 脂肪ですから、肝臓障害を防ぐ、最適の食品といってよいでしょう。




●ニキビ、シミを予防し、疲れ目を治す


 また、ビタミンB2には皮脂の分泌をおさえる作用がありますから、ニキビやシミの予 防にも役だちます。
納豆に含まれているビタミンEの血行をよくする効果とあいまって、 若々しい肌をつくってくれるというわけです。 
目の疲れにも効果的で、「納豆は目によ い」ということわざがあるほど、視力低下を防いでくれます。
これもビタミンB2の視力 増進の効能です。




●納豆は老化や成人病を防ぐ、若返り食品


 納豆はひじょうに消化のよい状態のたんぱく質で、しかもレシチン、サポニンなどが豊 富です。

レシチンは脳のはたらきを高める栄養素、サポニンは血管のコレステロールを洗 い流すはたらきをしますから、心臓病や動脈硬化などの成人病を防ぎ、心身ともに若々し く保つことができます。

 おまけに、「若返りビタミン」とよばれるビタミンEも多くも っています。
これは血行をよくし、抗酸化作用をもっていますから、肝細胞膜を酸化させ ておこる慢性肝炎などの予防にもつながります。老化を防ぎ、若々しさを保つはたらきも あります。




●下痢を治し、腸内の異常発酵をおさえる


 最近、納豆の整腸作用が注目されるようになりました。
繊維質が豊富なことも理由のひ とつですが、それと同時に、大豆の皮が腸内菌の巣となって、異常発酵をおこしにくくす るためです。 

整腸効果というと、すぐに乳酸菌が思いだされますが、乳酸菌よりも納豆 菌のほうが効果的という人もいるほどです。 

江戸時代の『本朝食鑑』にも「腹中をとと のえて食を進め、毒を解す」と、納豆のこうした効用を記しています。
「腹くだしには納 豆汁」「腹くだしがおきたらたたき納豆」などと、下痢に納豆をすすめることわざもあり 昔の人は納豆の整腸効果を日常生活に自然に取り入れていたようです。
胃腸が弱く下痢を しやすい人は、もっと納豆を食べるようにすればよいでしょう。
できれば、そのままでは なく、ことわざのように包丁で細かくきざんだ「たたき納豆」にするか、納豆ペーストを 食べるほうがおすすめです。

 なお、納豆にはビタミンCとビタミンAがほとんど含まれ ていません。
これらを補給するには、ビタミンAやビタミンCを多く含むねぎ、みそ、の り、大根などと組み合わせて食べるとよいのです。
昔から納豆にねぎを入れるというのは 、理にかなっているわけです。



★心筋梗塞と納豆とビタミンK



納豆はひじょうに消化のよい状態のたんぱく質で、しかもレシチン、サポニンなどが豊富です。

レシチンは脳のはたらきを高める栄養素、サポニンは血管のコレステロールを洗い流すはたらきをしますから、

心臓病や動脈硬化などの成人病を防ぎ、心身ともに若々しく保つことができます。

しかし納豆にはビタミンKも豊富に含まれています。

出血時に血が止まるのは、血液を凝固させるはたらきがあるからです。

ビタミンKもそのひとつで、血液凝固因子の含成にはたらきます。

ふだんは血液の凝固を抑える成分が作用しています。

この成分の合成にもビタミンKが必要です。

血液を凝固させたり抑制したり、作用の裏と表にかかわってうまくバランスをとっています。

しかし今回のお話では、多分、心筋梗塞のお薬の中にワーファリンという薬が入っているのが一番の原因だと思います。

心臓や血管の病気のある人で、血液が固まりやすい状態になることがあります。

それを防ぐために、ワーファリンという血液を固まりにくくするお薬を使うことがあります。

使い方が難しいお薬ですので、次の事項について十分注意が必要です。

人によって血液の固まりやすさが違うため、血液の固まる時間を定期的に検査して、

ワーファリンの適量をドクターが決めています。

ワーファリンは、決められた量を正しく守り、飲み忘れや飲み過ぎのないようにすることが大切です。

ワーファリンと一緒に飲むときに注意が必要なお薬として、

例えば抗生物質や風邪薬、痛み止めの薬(アスピリン等)は作用を強めますが、

逆にビタミンKの入った薬(グラケー、ケーワン等)は作用を弱めます。

納豆、クロレラ、青汁はワーファリンの効果を弱めますので摂らないで下さい。

クロレラ、青汁は大量に含まれているビタミンKが、ワーファリンの効き目を打ち消してしまうためです。

納豆は含まれている納豆菌が、腸内で大量のビタミンKを作り出します。

ビタミンKを多く含んでいる緑黄色野菜や海藻類などは、通常食べる量は問題ありません。

食生活上、栄養学的にこれらは必要なのでバランス良く摂取してください。









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