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写真
学名等[学名]Salvia officinalis[英名]Sage,redsage[和名]薬用サルビア
特徴地中海沿岸が原産の耐寒性の多年草。葉は冬でも緑色で紫がかることがあるが枯れません。
初夏に赤紫色の花を付け、草丈は50〜80cm程度になります。種から育てた場合は2年目以降に花を着ける。
種類が多く、パイナップルセージ、クラリーセージ等々ある。
利用部葉・花
育て方種から育てる方法と取り木・挿し木によって殖やす方法とがある。生育場所はよく日が当たり水はけが良い石灰質土ということが条件となります。我が家では、畑に畝を作り数十株育てています。
種から栽培する場合は、4月以降に蒔くと良いでしょう(関東以南)
利用法ソーセージなどを作るときに用い、殺菌・保存作用のほか、独特の風味を出すのに役立ちます。
特にセージの成分の中に脂肪分を分解する働きがあり、肉料理(特に豚肉)と良く合うハーブです。
「ソーセージ」の「ソー」は豚肉を、「セージ」はこのハーブを表します。
フリッターなどの食用、あるいはセージワインなどの飲み物に。
花はエディブルフラワーとしてサラダなどの彩りに使います。
Recipe簡単ソーセージ牡蠣の薫製オリーブオイル漬けセージのフリッター
その他セージの名の由来はラテン語のSalvare(救う)からきているといわれています。古代ギリシャやローマなどでも薬用に用いていたそうです。
我が国には明治元年に渡来しています。
収穫初年度から収穫できますが、2年目に入ると茎が木質化し、大量に若枝を着けるようになりますので、梅雨前に剪定をかねて収穫を開始した方が良いでしょう。
保存は、陰干しで良く乾燥させ、密閉できる容器に乾燥剤とともに保存しますと長期にわたり保存できます。
成 分タンニン・フラボノイド・サポニン等
作 用駆風、殺菌、発汗抑制等
参 考西洋の諺に「庭にセージのある家からは死人が出ない」といわれるほど昔から薬草として重宝されたハーブです。以下の諺のsageを「賢者」ととるかハーブの「セージ」ととるか、さて?
Why should a man die, when he can go to his garden for sage ?!
追記
その1 2001.2.10

 下の写真はフルーツセージである。
 フルーツセージを育てる絶対条件は太陽である。
 常に太陽の直射光が必要で、それはガラスやビニールを通してもかまわないのだが、日が当たらないところにおくとたちまち葉を落とすのである。

 このハーブは複雑なフルーツの香りがすることで人気があるのだが、増やすのは簡単で不必要な枝を落として、そのまま水につけて置けばすぐに根が生えてくる。
 根が生えてきたら、そのまま柔らかい土に植えれば枯れずに育つのである。

 今回写真に撮ったものは、昨年末間違って折ってしまった枝をそのまま水栽培したものである。
 既に白い根が1cm程度まで伸びている。いずれ土に植えて、春になったら日当たりの良い場所でたっぷりの栄養と水分を与えればすぐに1メートルを超す高さまで成長する。
 これも香り良いハーブなのである。

 以前、我が家にあるフルーツセージを紹介した。
 そのときの文章を見ると
 「最後はフルーツセージ。触れるだけで甘いフルーツの香を部屋中に漂わすことができるハーブである。葉の表面にある繊毛が多分香の秘密であるらしい。ちょうどレモンユーカリの繊毛のような役割をしているのかとも思うのだが、いずれ機会があれば、顕微鏡で精油の分泌する状況を確認してみたいと思う。」となっている。
 今日は朝から天気が良く、室温も6度から急速に上昇してくるなかで、このフルーツセイジの精油嚢を見てみようと思い立った。
 さっそく顕微鏡を取り出して、フルーツセイジの葉の先端をナイフで切り落とし、これを直にガラスプレートに載せ反射鏡を調節してみると、実にたくさんの精油嚢が見える。ただ、ピンセットなどで扱っていたのだが、多くの嚢は崩れてしまいはっきりと精油嚢として残っているものはそれほど多くなかった。
 左の写真は、30(対物レンズ)×15(接眼レンズ)で見たものである。実際の画像はもっと大きいのだが、半分程度に縮尺して載せることにした。
 左上からスッーと透明の繊毛が伸び、その先端に小さく丸くなった精油嚢がついているのである。実は肉眼で良く見ると、繊毛の先にぽつんとふくらみが見えることがあるのだが、こんなふうになっていたとは思いもよらなかった。
 ハーブ、イコール精油というイメージであるが、葉の裏側からしみだすように出るものの写真はかなり難しいものと思われる。ただ、レモンユーカリのように肉眼で完全に見えるものなどもあり、今年は、いろいろなハーブの精油を顕微鏡で観察していきたいと思う。
 なお、撮影は、オリンパスCAMEDIA C-840LのHGで行い、PaintShop Pro6Jで編集をしたものである。  


その2 2001.4.28

 右の写真は・・・・、セージの蕾である、先端の部分がほんのりと赤くなってきていて、花が咲きそうな勢いである。
 ここ3年ほどはこの4月末から始まるゴールデンウィークの最中に咲くことが多い。
 ただ、資料をみてみると’98年は4月25日が開花日となっているので、これは意外に早い時の開花であった。

 セージは豚肉に良く合うハーブである。
 10数年前から作りつづけているソーセージには欠かせない大切なハーブである。  直ぐ食べたいときは生葉を微塵切りにしたものと、新鮮な豚の挽肉を良く冷やしてから粘りが出るくらいまで混ぜ合わせて塩・胡椒をし、水で戻した羊の腸に装填していくだけである。
 後は、適当な長さにくびれを作りシャワーリングをして63度で30分〜1時間乾燥させたあと、同じ温度で、2時間くらい桜のチップで薫煙をかければ良いのである。
 もちろん、出来上がったものは75度〜80度の湯の中で1時間は熱を通す必要がある。
 たしかに簡単とは言え、一日掛かりの作業となるわけだが、普通通りにソーセージを作ろうと思ったら、挽肉を付け込むだけでも最低1週間程掛かることを考えると1日でできるものは「手軽」ということになる。
 美味しい料理を作るのには1日程度は掛かるものである。
 1日かけて作ったソーセージを夕餉の酒肴として利用すれば、ビールが進むこと確実である。
 もちろんソーセージのつけ合わせにはセージのフリッターというのは定番である。


その3 2004.5.1

 今回は、4月26日に開花したセージの話である。

 我が家にはいろいろなセージがあるのだが、使うとなればやっばりこのコモンセージである。
 既に開花前の蕾をたくさんつけたセージのし新芽(茎)を大量に採取して乾燥を開始した。今ごろのものが上手く乾燥できそうな気がする。細かい茎の数では100本近く乾燥させている。
 で、今回はそんなセージの特徴についてである。
 ご存知のとおり、セージはシソ科の植物である。シソ科の植物の茎は一般的に「四角形」である。セージの茎も写真左上のように四角形である。
 これは外見でもある程度程度分かるのだが、実際に手で触れると四角形であることが実に良く分かるのである。

 葉は、左写真の中断にあるように銀緑色の葉である。写真ではバックに黒を使っているためにかなり緑が深く写っているのであるが、実際はもう少し薄い緑色のような気がする。もちろん乾燥したものはまさに銀緑色となるのである。この葉がもっとも薫り高く利用しやすいのである。
 豚挽肉とセージの葉を細かく刻んだものを羊の腸に詰めて茹で上げたものはホワイトソーセージとなる。また、茹でる前にシャワーリングをして摂氏65度前後の温度で2時間以上桜のチップでいぶして更に75度の水温を保ちながら1時間程度加熱・殺菌をすれば普通のソーセージのでき上がりである。この場合のセージはその殺菌作用と、肉の匂いを消し香り効果を利用した使い方である。
 もちろん、若い葉は天婦羅にも良いしフリッターもいける。セージの葉は熱を通すことで香りを和らげることができるのである。肉料理の多くにセージの葉を使うことになるのだが、これは詰め物料理だけではなくオーブン料理にも煮込み料理にも使うのである。

 左の一番下の写真はセージの花である。
 これは茎から外したものであるが、どうしてもその構造を知りたくて分解したものが右の3つの写真である。


 花は、四角い茎の裏表に3つずつ咲く。つまり対で咲くので同じ高さに全部で6輪咲くのである。
 そして、その上の花は下の花の咲いていない四角い茎の他の面の裏表に6輪咲くのである。
 大体一つの茎で6〜8・9段咲くのである。つまり一つの茎で多い場合には60近い花が咲くのである。
 花は「くちびる形」といわれており、これもシソ科の花の特徴となっている。
 身近な花ではホトケノザやヒメオドリコソウなどもこの科に属しており、ハーブではセージやレモンバームなどが同様の形態となっている。

 さて、右の写真だが、
 上は、花の下半分を真中から開いたものである。
 ここで面白いのは、花の付け根当たりに細かい繊毛があり、更にその上の花弁の途中から雄蕊が1対伸びているところである。

 それから中段の写真は雌蕊である。
 左下の写真をみると花の先にちよっと下向きに細いはりの様ものが伸びているが、これが雌蕊なのである。
 この雌蕊は右下の写真(ガクを縦に半分に割ったもの)の下部についているのである。

 そして、ガクであるが、このガクの最深部に種の元となる緑色の球体が4つ、それから上のほうの濃い紫色となっている部分とに分けることができる。
 ただ、この紫色の部分が何であるのかは不明で、ナイフで傷をつけると濃い紫の汁が出てくるのである。
 花の色を紫にする色素であることは間違いないのだが、これはあくまでも想像である。
 これからの季節に、同じセージの花でも白やピンクに近い種類のものも咲く。
 今度はその花のガクで、この正体を確認してみようと思う次第である。


その4 2007.11.25

 今回は、このコーナーに初めての登場となるパイナップルセージである。
 話題としては結構多く「ハーブ雑記帳」の方で取り上げられているのでそんなに珍しい話でもない。
 1年半前にそのハーブ雑記帳に「パイナップルセージ」の利用法はないものか?という書き込みがあった。

 自宅の庭にパイナップルセージが数株あって実際に秋には花をつけている訳だが、あまりその利用法について考えたことがなかった。
 と、言うよりも、コモンセージ自体もそれほど積極的に利用していない状況だったので困った訳だ。
 それでもコモンセージであれば、若い葉をテンプラにしたり肉料理のソースに利用したり、時にはソーセージを作ったりで利用はしていた。
 しかし、パイナップルセージというと、これは観賞用的な物と考えていたので、利用法については全く考えてはいなかった。

 そこでいろいろ調べて見ると、ケーキに利用するという話があって早速レシピを調べた。花の咲く時期に葉と花を収穫して赤と緑のマーブルのケーキを作るというものである。
 季節的にはクリスマスの季節と合ってなかなか面白いと思った訳だ。
 しかし、この書き込みがあった時はまだ春、花の咲く時期ではない。その年の晩秋を待つことにしたのであるが、去年はすっかりその話を忘れてしまい何もしないまま今年になってしまった。
 今回は、たまたま古い書き込みを見ていてこれに気が付いたのである。
 気が付いたら黙っていられない性格で、季節的にもぴったり合っている。
 早速このケーキを作ることにした。
 が、レシピはどこにあるかわからない。
 やっと探し当てたのがSHARPのザウルス。
 この中に保存してあったわけだ。
 考えてみれば、去年3月にザウルスを購入、当初はいろいろな文書を入れ込んでおいたのである。
 その中にあったわけだ。
 今回は、そのとき訳したレシピをそのまま使ってケーキを作ることにした。

 結局、このときは出来上がりの写真を撮るのを失念。
 そこで8年を経た2015年10月17日に作ったものがこれだ。
 まあ、参考までに、ということで見てもらいたい。
    


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