|
HOME | GARDEN | RECIPE | PHOTO | NEW | LINK |
写真
学名等[学名]Farfugium japonicum[英名]JapaneseSilverLeaf[和名]ツワブキ(石蕗)
特徴日本(東北地方以南の海岸付近に自生)・中国を原産とするキク科の常緑多年草
葉柄は30cm程度の草丈となり、花茎は60センチメート目程度まで伸び、晩秋から冬にかけて黄色い花をつける。
利用部根・茎・葉・蕾・花
育て方花の咲いた後にタンポポと同様な種が出来ますので、これを飛ばさずに採種し、そのまま土中に植えると、関東地方では3月の下旬から4月の上旬にかけて発芽し、そのまま育ちます。
利用法根(秋に根を採取)や茎は良く洗ったあと刻んで乾燥させて煎じ薬として健胃薬や下痢止めとして利用。
葉は生葉を火であぶって柔らかくし、そのままあるいは細かく切り刻んで、切り傷、打撲、湿疹などに塗布。
食用としては、若い茎をキャラブキにしたりキンピラにも利用します。花や蕾は天婦羅や酢のものにも使っています。
その他我が家では、食用・鑑賞用のハーブとして庭の一角に植えていますが、ちょうど庭に花がなくなった頃から咲き始め年末ころまでしっかりと咲いてくれるので、冬場の花として重宝しています。
成分ヘキセナール
追記
その1 2000.10.28

 毎年、10月も終わろうかとする頃に、庭の片隅で黄色い花をつけるのがツワブキである。

2000年10月28日午前11時15分撮影  昨年の開花が11月3日、一昨年が10月17日となっている。昨年と一昨年は半月もの差があるのだが、今年は左の写真のように、10月28日現在では、まだ蕾の状態である。このままいけば昨年並の開花日となりそうである。
 いったん咲き始めると次々に花が咲いていき、結局12月末頃までは咲きつづけることになる。

 ツワブキは「石蕗」と書き、キク科ツワブキ属の植物である。和名の由来は、大きな葉が蕗に似ていることと、葉に艶があることから「つやふき」が転訛したと言われている。

1999年11月13日撮影
1999年1月30日撮影
 ツワブキを実際に利用するのは、主に春ということになる。ようやく伸び始めた新芽を、まだ綿糸のような細い毛に覆われているときに、茎ごと摘みとって利用するのである。
 先ずアク抜きをした後に適当な大きさに切り、味醂と醤油で煮込んで作るのが「キャラブキ」である。
 面白いことに、本物の蕗で作ったキャラブキは「偽物」であり、このツワブキから作ったキャラブキが「正統派」キャラブキなのである。この違いをはっきりさせるのは、キャラブキに穴があるかどうかで確認でき、食べているキャラブキに穴がなければ「正統派」ということになる。

 もう一つ利用できる部分は蕾である。これは今ごろの季節に沢山延びてくるのだが、これが天婦羅でいけるのである。実に乙な味で、是非試していただきたいものである。もちろんキク科であるので酢の物にも利用できることは言うまでもない。

 右上の写真は、ツワブキが咲いたところを撮ったものである。撮影は昨年の11月13日。こんな可憐な花が木枯らしの中で咲きつづけるのである。初冬の枯れきった庭などで特に目立つ存在となる。
 そして、翌年になると花は終わり、タンポポのような綿毛の種が出来る。
 右下の写真は、種となった部分を半分取り除いて撮影したものである。
 この種は木枯らしで飛んでしまうのだが、早い時期にしっかりと採種し、そのまま、土に植えると春になって沢山の芽が吹き出してくるのである。そしてたちまちのうちにツワブキの群生を作ることが出来るのである。ただ、1年目だと大きくなりきれずに終わってしまうので、いろいろと利用できるようになるのは翌年以降ということになる。
 我が家にはこのツワブキの群生(かなりオーバーな表現、m(__)m)が3箇所あって、春の新芽時と初冬の蕾を持つ時期に利用しているわけである。

 フキは食用としてもいろいろ利用されており、またわが国の伝統的なハーブの一つでもある。民間療法薬としても利用されているが、特に咳や痰を切るのに有効であるとされている。またツワブキのほうは、葉を火であぶって腫れ物などに貼ることで効果があるとされているものである。


その2 2006.2.12

 たまたま、庭に出てみたら、昨年ツワブキの花が咲いていたあとに花が終わって種が綺麗にできていた。花が咲いてから今日までの間、2度の雪にもめげず、しっかりと完熟した種をつけていて、あとはちょとした風を待つばかり・・といった風情であった。風が吹いてしまうと種が飛んでしまう、これはヤバイと、種穂の一茎をちょん切ってきて、いろいろ調べてみた。

@穂茎に対する種のつき方【左写真参照】
 ツワブキは、キク科の多年草の植物である。地上部が枯れても地下茎で越冬をし、春に新芽を出す。が、ツワブキは条件がよければ緑の葉をつけそのまま越冬をする。そして春先に毛むくじゃらの小さな新芽が伸びてきて、やがて表面がつややかな蕗になっていく。
 ところが、ツワブキを増やすのには株分けという方法があるのだが、もう一つの方法として種を蒔く・・・埋めるということもできる。
 この種は花が咲いた後、そのまま放っておけばに2か月ほどで十分熟した種となる。種はタンポポに似た形態をしているため、風によって運ばれていくことになる。もちろん、自分ちで増やそうと思うのならこの種を風が吹く前に収穫する必要がある。

A種の形【右写真参照】
 種ひとつの形は、右の写真通りである。
 上部に繊細な冠毛を持ち、直ぐその下が子房、すなわち種本体となる。
 今回収穫したものの冠毛の長さは約1cm、子房の部分の長さは7〜8mmであった。

B種の数
 今回採取した種穂ひとつについていた種の数は68個。これは、風によって種が飛んでいないことを確認したうえでの数字である。
 これが標準的なものだとは思わないが大体この前後の数ではないだろうかと考えられる。
 ちなみに、固体によって、この数がどの程度変化をするのかを確認するため別の場所で種となっていた斑入りのツワブキの種を数えてみたところ、種は全部で76個あり、かなり差があることがわかった。

 そして今の時期に種を採取し、そのままこの種を土に埋めておくと春先に小さな芽が出てきて、やがて大きなツワブキの株になるわけだ。ツワブキの需要は我が家では比較的旺盛で、やはり春先に伸びてきた若い葉柄を収穫してキャラブキにするのが一番である。
 料理の本などを見ると、皮をむいて・・・、あくを取って・・・などとなっているが、若くて新鮮なものはそのままでも利用できる。食べたときに口に広がる強い蕗の香りに春を感じることができるのである。


その3 2007.1.21

 今年はツワブキの花が終わるのが早かったようだ。
 花が終わった後、しばらくの間は花茎の頂上に残っていた枯れた花がいつの間にかなくなって、たんぽぽの種のような形になる(写真右)。
 今がちょうどその時期のようだ。

 昨年2月の更新時にこの種についてはかなり詳しい情報を載せた。
 種の一つひとつの形はまさにタンポポなのだが、これを集合させるとなかなか良い写真ができる。


 冬でも元気なのはこのツワブキで、名前の通りつややかな葉が目立っている。半日陰がこのツワブキにとっては生育条件として良いようなのだが、それは夏の話で、冬になると夏の間太陽の光を遮っていた木の葉が散って、明るくなる。それが、ツワブキにとってはまた良いようで、大寒のこの時期であってもつややかな緑の葉をつけている。

 あと1ヶ月もしたら、このツワブキの群生の中に毛むくじゃらのツワブキの新芽が出始める。これが里山の山野草の一つとして貴重な食材になる。
 ちょうど蕗の薹が目に付くようになる頃と同じ時期である。蕗の薹の新鮮な苦味がまた美味いものではあるが、このツワブキの強い香りも早春の香りとして、春に食する山野草としては欠かせないものである。

ページトップへ