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写真集合花茎と葉
学名等[学名]Foeniculum vulgare[英名]Fennel[和名]ウイキョウ
特徴地中海沿岸原産のセリ科の多年草。地上高1.5m。
利用部葉・茎・果実・根
育て方日当たりが良く水はけが良い土地に直接種を蒔くこと(移植を嫌う)。もちろん肥沃な土地が良く、種を蒔く前には1平方メートル当たり150g程度の苦土石灰を施し、良く耕して堆肥などを十分に漉き込むこと。
一旦成長すると、冬に地上部がすべて枯れても、翌年の春、再び緑の新芽を出し大きく育ちます。
利用法主な利用法は、魚料理やサラダ(太い茎の部分や細い葉の部分)、ハーブティーなどです。
Recipe山女と岩魚のホイル焼き秋刀魚のトマト風味フリッターハーブのポテトサラダ
アジのハーブ薩摩揚
収穫どんどん大きくなるのでいつでも収穫できるようになります。種の収穫は、秋に熟してからが良いでしょう。また、根は晩秋に塊茎を収穫するときに併せて収穫します。
参考我が家では畑で一畝分栽培しています。
庭は冬でも北風がよけられることから、一年中利用することができます(冬は収穫量は落ちる。)。
種子は茴香といい、漢方で去痰、駆風等に利用されている。
種類としては、一般的なスイートといわれるものと、葉がやや赤味がかったブロンズ、主に茎を利用するフローレンスなどがある。
成 分アネトール、必須脂肪酸、フラボノイド、ビタミン等
作 用利尿・駆風等
追記
その1 2002/2/3

 フランスのエクス・アン・プロヴァンスにいる娘から送られてきた料理用のフェンネルシードを植木鉢に蒔いておいたらいつのまにか芽が出てヒョロッと伸びてきた(写真左)。

 国内で入手する料理用のシードの多くが発芽しないような処理を施されているのでまさに料理にしか使えないのである。
 それと比べるとこのシードは偉い。食用で売られているのに土に蒔けばちゃんと芽を出すのである。遺伝子処理やら薬剤での処理により種として役に立たない「種」を食用として販売するのはちょっとやり過ぎではないかと思う。
 この種をばら撒いた植木鉢は居間の中でも最も日当たりの良い場所に置かれている。居間は常に暖房が効いていることから深夜や夜明け前の一番寒くなる時であってもせいぜい10℃を保つ。もちろん昼間は、太陽の陽射しが強く20℃を大きく上回るようになる。ストーブの温度設定は常に20℃が上限になるようにしてある。

 右の写真がそのフェンネル・シードである。
 現在は保存のために密閉した壜に入れてあるのだが、壜の蓋を開けるとフェンネルの爽やかで甘い香りが広がる。ラベンダーと共にプロヴァンスの香りである。
 そのフランス・プロヴァンスでのフェンネルの利用は白く肥大した根本に近い部分を中心にしているようである。この肥大した茎を野菜感覚でサラダにするなどしているとのことである。もちろん繊細な葉の部分も十分に利用はされていると聞く。茎が肥大するタイプのフェンネルは種類からいえばこれは「フローレンス・フェンネル」ということになる。

 フェンネルは地中海沿岸を原産地としているので、フランスやイタリアなども原産地の一部と考えてよいのではないかと思う。
 海に近い地方を原産とするのならば当然海産物、つまり魚料理等に利用されることは当然である。フェンネルはセリ科ということもあって魚の匂い消しにはとても重宝するハーブとなっているのもそんな訳があってかもしれない。
 今まで我が家で育ててきたのはスウィートフェンネルだけである。したがって利用は葉だけに限られていたが今年はもしかしたら茎をサラダ感覚でしてむしゃむしゃと食べることが出きるかもしれない。もちろん葉も生でも食せるので、夏のサラダはフェンネルを含めたハーブがふんだんに使われるのであるのだが。

 まあ、とにかくこの生まれたばかりの芽が本当にフローレンス種かどうか、しばらくはじっくりと観察することになりそうである。


その2 2008/7/12

 今年はフェンネルの成長が良い。
 既に2メートルを優に超えて大きくなり、先端には無数に花を付けている。
 このフェンネルは昨年、別の畑から移植したもので、さすがに移植をした年は根付きが思わしくなかったのか、草丈はせいぜい1メートル程度しか伸びなかった。昨年末に茎を地上から20センチのところで高さをそろえて切り、そのまま越冬させた。

 フェンネルは関東地方では路地で冬場でも元気に葉を付ける。葉といっても、針状の細い葉である。分かりやすく言えばアスパラガスの様な葉である。
 この若い葉を根元付近に付けたまま春を待ち続ける。
 そして春になると、どんどん新芽が伸びてきて、その先端に花を付けるのである。

 1昨年はこの葉と花を焼酎に漬けてみた。結果はすばらしく、1年間はフェンネルの香りのする酒を楽しみ味わうことがあできた。効能は、ものの本によれば「消化器系のトラブルやカゼ、シェイプアップにも効果的」となっていてで飲み安いことからお勧めのハーブ酒のひとつである。

 ただし、完成後2年目に入った今年は、若干味、香りとも落ちてきていることから、これは毎年作り、1年で使い切ってしまう必要がありそうである。今あるフェンネル酒はフェンネルヴィネガーなどと合わせて魚料理などで使い切ってしまおうと考えているところである。

 さて、フェンネルの花であるが、特に開花期の調査はしていないのであるが、今年は6月18日頃が開花日であった。開花期にはかなりの差があるようで、真冬であっても暖冬と言われる年には暖かいが続いたところで開花することもある。なかなか開花期が特定できないハーブでもある。
 毎年、花が咲いた後は、大量に花粉が地面に落ちて地面を黄色く覆ってしまうのに加え、花自体があまり綺麗な状態ではなくなるので、開花時期が終了する前に花茎を大きく切ってしまうのである。
 ところが、今年は「フェンネルシード」がほしいという要望があって、そのため、草丈が大きいまま種ができるまで花穂を放置しようと考えている。
 以前、ディルのときにはかなり詳しく種の状況を記録したのであるが、今年はフェンネルの種の状況を、報告できる野ではないかと考えている。
(写真は、左上:やや遠くから見たフェンネルの花群、左下:その中のひとつの花穂に咲いている花々、右:更にそれを細かく撮影したもの。)


その3 2008/8/24

 以前と言っても今年7月にフェンネルの生育状態を報告した。
 今回はその続きである。

青空に映えるフェンネルシード
収穫したフェンネルシード
 時期的には伸びすぎてしまったフェンネルの株はソロソロ終期を迎えつつある。
 終期と言っても多年草なので、枯れてしまうわけではない。いずれ朽ちてしまう伸びきった花茎の先頭に種がたくさん着くのである。
 実は今年はこの種が目的で、花が咲いた後に手入れもせず植えっぱなしにしておいたわけである。
 いつもならば種を取らないので、花芽を持ったところから花が咲き出したところで多くを切り取り切り花として利用する。切り花としての利用は開花後せいぜい5日間程度で、それ以降は硬い花粉が大量に落ち出すので、そのまま飾っておくわけにはいかない。ある程度の時間経過とともに、次々に切花を代えていく必要がある。
 数株もフェンネルがあれば、かなり長い期間にわたって、この切花が楽しめることは確かである。畑からもってきたフェンネルの花茎は一晩の水揚げでかなりしっかりする。あとは適当に水を替えつつもたせれば良い。

 ところで、今回はフェンネルの種の話である。
 どうしても種が欲しいという要望にこたえて今年は種を収穫してみることにした。
 そこで、花の時期に切花とする量を減らし、種となるまで花穂を切らずに取っておいたのである。
 そして、8月になって少し色づき始めた種の穂を茎ごと切り取って自宅に持ち帰ってきた。
 自宅に持ち帰った後で、塵を落として、種の穂の部分だけを切り取って、これは逆さにして陰干しをしてみた。
 大体1週間程度で茎も穂も乾燥しているようにみえる。
 が、長期保存を目的にしているのでもう少し長く乾燥することにして今日までおいてみた。
 当初は一部に緑が残っていたフェンネルシードだったが、いまはみな茶色くなって乾燥しているのがわかる。、それは花茎の重さからもわかるものなのである。

 この結果、かなりの量のフェンネルシードが確保できたのだが、じゃあ、何に使えばいいんだということになる。
 もちろん、フェンネルだから魚料理には欠かせないハーブなのでそれにも十分使えるのだが、魚料理に使うのならフェンネルシードでなくても、何時でも手に入る生の茎や乾燥したフェンネルの茎でも十分に間に合わせることができる。

 そこで、いろいろ調べてみると、種だけでいれるハーブティがあるという。これはダイエットティとしてかなり人気があるというのだ。
 ダイエット志向の自分にとってはとってもいい利用法である。
 利用する方法は、小さじ1杯程度の乾燥シードを軽くすりつぶし、潰した種をティーバッグなどに収めて、後は熱湯を注げば良いことになる。
 色はわずかに黄色に変わり、香りは甘い香りがする。味わってみるとフェンネル独特の香りが口に広がり、同時に香り同様に甘味があるような気がする。
 ハーブティとしてはかなり美味い部類に属するもので、病みつきになりそうである。

 種はまだまだ収穫できそうなので、このハーブティを飲み続けて、更なるダイエット効果を挙げようと思っているところである。


その4 2011/6/25

 前回もフェンネルの紹介だった m(__)m。
 で、今期も引き続きフェンネルの話となってしまう。

 さて、3週間ぶりに畑に行ってみると、フェンネルの株が全部で6か所に分かれて群生していることが確認できた。
 1株というのか1群というのか、その1株のフェンネルの茎の数は20本程度もある。
 しかし、そんなにたくさんのフェンネルがあっても困るのである。
 実際に自分でフェンネルを使用するのはそんなに多くないからだ。
 当たり前の話で、細い葉や開花前の花のつぼみをサラダに使っても数が知れている。
 また、魚料理にといってもそんなに多くフェンネルを使う魚料理をするわけではない。
 更に言えば、ビネガーもフェンネル酒も1本作ればそれでとりあえずは十分だ。無くなったころにまた作ればよい話だ。
 
 そこで、思い切って6株中の4株のフェンネル群を廃棄することにした。もったいない話なのだが、他にも植えなければならないハーブがたくさんあるから、やむを得ない。

 作業としては全部で2時間程度で終わったが、大変だったのは根の掘り起こしである。
 金鍬でかなり深くまで掘り起こし、そこから無理に根を切っていく。大和芋のような大きな塊の根がごロゴロとでてくる。
 一株の根をすっかりきれいにするのには10個余りの根の塊を掘り起こすことになる。
 しかし、この作業を終えないと、しばらくするとそこからまたフェンネルの芽が出てきてしまうのだから、次のハーブを植える時には大事な作業である。
 今回の作業は雨の降った後だけに土も柔らかく、それなりに順調に終わった。

 作業が終わって、残った2株のフェンネルの蕾を写真に収めた。開花寸前の状況なのだが、開花前にはあと何日か暖かい日が必要だろう。
 右下の写真は、蕾の近接撮影だが、本当に開花直前といった風情である。

 ところで、フェンネルを整理した後の地面に何を植えるかということだが、今回はバジルの種をまいてきた。
 今頃からでは遅いのでないかと思うのだが、これで十分にトマトの収穫の時期に間に合う。
 いままでは種をまいたり苗を植えたりするのが大体5月連休中で、その頃に実生のバジルも芽を出す。そういう意味では、種をまいたり苗を植えたりする時機としては至極当然なのだが、それでは美味しいトマトが実るころには、バジルは穂をだしてしまう。
 穂を出したバジルの葉は固くなる。
 これでは大好きなトマトをバジルと和えて美味しくたべることができない。
 つまり、理屈から言えば、今頃の播種が良いということになる。まあ、これが上手く行くかどうかはこれからの天候次第である。

 現在、畑に残っているハーブを今日、最終的に確認した。
 フェンネルのほかには、ルバーブ、オレガノ、タラゴン、レモンバーム、ヒソップ、レモンタイム(クリーピング)、にら、チャイブ、アピオス、ベルガモットだけである。
 今後はチリを中心とした激辛ハーブや、ホースラデッシュなどの根菜ものにも数を増やしていきたいと考えている。


その5 2011/6/25

 今年もフェンネルが元気である。
 ただ、かっては20株以上あったフェンネルだが、実際に利用するのはごくわずか、その結果で今は3株が残っているに過ぎない。

 フェンネルの全体像を撮影するのはなかなか難しい。
 それは葉が細くてデジカメで撮影するとぼんやりとした輪郭だけになってしまう。
 そのため、今回は、接近して撮影してしたものを載せてみた。
 もう少し大きい画像のほうが分かりやすいかもしれないのだが、これは、また別のところで画像を提供したいと考えている。

 さて、このフェンネルだが、3枝を収穫して自宅へ持ち帰ってきた。

 硝子の花瓶にさして部屋に緑を置いたわけだ。
 それだけで充分満足した。
 が、しかし、夕食を用意する時間になって、冷蔵庫の中を確認した。
 竹の子の煮付けがあるのだが、もう一品?と考えて、更に調べると刺身用サーモンがあった。
 このサーモンに加えて、レタス、アボカドが野菜室にある。
 これはどう考えてもカルパッチョである。
 これらの材料に加えて「フェンネル」があるのである、絶対にカルパッチョとの結論に達した。

 レタスは小分けにして下に敷き詰め、その上に薄く貴ってくるっと丸めたサーモンを置く。
 更に、新鮮なアボカドを、半月状に切り分けて周りを飾ってみた。
 もちろん、その上にフェンネルの比較的細かく切ったものを振り、下の写真のようなものができたわけだ。
   本当はフェンネルの小枝をサーモンの中に一個一個挿して飾ろうと思ったが、実際にやってみるとどうも見栄えが悪い。
 それならば、真ん中に比較的大きな小枝(言葉に矛盾があるかも (^^ゞ ・・・)を飾りまわりのサーモンには細かく切ったものを散らすことにしてはどうかと考え、この写真となったわけだ。

 料理の写真なので、本当は全体を写すべきだが、皿の長さが30cmもあって、どうも上手く写らない。
 フェンネルのあるのがどうも分かり難い。
 そこで、思い切って右端のみを写したのである。

 フェンネルはすっきりした香が命で、魚料理に良く合う。
 またサラダに入れれば色も香も形も楽しめる。利用勝手の多いハーブである。

 もし、大量のフェンネルの収穫があるならば、ビネガー作りも良いのだが、やっぱり「酒」がお勧めである。
 香り高いフェンネル酒はそれだけで飲んでもよく、また、チョット香付で他の酒と混ぜても良い。
 酒の元は「焼酎」、香の少ない焼酎がお勧めである。
 今年も花の咲く季節に、フェンネル酒を作ろうと思っている。

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