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写真茎と葉果実(種)
学名等[学名]Anethum graveolens[英名]Dill[和名]イノンド
特徴アジア西部(イラン)から地中海沿岸を原産とするセリ科の1年草。地上高約1.5m。
日当たりのよい半乾燥地に自生。
利用部葉、花、茎、蕾、種子
育て方種から育てますが、蒔き時は春(4〜5月)と秋(9月)2回、移植を嫌うことから、直播きにします。1年草ですが、ある程度耐寒性があるので秋蒔きも可能です。
栽培する場所は、日当たり・水はけが良好な場所、もちろん蒔く前には、堆肥を入れ、苦土石灰を1坪辺り500g程度まき良く土に混ぜ込んでおくこと。種を蒔いた後は5mm程度の覆土で良いでしょう。
大きくなって開花期には株が倒れないように、支柱を立ててやりましょう。
注意としてはフェンネルの近くに植えると交じり合って香りも変わってしまいます。
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種まき                        
開花時期         秋蒔 秋蒔 春蒔 春蒔        
収穫                        
利用法魚料理、サラダ、ブーケガルニ、また、酸味とよく合いますので種子や葉はピクルスやビネガーに利用。花は、切り花にして鑑賞用としても利用します。
生葉はハーブティに。
Recipe生葉・花はハーブ、乾燥した種はスパイスとしていろいろ利用されています。
収 穫花が付く前の若い葉を利用します。また、種は、株が枯れた頃に株ごときりとって乾燥するようにしましょう。
成 分精油、ミネラル、カリウム、ナトリウム等
効 用酢とあわせて食欲増進、消化促進等、また、果実は鎮静作用(ディルの語源は『なだめる』という意味のdillaといわれている。)、動脈硬化予防に効き目があるといわれています。
追記
その1 2003.12.14

 今年は春先に大量のディルの種を蒔いた。
 これは4月13日にハーブハーモニーガーディンで購入したものである。全部で100粒ほどあったと思う。そして5月の連休を利用して全部を畑に蒔いたのである。
 ところが、これがどうしても芽が出ない。たしかに蒔く時期が悪かった。しかしながら何とか6月末には2株が発芽して、元気ないヒョロッとした苗となった。
 そしてそのたった2株のディルではあったが、その後太陽の恵みを受けて十分な大きさに育った。そしてそれなりに利用することができた。ハーブビネガーやビクルス、サラダなどなど・・・、畑にいくたびに収穫を繰り返して利用していたのである。それでも秋には大量の種子を収穫することが出来た。(左の写真)

 一方、収穫した種子は、来年用の種としていくつかを保存しておくことにした。そして多くの種子はスパイスとして利用しようと、カラカラに乾燥させてある。
 そんな風にディルについては考えていたのだが、何時の間にか畑では取り残した種子から大量に苗が出来ていて、数えるだけでも20株を超えている。このままうまく育てば、来年春には大量のディルを収穫することができる。
 だいたい、ディルの種蒔きは、種子が熟成する秋が適しており、そして冬を通り越して成長させる方法が良いとされている。1年草ではあるが、関東地方であれば、十分に冬を越すのである。

 そんな中で、先週から気になっていることがあった。それは、庭に置いてあって夏にはバシルを育てていた大鉢に、見なれぬ草が生えてきた(右の写真)ことである。香りからすれば確実にディルなのだが、こんなところにディルの種を蒔くわけがない。では何故こんな場所にと思い、妻に聞いてみた。妻の話によれば、秋に切花として収穫したディルを飾り終わって良く見るとかなり沢山の種ができたようだったので、バジルが終期を迎えていたこの鉢に種だけ落としたというのである。
 鉢が置いてある場所は、南向きの北風を受けないところで、鉢植えであるので当然水はけは良い。しかも2階のベランダが張り出しているおかげで霜にもあたらない場所である。ディルを育てる条件としては十分な場所であり、そのためにこんなに大量に発芽していたのである。畑から小さい苗のときに移植したディルも含めて、玄関先から庭まで、相当数のディルの苗が育っている状況である。
 これからも、折を見てこのディルの成長記録を紹介していきたいと思う。


その2 2004.5.22

 今年はディルの当たり年である。
 以前も紹介したのだが、畑ではかなり大量のディルが発生して、大きく育ってきている。
 もちろん、季節的には、大きくなっても良い時期なのだが、この2週間程度の季節が逆戻りした中での成長には芽を見張るものがある。

 左の写真は、そのディルが植えてある畑の一角を撮影したものであるが、花芽がかなり大きく伸びてきている。と言っても花も葉もフェンネルと比べてもほとんど区別がつかないほどである。葉はもしかしたらディルの方が少し緑が濃いような気がする。
 が、決定的な違いは、花の咲く時期である。ディルが大体今ごろの咲くのに対して、フェンネルはディルより1か月くらい遅れて咲く。そして盛夏でもフェンネルは咲き続けるのである。

 右の上の写真は、花全体を写したものである。まだ蕾の段階で、花は開いていない。
 花の咲いていないのは更にその下の写真でわかる。この肌寒い中で太陽が出るのを待っているのか、かっちりと花弁が閉じている。次の土曜日には、開花後のディルの花を紹介できると思うのだが、22日土曜日はこんな状態であった。

 昨年は、100粒以上種を蒔いたのだが、わずか3株しか発芽しなくて、それでも全部が大きく育ってくれた発芽率は3%とかなり悪い数値だった。ただ、昨年は種をまいたのが4月末、それから発芽までに約1ヶ月程度かかっているので、ハーブそのものの栽培が難しいと思った次第である。ところが、これは、自分の失敗で単に種の蒔く時期・方法を間違えただけではないかと気が付いたところである、もっと言えば春に蒔く種であれば、購入した後に「春化」をさせる必要があるみたいである。それをやらなかったのが3%と言う低い発芽率の直接的な原因ではないかと感じているところである。

 少なくとも、今、大株に育っているディルは昨年全て収穫した後に実生で昨年中に発芽して「越冬」したものである。これが20株程度あり、それに加えて、今年の春に、これも実生で発芽したものが10株程度ある。ただし、これはまだ小さくせいぜい草丈20cmといったところで、もちろん花芽などは今の段階で期待できる状態ではない。つまり種を蒔くのは春よりも秋がよく、春にまくとしたら「春化」が必要条件であると言うことである。

 昨年収穫したディルの種の今年の発芽率はほぼ100%であるが、今年はこんな事情から、これを蒔く必要がなくなってしまった。でも、ディルシードは、潰すと香りが良くていろいろな料理に利用できるスパイスの一種で、使い道としては「種」として蒔くよりも「スパイス」としての方が良い。香りはフェンネルシードに酷似しているのだが、ディルシードの方がちょっと薫り高い気がする。これがちょうど大きめのスパイス壜ひとつ分程度ある。何とか今年の収穫までもたせたいと考えているところである。

 さて、ディルの利用方法だが、昨年はビネガーに葉と花を大量に使った。もちろんサラダに入れ、料理の飾りにも沢山使った。フェンネルよりもディルの方が我が家では人気がある。

 そして今晩は・・・ディルウィードを大量に入れて、大好きなカレーを作ってみた。カレーは我が家ではスープとして食することが多くご飯と一緒に食べることはほとんどない。むしろバゲットなどと併せることのほうが多い。必然的にカレーはサラサラのものとなり、市販のカレールーを使って作るものとは全く異なるものとなる。このカレーを作るのに使うハーブ類はこのほかに、月桂樹の葉、シナモンスティックなどであり、また、手近に生ハーブがあれば結構大量にいろいろなものを入れてしまう。また、スパイスとしては主にコリアンダーとクミンパウダー、レッドペーパー、ターメリックなどが中心でこの4つは外せないものである。
 が、今日作ったカレーにディルが入っていることは、家族の誰一人として気が付かなかった。つまり他のスパイス類がきつすぎるのかもしれない。これは反省、次回のカレー作りの参考にしたいと思っている。


その3 2005.7.31

 今年もディルが実生で大量に発生して大きくなったことは、以前、このコーナーで紹介した。
 しかしながら、忙しさにかまけて雑草取りや葉・花の収穫をしないままに、3ヶ月が過ぎた。先々週から暇を見つけては畑に通い、大方の雑草を取り払い、植えてあるハーブや根菜類がやっとそこにあるのが分るようになった。

 そして最初に気が付いたのは、7月末という早い時期に、すでにディルの幾つかが花期を終わらせ、種ができ始めているということだった。
 ここ何年間か、ディルは種をまかず実生による発生なのであるが、今年はおよそ20株が成長している。その中で、すでに花が終わり実が出来始めているものが何株かあった。その中で、種子化が一番進んでいるものが左の写真に撮った一株である。
 といったからといって、今年のディルの花の中で、一番最初にこの株が花をつけたわけではない。毎年、最初に花を咲かせたディルは、花柄の一番下のところからちょん切って自宅に持ち帰り、食卓の中央に飾ることになる。時と場合によっては、一緒に切り取ってきたディルの葉も飾るのであるが、これは、その日の献立の内容にもよるのだが、時にはむしりとられてそのままサラダの中に入れられることもある。
 そのため、今回写真を撮った種子化した一株は、我が畑の中では2番目に咲いたものということになる。
 このディルが植わっているところから30メートルくらい離れて、フェンネルを植えてある。ディルとフェンフェルはどうしても交配しやすく、あまり近づけて植えるとディルが負けてしまうようだ。それというのも、フェンネルは多年草で同じ株が越冬するため、種子から育てない限りは問題ないのだが、ディルは一年草のため毎年種子から成長する。そのため、フェンネルと交配してしまうとディル独自の香りや風味が弱くなってしまうのである。

 ところが、実際に問題になるのは、遅咲きのディルである。遅咲きといっても、そのディルの性質ではなくて発芽が遅れたために花が咲くのが遅れたり、あるいはその株にとっては2番花、3番花となった場合である。
 このような場合は、花期がフェンネルの花期と一致してしまい、結果的のにフェンネルとの交配が進んでしまうので、その種子はディルの性質が弱くなるのである。

 さて、このままいけばディルシードの収穫がそろそろ始まることになる。これは必ずしも全部を収穫するわけではなく、秋の終わりに、あるいは、来年の春に実生で発芽しなかった場合を考えて、翌年に蒔く種子を確保することと、あとはディルシードとして料理に利用する分の収穫である。が、なぜか、フェンネルもディルも種子の方が甘い香りがするはどうしてなのだろうか。


その4 2007.6.17

細葉シリーズ第二弾ということで今回はディル。
 前回のフェンネルは花が咲くか咲かないかのギリギリのところで全部切りとってしまった。背丈ほどあったフェンネルは胸位の高さとなってしまい、それでいてすっきりした景色となった。

 一方ディルは今を盛りと花をつけている(写真参照)。
 先週火曜日にディルの花を一輸、と言っても25cm程度の大きなものなのだが、自宅に持ち返り、食卓に飾った。これが香り良く、部屋はディルの香に包まれた。ただ困ったことには「花粉」が大量に落ちるのである。もちろん花粉も花の色と同じく黄色である。朝起きると花瓶の回りがうっすらと黄色となっている。これを食事のたびごとに拭くのである。結構めんどくさい仕事である。

 ところがこれであることに気がついた。このディルの花粉は小さなかたい粒状であるというとだ。それもけっこう硬いのである。粉状の花粉だとけっこう掃除に難儀するわけだが、この粒状の花粉は掃除が容易いのである。
 ところが、昨日あたりから花粉は落ちなくなった。花粉が全部落ち切ったということなのだが、花は枯れずにそのままの黄色で固まってしまった・・・つまり種化したわけだ。
 もちろんそうなると香りもやや減退、花の華かさはなくなってしまったのだが、飾るには未だ充分な状態である。ただ、室内で種と化したものでは利用ができない。やっぱり太陽を燦々と浴びて根から十分な養分を吸ったものがベストなのである。
 そして、畑のディルの花の時期はこれからである。
 種を得るには大輪一つがあれば十分である。

 そこで、余ったディルの花と葉の使い方が問題になる。無駄にしてはいかん。
 考え付くのは、ディル酒。昨年成功したフェンネル酒を真似てディル酒を作ろうと思っている。  もちろん、ディルビネガーもディルオイルも利用という意味では候補になるのだが、強い香りを楽しむならやっぱり「酒」ということにならんだろうか。
 ちなみにディルの畑での植付状況は、大株2株、成長途上のも数株といったところである。
 夏場を中心に使い、酒を作ったとしても十分な量である。

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