写真 | 花 | 葉 | 花(盛期) | |||
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学名等 | [学名]Allium schoenoprasum | [英名]Chive | [和名]西洋アサツキ | |||
特 徴 | ・ヨーロッパ〜シベリア原産のユリ科の多年草。草丈30cm程度。 | |||||
利用部 | ・花・葉 | |||||
育て方 | ・通常は種を入手して春に蒔き育てますが、2年目から花が咲くようになります。花が咲けば梅雨明けに花から落ちた種で実生でたくさん新芽が出ます。 ・冬は地上部は完全に枯れてしまいますが、翌年春には必ず根から新芽が出てきます。秋の終わりに根部を掘り起こし、鉢栽培し、日当たりの良い室内においておくと冬でも利用することができます。 ・2年に1回の割合で株分けすると更によく育ちます。栽培が簡単なことから、初めてハーブを栽培する人などへのよい贈り物となるでしょう。 | |||||
利用法 | ・殆どの料理に葱と同様に用いることができます。
・花は単独でビネガーにしたりばらしてサラダに入れたりします。まち、乾燥してリースなどにも使用します。 ・葉は生で使いますが、小口きりして冷凍しておけば、冬でも新鮮なものが使えます。 | |||||
Recipe | ・チャイブのポテトスープ・岩魚と山女の香草ホイル焼き・あさりのワイン蒸し | |||||
保 存 | ・適当な長さに切ったチャイブをクッキーシートなどに載せて冷凍します。完全に凍ったところで、チャック付きのポリ袋に小分けしていれそのまま冷凍します。 | |||||
収 穫 | ・葉の長さが15センチ以上になったら地上部から5センチ程度を残していつでも収穫できます。 | |||||
参 考 | ・他にガーリックチャイブ等の種類があります。 | |||||
追記 | その1 2001.4.28> 4月の終りとなって、畑もようやく華やかさが戻ってきた。 左の写真はチャイブである。 今年の開花日は4月の23日。ただしこの日咲いた分は直ぐに切りとって花瓶で未だに花をつけている。この写真は、この場所で5年ほど植えられたままにされているチャイブなのであるが、道路際ということもあって、散歩する人などが興味深げに見ていってくれる。 一方、昨年株分けしたチャイプの方は、生育条件が良かったのか葉は大きく伸びて50pにも達している。ところが、どうしたわけだか蕾はまだ硬い感じある。たくさん蕾をつけているのだが、花が咲くまでにはまだ少し時間が必要のようだ。このチャイブを移植するときにたっぷりの肥料をあげたことから、ひとつの茎の太さは、少なくてもワケギ程度、いやそれ以上の太さとなっている。 この株分けしたチャイブは、移植前に畑を良く耕しフカフカとした中に、畝の高さが15センチくらいになるようにして、更に乾燥牛糞と完熟堆肥をたっぷりと元肥として入れ、その上に土をかぶせて移植直後は直接根が堆肥などにあたらないようにして植えつけたものである。 このチャイブの葉がしっかりと伸びたころに、海の幸の鰹が旬を迎える。 鰹は1本で買ってきても良いのだが、もしも皮付きの刺身用の切り身があるのならば、それを利用したほうが便利である。これを購入して皮の部分はしっかりと、身の部分は軽く直火で炙って氷水に入れる。これは熱を取るのと同時に身を締めるためである。身がしまった鰹を厚手に切ってニンニクの薄切りとあわせていき、最後にチャイブの微塵切りを鰹が隠れるくらい沢山振りかける。後は、好きな食べ方で食べるのである。タタキ用のドレッシングを振りかけても良いし、刺身と同じように山葵・醤油でも乙なものである。 これからチャイブがいろいろな形で食卓にのる時期である。 もうひとつ、花で作ったチャイブビネガーも独特の香と色が良く、この時期だけしか利用できないものなので、これもしっかり作って利用してみたいものである。 その2 2001.5.5 先週もこのコーナーでチャイブの紹介をしたのだが、採っても採っても採り尽くせないチャイブを再度、紹介。
左は、チャイブの花の写真である。 既に家中チャイブの花が飾られ、これにあわせて、カモミールの花やフェンネルの葉が一緒となって飾られているので「おっ〜、春」という感じとなっている。 畑に行くと遠くからチャイブの花が分かるのだが、今回は、このチャイブの花を使ってハーブビネガーを作ってみた。 チャイブのハーブビネガーを作るには先ず畑に行って花を摘み取ることから始める。少し花が開きかけているものから完全に開ききっているものを対象につんでくるのである。 摘んできた花は、飾る分は別として、ビネガーにするものは先ず水洗いに入る。茎をつけたまま良く水洗いをし、しばらく立ってから今度は花の部分だけ切り取る(花茎は食べても繊維質が強く固くて美味しくない…不味い)。 切り取った花穂は、再び流水でしっかりと塵等を落とし、その後水気がなくなるまで乾燥させる。 大きめな壜(透明なワインなども壜で十分。ただし、後から花穂を取り出すので、できるだけ壜の口が広いものが良い)に水気をしっかりと切ったチャイブの花を入れ、あとは壜の口まで白ワインビネガー(日本の酢でも十分、壜の口まで入れるのは、チャイブの花が空気に触れないようにするためです。)で満たし、2〜3週間待つだけ。 左の写真は、そのときの写真なのだが、写真左が仕込み作業完了直後の作りたてのもの。まだビネガーの色は薄い黄色となっているのがわかる。 一方写真右側は、4月28日に仕込んだものである。1週間たっているので花の色のピンクの色素が抽出されていて全体がきれいな色となっている。この色が実に良いのである。 このビネガーの花を漬けておく期間はせいぜい2週間から3週間、花の色がビネガーの中で褪せたときが、花の取りだし時期である。 右の方は大分花の色が抜けてきているので、あと1週間ほどしたら、花を取り出して使い始めることになる。 このチャイブのビネガーはある程度保存することができるが、保存が長期にわたると次第に色が薄くなってしまう。そのため、香とともに色を楽しめるのは今からほんのわずかな期間だけである。 したがって、花が咲く都度どんどん収穫して、作っておく必要がある。 4月28日に作ったものは48個の花が入っているが、今回のは72個。色は一層濃いものとなりそうである。 畑にはまたまだチャイブの蕾があるので、毎週土日がビネガー作りの日となるのである。 その3 2008.11.16 この時期にチャイブを紹介するのは珍い。 時期的にはそろそろ終わりの時期だ、が、我が家のパソコンルームの外で鉢で育てているチャイブが実に元気なのだ。 新しい芽をどんどん出して来ているし、花芽こそ持たないが束になって伸びているのである。 もちろん季節的な問題がある。それは枯れた葉が目立つということである。 枯れた葉は、根元近くまで白茶くなって、見た目にも悪い。そのため夏が終わった頃からこれをこまめに取り去るのが1週間に1回から2回の仕事になる。 チャイブも枯れるのは外側の葉からである、したがって取り除くときは根元近くまで枯れた葉を探っていって、根元周りをすこし剥がすように取り除くのである。 問題は葉が折れてそのために折れたところから茶変した葉である。 当初は、茶変した部分だけ取り除いていたのだが、すぐに根元近くまで枯れてしまう。そのため最近は折れて枯れた葉であっても根元近くで取り去るようにしているのである。 今回載せた、左の写真は今日(11月16日)撮影したものである。 右下のもの(今年6月22日に撮影。)に比べると株が一回りも二回りも大きくなっているのがわかる。 越冬はもちろん球根でできるのであるが、来年はこのままの状態では相当大きな株になってしまう。春先に株分けをする必要がありそうだ。 一方、畑のチャイブもこの時期としては元気である。 今回は写真を載せていないのだが、未だに利用できる状態が続いている。 畑のチャイブは昨年植え替えを行ったときに株分けしたものである。増えすぎて困っていたが、花の咲く時期が楽しみで育てているものである。 これらの鉢植えや畑のチャイブは、今も新鮮な若い葉がしっかりと伸びている。もちろん、春先の若葉には適わないのであるが、食する分には何の問題もない。 そこでいろいろ利用するのであるが・・・、 例えば、カツオのたたきに振りかけてみたり、冷奴の彩りと薬味としてみたり、あるいは、焼き上げたビザに細かく切って散らしたり、などがある。 しかし、これだけ増えたものをそれなりの量使うにはまだまだレシピが足りない。 前回のチャイブの話題は2006年3月25日であったが、そのときには根元の球根を野蒜と同じ風に味わう話を書いた。しかし、これとてもいつも用意できるわけではない。 もう少し、チャイブの利用法を研究せねばならないと考えている。 もしかしたら、「チャイブのお浸し」なんていうのも結構オツな味わいであるのかもしれない。 その4 2013.4.1 2月までの寒さが嘘のように、3月になってからは極暖かい日が続いた。 3月29日に広大な畑の一角にあるハーブ畑を見に行った。 多年草のハーブの多くは問題なく越冬をしていたが、ヒソップのピンクが枯れ、ブルーもぎりぎりという状態であった。 また、日本では一年草として分類されているレモングラスも今の状況から考えれば、今回は越冬できなかったようだ。 さて、そのような状況の中で、今回はチャイブについての報告である。 3月に入るとチャイブは芽を出す。 多くの場合、チャイブは、前年の枯れた茎のさやの中で冬の寒さから新芽を守り抜き、春の気温や雨や空気の変化を感じて、灰色の鞘の中から濃い緑の芽を伸ばし始めるのである。 チャイブを育てていると、この伸び始めた針状の葉の脇から出始める花芽の時期から花が咲く時期までがとても気になるのである。 それはちょうど桜が咲くのを待つように、我がハーブガーデンでは、赤紫のチャイブの花の咲くのが春の証だからである。 同じ時期に咲くものとしてはルッコラもあるし、ルバーブもある。 しかし、ルッコラは時期さえ合えば1年中花をつけるのでこの花を見て春を感じることはできない。また、ルバーブに至っては花と呼ぶにはあまりにも花の形が分かり難く、これも春の花という感覚が持てない。 結局、春一番で可憐な花をつけるチャイブが最も気になるわけである。 かっては、20株程度を育てていたチャイブだが、それほど多く利用しないということと、花自体の利用も多くなくなってきたために、今は畑に3株、自宅のキッチンハーブとして1株を栽培しているに過ぎない。 花が咲けば季節を感じたいために、この花を散らしたサラダを作り独特のネギの香りを楽しんでみたり、あるいは花をビネガーに付けたりして、春が終わるころまで利用する程度になってきた。 それでも4株あれば十分なのである。 ところで、今年は花芽が出る以前の問題として、今現在育っているチャイブに異変が起きている。 右下の写真を見てもらいたい。 チャイブの茎が異常に太いのである。 定規で計るとなんと1cmもある。 チャイブはシベリア原産のユリ科の多年草であって、そして、一般的には世界最小のネギと言われている。 当然、分葱よりも小さく細いというのが私の頭の中での常識なのだが、今年のこの一株のチャイブは太い。他の株に比べてその太さは一目瞭然だ。 チャイブを育てて15年ほどになるが、これだけ太い茎を見たのは初めてである。茎が太いといことは針状の葉も太いということになる。針ではなくパイプ状という表現が当たっているようだ。 分葱を超える太さでは、味や食感も違ってくるはずで、もうしばらくたったところで収穫して利用してみようかと考えている。 利用のベストは、サラダである。これは繊細で細くて柔らかいチャイブの葉と、咲い始めたばかりの花が良いわけのだが、今回はこの太い葉を使ってサラダを作ってみようと思う。 この結果がどうなったかは、いずれここで報告したいと考えている。 |