身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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かき・干し柿
◆(薬効)
・二日酔い
・風邪
・夜尿症
・高血圧
・やけど
・かぶれ
・しもやけ
・痔
・虫刺され
・歯痛
●柿の渋みはアルコールや温湯で抜く
中国が原産で、日本のくだものの中でも最古の部類に属します。
柿という名前は、「赤木
」からきたという説がありますが、実もそして紅葉した葉も、鮮やかな赤をしていること
からつけられたといわれます。
柿には甘柿と渋柿がありますが、そのちがいをご存じで
しょうか。
熟すと自然に渋みが取れて甘くなるのが甘柿、熟してもなかなか渋みが抜けな
いのが渋柿です。もっとも渋柿も、熟度が進めばしだいに甘くなりますし、干し柿にする
と、ひじょうに甘みが増すことは、よく知られています。
渋みは、シブオールというタン
ニンです。シブオールは水溶性のため、食べると唾液に溶けて渋く感じます。
甘柿にもこ
のタンニンは含まれていますが、熟すにつれて、タンニンが水に溶けにくくなります。
そ
のため、食べても渋みが感じられなくなるのです。
渋柿は熟してもタンニンが不溶性にな
らないため、なかなか渋みが抜けないというわけです。
柿の果肉をよく見ると、ごまのよ
うな黒い点があるのがわかりますが、これは不溶性のタンニンです。
渋柿の渋を抜くため
には、アルコールや温湯などに漬けますが、これはタンニンを水に溶けなくするためです
。
炭酸ガスを噴霧して一定期間、密閉して渋を抜く方法もあります。
●プロビタミンCとビタミンAが豊富
栄養面での特徴は、ビタミンCが豊富なことでしょう。
正確にいえば、プロビタミンC
という、ビタミンCの前駆物質で、これが100g中1gも含まれています。
プロビタミ
ンCは体内に吸収されるとビタミンCとなって働きます。大きめの柿なら、1個食べるだ
けで、ほぼ1日のCの必要量を満たします。
また、ほかのくだものには少ない、ビタミン
Aも多く、とくに干し柿の場合だと、生のものの2倍もAが含まれています。
ただし干し
柿にすると、Cは失われてしまいます。
そのまま食べるのがいちばんおいしい食べ方です
が、なますやサラダに加えたり、あえ物にしてもおつなものです。若葉はおひたし、ごま
あえ、てんぷらなどに利用できます。
また、白菜の漬け物に、柿の皮をいっしょに漬ける
と、甘みのあるおいしい白菜漬けができます。
柿には多くの品種がありますが、旬はどれ
でもだいたい10〜11月です。甘柿の王様は富有柿で、次郎柿がそれにつぎます。
渋柿
の代表は平たくて種のない平核無柿(ヒラタネナシ)や、細長く先端のとがった蜂屋柿などです。
おいしい柿の見分け方は、皮の色とつや、張りに注目します。
実はかためで、ヘたも緑色
で、しっかりついているものなら安心です。干し柿は、表面に白い粉のふいているものを
選びましょう。
●二日酔いの防止や、かぜの予防に抜群の効果
昔から、「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、柿は健康食品としてすぐ
れた薬効を発揮します。
まず有名なところでは、二日酔いの防止。
これは、柿に酒の酔い
をさます働きがあるからで、お酒を飲む前に生の柿を1〜2個食べておくと、悪酔いを防
ぎます。
二日酔いで気分のすぐれないときも、よく熟した甘柿を1個食べると、アルコー
ルが抜けて気分がスッキリします。
ビタミンCが肝臓の働きを助け、解毒を促すからでし
ょう。ただし、Cの乏しい干し柿では効果はありません。
乗りもの酔いにも、柿を食べる
といいといわれます。
晩秋、木枯らしが吹き始めるころ、柿は最盛期を迎えます。この
ころはかぜをひきやすい時期でもありますが、毎日柿を食べていれば、かぜの予防になり
ます。
ビタミンCやAが、ウイルスに対する抵抗力を高め、のどなどの粘膜を強くしてく
れるからです。
ただし食べすぎると、かえって害になることがあるので、注意してくださ
い。
昔から、柿を食べると流産をおこすといわれますが、これは、たくさん食べると体を
冷やすためです。
とくに空腹時にたくさん食べると、消化不良をおこしたり、便秘の原因
になったりします。
1日に1〜2個が適量です。
また、タンニンが体内で鉄と結合して、
鉄分の吸収を妨げますので、貧血症の人はひかえたほうがいいでしょう。
●柿のへたは、しゃっくりどめの妙薬
果肉ばかりでなく、へたの部分にも薬効があります。
柿のへたは漢方では柿帝(シテイ)
といって、珍重されています。
しゃっくりが止まらなくて困るときは、へた10個を1カ
ップの水で煮出したものを飲むと止まります。
夜尿症の場合も、ヘたを水で煮出して、毎
日飲むといいといわれます。
また、この煎じ汁は、しもやけの患部に塗っても効果が見ら
れます。
●高血圧や動脈硬化の改善に柿の葉茶が効く
柿の葉にはビタミンCが豊富で、これを日陰に干しておいてお茶にすると、すぐれた薬茶
になります。
これはビタミンCの供給源として最適なほか、毎日飲んでいれば新陳代謝
が活発になります。
また、動脈硬化の予防や高血圧症にもよく、利尿作用もあります。
ただし、注意しなければならないのは、柿の葉茶を飲んでしばらくは、コーヒー、緑茶、
紅茶をひかえることです。
効果が相殺されてしまうからです。
柿渋は外用薬としても利
用できます。
柿渋エキスは渋柿の熟していないものから作り、小さいビンに入って市販さ
れています。
昔はこれを、さまざまな用途に使いました。
打ち身ややけど、かぶれ、しも
やけなどは患部に、柿渋を塗ってください。
痔やハチなどの虫刺されにも、効力を発揮し
ます。
痔の場合は、干し柿を黒焼きにして粉末にしたものを、適量白湯に溶いて飲むと、
いっそう効果的です。
この黒焼きの粉は、歯痛のとき歯ぐきに塗っても効きめがあるとい
われます。
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