弊とは?

 1日から、近隣の集落における壇信徒様のお家に伺う棚経がはじまっています。その際、堂施餓鬼を行う集落もあります。
 その堂施餓鬼や山門施餓鬼において、必ず、「三界萬霊等」の位牌【平成24年8月13日(月):第484号】を中央に、そしてその後に、「大弊」を飾ります。この「大弊」の作り方は、【平成23年7月15日(金):第89号】に説明してありますが、この意味については語られていませんでしたので、調べてみました。
 「弊」という呼び方は、臨済宗においてであり、曹洞宗では施食旗(せじきばた)ともいうようです。基本的には、五色(青・黄・赤・白・黒)の紙を使用して作ります。この色は、仏教における如来の精神や智慧をあらわすといわれており、お寺によくかかっている五色幕と同じ色です。この五色は、万物の構成要素と考えられた五大要素である「地・水・火・風・空」を意味しているともいわれています。この五大要素が、墓石の原形である五輪塔の形です。そのため、この弊は、五輪塔を表し、供養を受けた精霊(ご先祖様)がこの弊の中に入り仏の教えを体得します。つまり、施餓鬼会による私たちの供養により、ご先祖様が、安らぎ得るためのものです。
 施餓鬼会は、ご先祖様のご供養と同時に、餓鬼道に墜ちて苦しむ一切の衆生に食べ物を施して供養します。「弊」には、ご先祖様が宿り、そして、「三界萬霊等」の位牌には、この世のあらゆる生命あるものの霊を、宿らせ供養するためのものです。施餓鬼会においては、連綿と続いている御先祖様のおかげで、今の私たちがあることに感謝して、合掌しましょう。

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年8月3日(月):第1569号】