袋井・法多山(はったさん)尊永寺  場所の地図

 遠州三山の最後は、法多山です。ここは、寺号より山号が呼称として一般的です。愛知県民の多く人たちが厄除けに御利益があるとお参りに出かける名刹です。遠州三山の可睡斎油山寺が、袋井市の北部にありますが、法多山は、南部に位置します。真言宗の別格本山です。
 今よりおよそ1290年ほど昔、神亀2(725)年に、聖武天皇の勅(みことのり)により行基上人より開山されました。勅願寺の列に偶せられ、今川・豊臣・徳川など武将の厚い信仰を得て栄えてきました。本尊の正観世音菩薩は、古来から厄除け観音として広く信仰され、多数の参詣客が訪れています。
 また、法多山において欠かせないのが、名物「厄除け団子」です。厄除け団子の由来は、毎年正月江戸幕府に献上する習わしの中で、この名物団子が登城の土産に添えられたことに始まるとのことです。将軍家より「くし団子」と命名され、その後、一般参拝客の賞味するところになりました。五本の串にさした団子は、頭・首・胴体・手・脚を表しており、団子に厄除けの意味を込めたと伝えられています。
 駐車場から、長い坂道である参道を歩くこと15分ほど、やっと本堂に到着です。参拝後、帰り道と指示ある方向へ行くと、厄除け団子を売る団子茶屋の前に出ます。参拝客は、必然的に、この厄除け団子を賞味したり、土産として買うことになっているようです。

仁王門 本堂
大師堂 厄除け団子
≪平成27(2015)年3月4日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年3月7日(土):第1420号】