札幌〜塩狩


 8月25日、今日も快晴。
 今日は、旭川までの旅程である。
 今日も、時間的にはかなり余裕を持って動けそうだ。
 YHの早い食事を堪能しつつ、手短に荷物をまとめて、札幌駅7時45分発の列車に間に合わせる。
 昨日はかなりゆったりした行動であったし、取り敢えず札幌の町も見たし、美味いラーメンも食った、という満足感があり、朝一番で札幌を離れることにしたのだ。
DiscoverJapan旭川駅
 定刻どおりの出発となって、汽車はしばらくの間、牧場やら畑などが広がる田園地帯を進んでいく。
 緑がきれいである。
 旭川には午前10時07分の到着。
 一旦、駅から出る。
 駅前からまっすぐに道が続いている。
 8月も下旬というのにかなり暑い。
 200メートル程度行ったところで喫茶店に入る。
 こんな時間なのにかなり込んでいる。
 2階に上がるとちょうど窓際の席が空いている。
 吉本とともにその席に座り、さて、何を飲もうか、考える。
 駅からここまでは直射日光に当っての歩きである。
 二人とも、ビールで意見が一致。
 なんと、昼間から二人でビール3本も飲んでしまった。
 もちろん、そうなるともう昼飯など食えない。
 しばらく、ビールを飲みながら向かい方にあるデパートらしきところの喧騒を眺めていた。
 そんなことをしていると、吉本が
「当麻? 鍾乳洞があるなあ〜。」
「鍾乳洞?」
「山口の秋芳洞みたいなやつだよ!!」
 さすがに、長州出身者はできる。
 秋芳洞は、地理の授業で習ったので中国地方にあることは知っていたが、まさか、こやつの出身の山口県とはしらなんだ。
 今までに、鍾乳洞を見たことがなかったので、すぐに行くことにした。
 実は、吉本は山口県出身者でありながら、秋芳洞は見ていないらしい。
 したがって、もし、当麻で鍾乳洞が見れるならば、初めての経験になるみたいだ。
 本人はそんなことをおくびにも出さない。
 早速、道順を確認すると、旭川から石北本線に乗って当麻まで汽車で行き、そこからバスで往復できるという。
 これならば、ゆっくり見学しても、夕方には旭川に戻って来ることができる。
DiscoverJapan塩狩駅
 12時30分に当麻駅に到着。
 バスの時刻表を見ると、鍾乳洞行きのバスは、小一時間来ない。
 やむを得ずタクシーを利用。
 砂利道をもうもうと砂塵を上げての15分。
 距離にして9kmちょっとか、当麻鍾乳洞の入り口に12時50分に到着する。
 まずは帰りのバスの時間を確認する、と、たっぷり一時間以上の時間がある。
 これでゆっくりと見学ができる。
 中に入ると、3層に分かれていて、各所に照明がある。
 全体に青みがかった色で、洞内はひんやりとしている。
 かなりゆっくり見て回ったが、1時間もかからなかったことから、内部の順路に従った道のりの距離はあんまりないような気がした。
 何かぐるっと回ったような感じであった。
 帰りは国鉄バスで国鉄当麻駅までかえり、バス代は無料、感無量である(駄洒落)。
 今度は、ここから旭川駅に戻り、今夜の泊まり場所とした塩狩まで行かねばならない。
 旭川で若干の待ち時間があり、その後宗谷本線に乗り換えての出発である。
 いわゆる鈍行で8つ目(?)の駅が、塩狩駅である。

 駅から歩いて少しのところが、塩狩YHである。
 大きな池を渡るように架かっている木の橋を渡って入っていく。
 午後4時には到着し、830円の泊代を払い、諸手続きを終了し部屋に入る。
 そしてやっぱり温泉に入りに行く。
 昼間はかなり暑かったのだが、夕方になると、かなり涼しく感じる。
 温泉で温まった体に夕風が実に気持ちがいい。
 夕食は6時きっかりから。
 吉本と席についてゆっくりと食べる。
 夕食の後に再び温泉に行く。
 午後7時半に部屋に戻り、身支度を整えて、8時からの恒例のミーティングに備える。
 ミーティングは、フォークダンスとお話。
 話によると、夏でもここら辺りは、天気が悪いと明け方には10度前後まで温度が下がるとのこと。
 確かに今晩は寒い。
 1時間でミーティングは終了。
 部屋に戻って同室の3人と自己紹介がてらしばらく話をして就寝。
 夜中、すぐそばをとおる機関車の力強い音と、遠くで幾度も幾度も汽車の汽笛がきこえた。