納沙布岬〜花咲港〜霧多布〜釧路
夜、根室
泊まる場所も決まったので、食事に出る。と行っても、一杯のみに出かけたのである。
初めての町で、飲み屋を探すのは難しいものだ。それでも根室広小路商店街の中に「鳥っ子」
という焼き鳥屋を見つけ、入ってみた。2番目の客であったが、店の主人がいない。
最初にいた客が、「そのうち戻ってくるから、一寸待っていなさい」と言う。2〜3分
待つと、30代中頃の、いかにも「根室の女将さん」という感じの女性が入ってきて
「お客さん何にします?」
「ええと・・、生ビールに、カワ、ハツ、テバ、シロ、レバ一本ずつね!」
初めて入る店は、取り敢えず味見をしなければならない。普通なら2本ずつ頼むところを
生ビール1杯分の焼き鳥5本とした。このままだと、たとえ美味しくなくとも、1000円程度
ですむ。最初に出てきたのは、生ビールとそれに添えられたキャベツの塩もみであった。
『むっ 美味い』キャベツを口に含むと、ビールにぴったりの塩加減である。この塩加減は絶妙である。
焼き鳥も期待が持てる。
カワが上がってきた。これも美味い。ビール1杯で焼き鳥5本を食べたのだが、何れも塩加減が抜群で美味い。
微妙な味付けのものがあった。塩にわずかに白胡椒を含め焼き上げたものだが、実にしっくりと合った味を出している。
結局、女将と、根室の夏の話などをしながら、中ジョッキー3杯と、焼き鳥多数を食べ、会計は
3900円。しかも、途中で、厚岸産生牡蠣のサービス付である。もちろん新鮮素材なので生で食べる。
ポン酢をチョットつけて口にほうり込むと、海が口中にあふれる。この店に入って良かったと思う、そんな瞬間である。
根室へきたときはお勧めの店である。広小路商店街に入って直ぐに左側にあり、「鳥っ子」
と書かれた暖簾が出ています。午後6時頃から行くと良いのではないかと思う。
納沙布岬〜
納沙布岬 |
根室から納沙布岬までは約30分の行程である。右に左に折れながら続く道の行き止まりが納沙布岬である。
午前7時35分、到着。早速記念写真を撮る。
展望台から眺めると、歯舞諸島、貝殻島、水晶島、それに国後島が直ぐそばに見える。
カニ丼セット | まだ、午前8時である。食事をしようと土産物屋に行くと、殆ど空いていない。一番奥の店だけが
空いている。入ってみると「かに丼」がある。頼んで出てきたものを見て驚いた。何とカニの卵とじ丼
である。他の具は若干の玉ねぎに、かまぼこの先切り。これらを纏めて卵とじにし、砂糖を中心に味付けしたものだから
実に甘い。1000円を越える値段は高い。他の店も同様で、中には、写真でメニューを出している店もある。
これなら、カニを出汁を効かせたご飯に炊き込んだ物のほうが、同じカニの量で絶対美味いと思った。
腹も空いていたので、全部食べて、午前9時に出発となった。
最初の目的地としたのは、花咲港である。あの有名な花咲蟹は実はここを主産地としている。そのため付いた名前らしい。
港へ行くには、というよりも、花咲の町にいくには長い坂道を下らなければならない。下りきったところがもう
港である。港の出入り口には数件、お土産屋があるが、いずれも花咲き蟹を置いてある。少し覗いてみたのだが
高いのか安いのか解らない。しかし、実に美味しそうである。ここで買うのをあきらめて再び車を西に向けた。
あとは取り敢えず走るだけである。落石から初田牛、浜中町、そして霧多布へと続く。太平洋沿いの
海岸線に沿ってアップダウンを繰り返しながらのドライブである。左手に太平洋、右手に牧場が続く。空も
青空を取り戻してきた。
霧多布岬 | 結局、2時間半の旅程(というほどオーバーなものでもないが)をへて、霧多布岬に到着。
車を駐車場において、霧多布灯台まで歩く。そして更にその先の岬まで足を伸ばしてみる。花の岬である。
しばらくは、海を見つめてすごす。
11時50分、国道123号線に入り、琵琶瀬まで走る。琵琶瀬では、展望台から遠くに丹頂鶴の姿が見える。
湿原の真ん中辺である。このあたりは霧多布湿原として有名だが、琵琶瀬からの展望が群を抜いている。
昼食替わりにと思って、揚げジャガイモ2個と瓶牛乳を飲む。
再び123号線に戻り、午後1時30分に
厚岸に到着。ここで道の駅に入る。ここの駅の道は、既に5年を経ているが手入れが良いのか非常にきれいで
特に2階の海鮮食堂では、入り口で、自分の気に入った材料を買うとわずかな手数料でこれを炭火焼きしくれる。
これは嬉しいサービスである。
ところが、ちょっと前にジャガイモを2個も食べてしまったため、食欲が湧かない。
駐車場に戻って車に乗ると、さてどこへ行こうかと、迷う。ここから釧路まではたいした距離ではない。
ちょっと早いが、釧路に泊まろうかと思い、5年前に泊まった釧路東映ホテルに電話をしてみる。シングルは満室である。
あきらめかけたときに、「ダブルのシングルユースなら出来ますけれども」という、即OK。念のため
料金を聞くと消費税を含め8400円だという。これなら安い。
東映ホテルは、釧路駅の直ぐ傍にあり、
和商市場にも近い。格も高いしベストの選択である。午後3時過ぎに入るのを約して、国道44号線へ。
ホテルには、3時丁度に到着。先ずシャワーである。やけどをするような熱いシャワーを浴びる。
火照った体のまま街へ出る。ちょっと早めの夕食である。和商市場は、明日の朝の楽しみとして、
今日は駅前にある小さなラーメン屋で味噌ラーメンを食べる。女性3人が切り盛りしている店だが
味は保証付きである。奥の壁に遠慮がちに「FM釧路」主催の料理コンテストでラーメンの部で優勝した
賞状が額に収められ掲げられている。
待つこと5分。味噌ラーメンが出てきた。スープを飲む。麺を食べる。
美味い。実に美味い。旭川のラーメンに勝るとも劣らない味である。ここの味噌ラーメンは、豚挽肉を
ベースに特製味噌をいれて中華鍋でスープを作り、茹で上げた麺にかぶせる方式を取っている。脂こさが無い。麺も美味い。
次から次と人が入ってくる。店はわずか6席しかない。すごい人気だ。
ラーメンを食べた後、しばらく街を散策してホテルにもどった。
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