8月4日:十勝川温泉〜釧路


釧路まで

 昨夜は美味・美酒を堪能し、快い眠りを得たものだから、疲れが出始めた北海道5日目であったが、午前5時30分に起床。ゆっくりとモール温泉に浸かり体調は更にバッチリ。午前7時には既に空腹の状況で、食堂へ。
 食事はバイキング形式で、ご飯と味噌汁は別として、スクランブルエッグ、山菜煮付け、ウインナーソーセージ(3本)、マカロニサラダ、胡瓜のサラダ、おしんこ、海苔の佃煮、梅干1個といった程度をとりゆっくりと食べることとした。
 食堂から部屋に戻って、いよいよ出発の準備。昨夜もFTPがだめだったパソコンを再びバッグに詰めて準備完了。午前8時15分の出発となった。雨が強かったので、荷物と妻を入り口に置いて、自動車を駐車場まで取りに行く。昨日修理した部分は大丈夫だろうかと思いつつ、キーをひねる。
「ブルルン〜、ブルブル・・ルルル・・・」と順調なエンジン音と快い振動が伝わる。どうやら、修理は完璧だったようだ。

ワイン城試飲コーナー

  今日の最初は、釧路までの通り道となる池田町である。池田町といえば「ワイン城」。ワイン城だけによって行こうということとなった。
 ワイン城にはすぐに着いてうしろ側の駐車場に入る。雨が降っていなければ、手前の物産館の駐車場の中から歩いて入ることとなるのだが、雨が強いため、今日はワイン城の後ろから直接2階まであがって中に入ることになる。最初は地下の貯蔵庫。そして2階から見下ろすかたちで1階にあるワインの製造過程を見学。そしてまちに待った、ワインの試飲コーナーである。
 今日のワインは「町民還元用ワイン」のロゼである。運転をするので口に含む程度であるが、感想としては「若い、荒い、きつい」といった感じである。それでも3杯程度は呑んだのだろうか。
 3階のみやげ物売り場を軽く見た後に、再び車に戻り、今度はワイン城の前にある物産館での買い物となった。
 ここでは十勝石といわれている「黒曜石」を記念に購入した。手で一握りよりやや大きい石で、これを上手く木槌などで叩き薄片を作ると、古代縄文時代の、ナイフや鏃ができる。もちろん大きなものであれば握り包丁なども作れるのである。また、石を磨くことができれば、素晴らしい置物などにもなる。まあ、今回はそんなに大きいものではないので、鏃などを作ってみようと思う。ただ、これは、自宅に帰りついてから、時間を見つけてから、ということになるだろう。
 妻は、ワインを何本か購入したらしく、後部に詰んであるクーラーボックスにしまいこんでいる。このクーラーボックスは、もう酒だらけである。富良野ワインに男山の日本酒、そして十勝ワイン…。まぁいいかぁ。


 ワイン城から道道73号を南に下り、国道38号線に入る。この道は直別(ちょくべつ)までは「十勝国道」その先は「釧路国道」となる。道は良いのだが雨が降っているのでスピードは控えめにしている。それでも結構スピードが出ている。しかし怖いのは、この車をもっと早いスピードで追い越して行く車である。やはり地元の車が多い。
 この釧路国道を北上、音別(おんべつ)、白糠(しらぬか)と通り、道の駅「しらぬか恋問」で休憩。ここで今夜の宿泊地となる釧路の「東映ホテル」に電話をする。ツインが簡単に予約できた。泊まるところが決まれば、次は、これからの行程の決定である。
 この道の駅から約5キロメートルで大楽毛(おたのしけ)の町に入り、T字路を左折するとここで国道240号に入り、タンチョウ鶴自然公園やら道の駅「阿寒丹頂の里」にも行ける。後は、そこから釧路湿原展望センターに抜け、釧路市まで走るだけである。

 小雨の中を最初の目的地、丹頂鶴保護センターに向かう。病気や怪我で行き倒れになった丹頂鶴を保護し治療・育成する施設で、その中は、敷地をいくつかのブロックに分割して、そのなかでそれぞれの丹頂鶴がゆっくりと暮らせるようにしているのである。子供のいる丹頂などもいて、雨も気にならずゆっくりと丹頂鶴を見ることができた。
 次は道の駅である。道の駅でスタンプを取り、道を隔てて反対側にあるレストランで昼食。
 そして、道道243号から道道53号に出て釧路市の展望台に。しばらく見学をしたあと、そのまま、釧路のホテルに。

釧路の夜

 ホテルに着いたのは午後2時45分。ホテル裏側の駐車場に車を入れ、チェックイン。

ホテルの部屋からの風景



 部屋は釧路駅に向かった側である。こちらの側になったのは今まで3回泊まってはじめてである。釧路の駅前が実に良くみえるのである。街は、雨上がりの様子で、車道はまだ光っている。道行く人も傘をさしているようだ。
 ホテルに入れば、先ずはシャワーである。今日は1日中雨に降られてしまったので、シャワーを浴びてスッキリしたかった。いつも通りの実に熱いシャワーを浴びる。頭のてっぺんからつま先までしっかりと洗いスッキリとして出てくる。

 シャワーの後は、パソコンの接続。これは釧路局のアクセスポイントに上手く接続でき、メールもしっかりと受信できた。もちろん会社のメールも転送している。このため旅行先まで仕事のメールが追ってくる羽目となってしまった。これはメールの転送を会社のパソコンに仕掛けてきてチョット失敗してしまった。旅行先で読む会社の事務連絡等のメールはあまりにも味気ない。
 ただ、相変わらず、FTPはだめである。ソフトが悪いのではないかと考え、いつものホームページに入りソフトをダウンロードする。そしてFTP。やっぱりダメである。ソフトのせいではないことが分かる。

 一方、そんなこんなとしているうちに、時間は午後5時。待に待った夕食の時間である。道の駅のところで食べた軽い昼食では持たないのである。

幣舞橋夕景


 特にどこで食べようという目当てはなかったが、フィシャーマンズワーフのチョイ手前にある「レンガ亭」が美味しいとの評判があったことから、そこで美味い焼き鳥などを食べつつビール、と思い、先ずはそばにあるフィシャーマンズワーフへいく。ここで20分くらい中にあるいろいろな店をを見学、更に釧路駅から行くと幣舞橋(ぬさまいばし)の手前で、左手にある繁華街へ行ってみる。ただ、ここはやや大衆向けではないと判断し、やっとレンガ亭へ向かう。

 ところが、レンガ亭は6時前だというのに既に行列のできる店となっており、30分程度の待ち時間だという。これはかなわないので、再び幣舞橋まで戻り「海丸屋」へ。
 2階の窓際の席に座ると、目の前は釧路川である。シチュエーションは最高である。右手奥に今通ってきた幣舞橋が見える。そろそろ宵闇に包まれてイルミネートが輝き出している。

 最初に頼むのはどうしても、生ビールとなる。
 料理は、一杯飲んでからとなった。
 烏賊刺し、帆立刺し、そして海鮮サラダを最初のおつまみとした。
 何れも新鮮で上手かった。海鮮サラダの中心は蟹なので、最初に頼んだつまみだけで、帆立、烏賊、蟹と美味しい北海道の味覚を堪能することができた。尤も、大食漢であるわれわれが、この程度のおつまみで満足するわけもなく、更にツブガイの刺身、大漁にぎり寿司等々を平らげてしまった。

 結局1時間半ほどで、夕食(夕呑み)を終了して、ゆっくり帰ろうということになった。雨も上がり、ほろ酔い加減で涼しい夜風に吹かれながら、釧路の街をそぞろ歩くのもなかなか乙・・・なんてことを考えていたら、街が実に騒がしい。
 街灯に設置してあるスピーカーがガナリたてている。
 これはどうやらお祭りらしい。
 幣舞橋から2ブロックほど駅に近づいたところで、ついに祭りの山車にぶつかった。ちょうど釧路駅から幣舞橋までの直線道路が今日の祭りのメイン会場になるようだ。
 お巡りさんなども沢山出ていて、ついに、この通りの車を全部排除し、進入禁止とした上で山車を出して練り歩くらしい。

 「釧路みなと祭り」と書いた幟を立てた船型の山車が、街を練り歩く。
 5台、6台、7台とだんだん山車の数が増えてくる。
 おそろいの法被に絞りの手ぬぐいの鉢巻をつけた曳き手が船の形の山車を引っ張っている。先導するグループは数名で、何れもブレーダーで、大漁旗を振りながら鮮やかな走りを見せている。
 小1時間ほど「大漁丸」と書いた一番大きな船型の山車の動きに合わせて見学をしつつ、夏祭りを楽しませてもらった。祭りが通る両側の歩道は、どこも人であふれ、あちこちで生ビールの街頭販売などをしていて、祭りを見ながらのビールもなかなか美味しいのではないのかと思った次第である。

 祭りの人出のせいで、あまり気がつかなかったのだが、釧路のこのメインストリートは、両側に花壇があって、花壇と花壇の間に大きな鉢が設置されているのである。そしてそこに植えられているものが「ナスタチウム」であった。真中にツリー状に持ちあがるように工夫されて植えられており、赤や黄色の大きな花が、葉の緑と実によくあって、気持ちのよい雰囲気を作っていた。
 ナスタチウムの利用方法として実に良く考えたものだと思った。

 ホテルの部屋に戻ってテレビを見ると、ちょうど釧路みなと祭りの話題が映像とともに放映されており、今日からの3日間、釧路の町はお祭り一色になるとの説明であった。