8月1日:樹海ロード日高〜富良野〜旭川


富良野まで

 午前3時58分起床。外は既に明るくなってきている。4時15分にはそれまでついていた駐車場内を照らす水銀灯も全て消灯し、日の出直前の状況である。

樹海ロード日高-午前4時


 駐車場を見回すとここに昨夜泊まったのは、トラック4台に乗用車17台である。乗用車といってもそのうちの4台はオフロードタイプの車で、また2台はワンボックスタイプの車である。いずれの車も窓にカーテンを引いたり、サンバイザーをたてたりして水銀灯の光をさえぎっているような状況である。

 道の駅のトイレを利用して顔を洗い口を漱ぎ、出発の準備に取りかかった。
 先ず最初は、フロントガラスの掃除である。苫小牧に到着してここに着くまでの約2時間の夜間走行で、かなり昆虫がぶつかって、ガラスが汚れていて視界が悪いのである。やっぱり綺麗にして出発したいのである。あらかじめ用意してあった雑巾でフロント部分を充分に掃除して、車内の整理整頓をした。
 そしてレモン系飲料を飲んで、午前5時10分出発である。

 国道247号をチョット札幌方面に走ると237号とぶつかる。ここを右に折れて後は、道なりに走れば富良野まで到着するはずである。途中1箇所、占冠で右折れするのだが、ここは標識がはっきりと書いてあるので、間違うことはない。しばらく走るとかなり濃い霧に見舞われたが、金山峠を越えたところで霧は晴れ、これは今日は暑くなりそうである。真夏のギンギンの日差しが六時前だというのに照り付けている。

富田ファーム


 午前6時45分、最初の目的地、中富良野の富田ファームに到着。駐車場に車を置き、歩いて見学をした。ただ、目的のラベンダー畑は7月中の雨がたたり、青紫の絨毯を想像していたのだが、これは残念ながら、かなり黒味を帯びたものとなっていた。香りも幾分少ないようで、いまいちの感じがした。
 さすがに、駐車場からラベンダー畑に行くところにその旨の「今年は雨のためラベンダーの色が黒くなっております。今年のラベンダーは終わりました。」の掲示があり、私にとって2年ぶり、妻にとっては10年ぶりの富良野は、期待を裏切るものとなってしまった。ただ、ラベンダー畑に隣接する各種のハーブ畑、花畑は、夏の日を浴びて健やかに育っており、ここで、1時間以上の長居をしてしまった。
 また、ほんのわずかではあったが、前の畑にブルーのラベンダーが残っているのを楽しむことができた。畑の真中を通る小道は、風が吹くとラベンダーの香りが気持ち良く香ってきてスッキリとリラックスできるのである。こんなに暑い日に、日向でもほっとする瞬間である。

 次にチョット戻って、中富良野駅前から「彩香の里」にいってみる。ここもラベンダーで有名なところである。富田ファームでだめだったので、是非ここでは!と思っていってみたが、やはり同様で、もう終期。・・・・残念!!

富良野チーズ工房

富良野チーズ工房


 次は更に戻って、道道985号線沿いにある「富良野チーズ工房」へ。
 到着は8時30分だったが、見学の時間が9時から。車を降りると、外はムワッーっと暑い。30度々は突破しているはずだ。しかし、チーズ工房の前の芝生にある木製の椅子に座って木漏れ日を浴びている分には我慢できる暑さである。風もそよそよと吹いている。
 見学開始は外が暑いせいもあってか、9時前に開場。チーズの製造過程を確認しつつ、ゆっくりと見学。 同工房内の案内によると、

製造室
富良野の牧場で生産される新鮮な牛乳を殺菌して、レンネットを添加し、カードを作りチーズを熟成室に入れるまでの行程を見学
熟成室
型詰めされたチーズを熟成させる部屋です。ワインチェダーは4ヶ月、ホワイトは2ヶ月、メゾン・ドゥ・ピエールは反転を繰り返して約1ヶ月熟成させます。
パッケージング室
富良野の新鮮な牛乳を使ってこのチーズ工場で作られたチーズはこのパッケージング室で一つ一つ丁寧に包装されます。
となっている。
 チーズの種類が良く分からないので、2階にある売店に行ってみる。
 売店中央で、チーズの試食ができるコーナーがある。これは見逃すわけにはいかない。全部で3種類のチーズが試食用となっており食べやすい大きさに切り分けられていて、大皿に盛られている。

セピア(イカ墨チーズ)


 最初にワインチェダーを食べてみる。赤ワインを混ぜて作ってあるチーズで、チーズの表面も切り口も、赤ワイン色の大理石模様となっていて、濃くのあるチーズなっている。

 次にメゾン・ドゥ・ピエール。これはもう実にクリーミーで、カマンベールも真っ青というくらい美味いチーズである。これが試食できるとは実に幸せである(大分大量に試食してしまった。)。
 最後に食べたのが、セピアというチーズ。周りは真っ白なのだが、いかすみを使っているので切り口は黒く輝いている。白と黒のコントラスト、これもこくがあって実においしい。パンフレットによれば「富良野の冬の大地をイメージさせた製品で、中味の黒は肥沃な大地を、それを包む白カビは北国の粉雪を表現している」とのこと。また「セピアとはイタリア語でイカ墨の意味」とも書いてありました。チョット勉強をしてしまいました。

 この工房では、バターやチーズ等の手作り体験ができるのだが、何れも予約制であった為、自分たちが参加して楽しみながら作ることはできなかった。次回、富良野に来るときには、是非、予約をしておきたい場所である。

 チーズ工場を回った後は、隣接する施設で「丘の写真館」へ。ここでは旭川から美瑛・富良野にかけて点在する丘の写真を常設展示している場所である。静かで、ゆっくりと写真を楽しむことができた。四季の富良野周辺の丘が、大きな写真(最大縦2メートル、横3メートル位)となって展示されている。帰りがけに写真から取った絵葉書を買い求めた。

富良野ワイン工場

 時間は充分ある。チーズとくれば、次はワインに決まっている。今度は少し旭川よりに戻って、ワイン工場に。

地下貯蔵室


 途中、市内からワイン工場までの道はすべてワイン色に統一されているのである。道路、歩道やガードレールは理解できるとしても、なんと、並木となっている街路樹までが、ワインレッドに統一されているのである。こだわり!というのか、一途というのか、実に道順としては分かりやすい状況でした。

 工場に到着すると、まず最初は地下室での見学。棚には年代別にビンワインが保存されており、また奥のほうでは、たるでワインを熟成しているところも見学できた。外の暑さからこの中に入るとひんやりとしている。
 この後2階へ登っていくと試飲コーナーがある。すぐに「試飲」。今日は3種類のワインが用意されていた。順番に呑むと白→白→赤の順となる。最後の赤は2杯いってしまったので、暑さと空腹のなかで、ヒンヤリとしたワインはおいしくやや気持ち良い状態となった。そしてここでは最終的に赤を1本購入。


旭川まで

 富良野での予定が大体終了したが、今夜の宿がない。時間的にはまだかなり早いのだが、取り敢えず旭川のホテルに電話をする。1軒目のターミナルホテルが満室。2軒目もだめ、2軒目で、何か旭川でイベントがあるのかを確認すると、バトミントンの大会が旭川であって今日はどこのホテルも満室とのこと。しかし、あきらめるわけにはいかない。昨日が車中泊のため今日はどうしてもホテルに泊まらなければならないのである。
 3軒目の旭川ワシントンホテルに電話をするとツインが空いているという。すぐに予約をお願いする。チェックインは午後3時。今から美瑛をたっぷり回って行っても時間的に余裕がある。
 宿が決まれば、後は楽である。美瑛の丘をたっぷりと楽しんだ。

 午後1時過ぎにホテルに到着。  車を駐車場において、遅い昼食を食べに町に出る。外は確実に摂氏35度を越えているはずである。この暑さは異常である。ただ、昨年も猛暑・烈暑のなかを自転車でここまで稚内から来たわけであるから、驚くには足りない。

蜂屋のラーメン


 駅まで歩いて、後は地下へ。一昨年も、昨年もここで食べたのだ。「蜂屋」のラーメンである。
 いつものあの抜群の味である。この味は本当に癖になる。やや細麺の縮れ麺で、わずかにあるねぎの細切りが汁とともに麺にからみつく。麺の味も実に美味い。歯ごたえが抜群である。脂大目とした脂の香りが去年の夏を思い出させる。今回も、汁まで全部のみ干してしまった。

 少し遅い昼食であったが、丁度良い量で食後は駅前のデパートなどをはしごし、冷房のなかを通って、ホテルまで。30分ほど早かったが、チェックインOK。
 部屋では早速シャワー。
 スッキリした後は、パソコンである。
 電源をいれ電話線を接続し、先ずはメールを確認。
 次に、各種電気機器の充電。携帯電話、デジカメの電池(2台分)、髭剃り等々。
 この間に、出発して以降撮影したデジカメの映像をパソコンに取りこみ。日付順にフォルダを作り、そのなかに保存。ここまでに撮った写真の数は106枚。これにフィルムカメラの分が30枚ほどある。
 こんな作業をしているうちに、時間は午後5時30分。食事時である。

大雪地ビール館


 夕食は「大雪地ビール館」とした。
 まだ昼間の暑さが残る旭川市内をあるいて行く。さすがに夕方ともなれば・・やっぱり暑い。入り口で人数を告げると、中央のテーブルに案内された。2人で呑むにはゆったりとしている。
 全部で4種類のビールがあるという。これを順番に呑むこととに決めた。1杯が350CCで4杯飲んでも1400cc。大体ビールビンにして2本分である。実際に飲んだものは次のとおり。

 ケラピルカ:4杯
 モシリレラ:2杯
 大地の香り:1杯
 美白:2杯
 最終的には、中大合わせて7杯呑んだので、ほとんど量は不明である。
 料理は、何れも抜群の味で、ビールに合うような味付けとなっていて、飲む人間の好みを実に巧みに味に反映しているものばかりだった。

トマトとモッツァレラノサラダ\750
取り合わせが抜群で、実にシンプルでかつ深い味わい。久しぶりに美味しいトマトを食べました。
タコの刺身、明太子ソース\650
タコと明太子ソース、これはいずれも海の幸の取り合わせ。ぴったりの味となっていました。
ムール貝のワイン蒸し\600
新鮮なムール貝が美味しく、最後に頼んだガーリックトーストでスープまで完璧にいただきました。
虹鱒のルイベ\750
東京ではとても食べられない味に感激。
ソーセージ盛り合わせ\1,850
ボリュームがあって、ビールといえばソーセージというぐらい、とても相性が良かった。