富山県にある合掌造り集落は、五箇山ICからすぐの所にある「菅沼」集落
【第389号】はすでに訪れています。今回は、「菅沼」集落より1kmほど北へ行った「相倉」集落を訪れました。「菅沼」は、合掌造りの家が9戸ですが、「相倉」は、20戸が合掌造りということです。「相倉」は、庄川からやや離れた段丘上に位置し、北東にゆるく傾斜する細長い台地に広がっています。この集落にある32戸の住宅のうち20戸が合掌造り家屋となっています。「合掌造り」とは、日本有数の豪雪地帯で知られる白川郷・五箇山地方で、特徴的に見られる急傾斜の切妻造り・茅葺きの民家です。1階は大工の手で造られ、屋根を構成する合掌部分は村人が自分達で造ったものです。広い屋根裏では養蚕が行われていました。相倉集落に現存する合掌造り家屋の多くは、江戸時代末期から明治時代に建てられたもので、最も古いものは17世紀にさかのぼるということです。史跡として保存される範囲は、これらの民家だけでなく、田畑・山林・池・道路・屋根葺きに必要な茅を取る「茅場(かやば)」や、雪崩から守るための「雪持林(ゆきもちりん)」までもが含まれるということです。相倉に訪れると、集落と周りの環境とが織りなす美しい風景を目の当たりにすることができました。