新居宿 旅籠・紀伊国屋 場所の地図
昨日紹介した新居関所【第1883号】から西へ100mほどの所に、旅籠・紀伊国屋があります。新居関跡との共通入館券になっています。
江戸時代、関所を出た新居宿内の東海道沿いには20数件の旅籠(はたご:現在の旅館)が軒を連ねていました。
紀伊国屋の創業ははっきりしませんが、あるじが紀州の出身で、江戸初期に新居に移り住み茶屋を営んだのが始まりといわれます。戦後に廃業するまで約250年、旅館業を営んでいました。江戸時代中期の元禄16(1703)年には徳川御三家紀州藩の御用宿となっており、その後「紀伊国屋」の屋号を掲げたとのことです。
建物は明治初めの再建ですが、随所に江戸期の建築様式を色濃く残し、平成13(2001)年に解体修理を行い、当時の風情を体感できる施設として公開しました。
新居関跡とあわせて見学することで、江戸時代の文化をよく見ることができます。
また、紀伊国屋から南へ100mほどの所に「国登録有形文化財・元芸者置屋の小松楼」があります。
新居では大正時代以降、関所の南側に歓楽街が広がり、多い時で60人から80人の芸者がいたと言われています。小松楼は大正から昭和20年代頃まで芸者置屋及び小料理屋を営んでいました。建物は明治末期以前のものを現在の地へ移築し、その後数回の増改築を行っています。2階は座敷となっており、独特の間取りやべんがら色の壁など当時の面影を残しています。平成22(2010)年9月1日から小松楼まちづくり交流館としてリニューアルオープンしました。
紀伊国屋全景 | 上(じょう)の間 | 次の間 |
奥座敷 | 台所 | 土蔵 |
紀伊国屋の庭 | 元芸者置屋の小松楼 | 小松楼内部の展示 |
≪平成28(2016)年5月31日撮影≫ |