拝請(はいしょう)

 昨日紹介した津送儀において、事前に届いた参列要請の書状である「拝請(はいしょう)」を示します。拝請とは、「礼拝懇請」の略で、師家や長上の僧を迎えることを意味します。奉書に本文が書かれ、それを七つ半に折り、包みに入れます。この拝請が届くと津送儀に参列することになります。
 通常、津送儀は、遷化されてから四十九日目に行われます。遷化されてすぐには、通夜と密葬が行われ荼毘にふされます。関係寺院に対しては、遷化の連絡である葉書、「訃音(ふいん)」が事前に届きます。そこには、津送儀の日時や場所が記載されています。  


拝請

勤啓上 即辰○○○○之候   
                 伏惟
堂頭老大和尚大座下 震艮愈々
御清福之段法幸無量奉存候   
 陳者 卑山○○世 ○○○○和尚
四大不調之処 薬石無効去
○月○○日 遷化仕候      
 就者 来○月○○日午前○時
於 ○○○○○
津送儀新忌斎厳修仕度候間 
法務御多端之砌遠路誠恐縮 
御随喜賜度此段伏奉懇願候 
        誠恐惶頓首敬白
平成二十五年○月      
      ○○寺 小師 ○○ 九拝
              法類一同 羅拝
         檀信徒総代一同 合掌

○○堂頭老大和尚         
侍衣下


訃音


勤啓上                       
当山○○世 ○○○○和尚儀四大不調之処
 薬石効なく去る ○月○○日 世寿○○歳を 
以って遷化致しました              
茲に謹んで生前の御法愛と御厚情に対し厚く
御礼申し上げます                
追而 津送儀は来る平成○○年○月○○日午前○時より
○○○○○にて修業致します        

先ずは右御礼旁々御挨拶申し上げます  
                     恐惶頓首
平成二十五年○月              
○○市○○町○○      
      ○○山 ○○寺
             小師 ○○
 九拝
              法類一同 羅拝
         檀信徒総代一同 合掌
包みに入った拝請 奉書に書かれた拝請の本文 訃音 
≪平成25(2013)年7月21日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年7月21日(日):第826号】