三保の松原  場所の地図

 昨日紹介した日本平から東へ5kmのところに、今日紹介する三保の松原があります。約7kmの海岸線に5万4千本の松が茂り、三大松原のひとつに数えられています。風光明媚で、波打ち際から望む富士山はまさに圧巻です。松原の入口に次の説明文がありました。

名勝 三保の松原
 霊峰富士の眺望、絶景をもって天下に識られているここ三保の松原は、遠く万葉歌人に詠歌され、また、日本の伝統芸術である能「羽衣」によって多くの人々に親しまれている名勝地である。大正5(1916)年5月には、日本新三景のひとつに選ばれ記念碑が建っている。四時緑たたえ、東遊の駿河舞を偲ばず。
  国指定名勝 大正11(1922)年3月8日指定 静岡市教育委員会

松並木 羽衣の松
≪平成24(2012)年10月8日撮影≫

 初代「羽衣の松」は枯れて、写真の「羽衣の松」は二代目です。その松のふもとに石碑があり、次の「羽衣伝説」の話が刻字されていました。

 昔々、三保の漁師が松の枝にかかっている美しい衣を見つけて持ち帰ろうとすると、天女が現れて言いました。「それは天人の羽衣です。どうか返してください。」 ところが漁師は「天人の羽衣なら、お返しはできません。」と言いました。すると天女は「その羽衣がないと天に帰ることができません。」と言って懇願しました。漁師は天上の舞を舞うことを約束に羽衣を返しました。天女は喜んで三保の春景色の中、羽衣をまとって舞いながら、富士の山に沿って天に昇っていきました。

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成24年10月19日(金):第551号】