白木の位牌 臨済宗の葬儀 bQ
葬儀・告別式に際して、白木の位牌が2つ用意されます。【平成24年4月25日(水):第374号】で紹介した三弔いで用いたものが、以下の写真です。
左側のやや大きめの位牌が墓地用、右側の小さい方の位牌が自宅仏壇用です。
位牌の先頭には、「新皈元(しんきげん)」「皈元(きげん)」とあります。「皈」という字は、みかけない漢字ですが、「帰」と同じで、「帰元」と書く場合もあります。「皈元」とは、涅槃(ねはん)の世界に入ることで、おなくなりになった人を意味します。ですから「新皈元」とは、新たに涅槃の世界に入った人という意味です。「新皈元(しんきげん)」「皈元(きげん)」の後に、戒名を記し、位牌であるという意味の「霊位」で結びます。
墓地用位牌の裏面にある「荘厳報知(しょうごんほうち:ほうちをしょうごんす)」とは、涅槃に入られた方をおごそかにお知らせしていることを示しています。
※涅槃−煩悩(ぼんのう:人の心を乱したり悩ませたりする心の働き)の火を消して、知慧(ちえ:物事をありのままに把握し、真理を見極める認識力)の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地をいう。
白木の位牌 表側 | 白木の位牌 裏側 |
≪平成24(2012)年4月23日撮影≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成24年4月26日(木):第375号】