頂相(ちんそう)

 頂相とは、禅僧の自画像のことをいいます。本来の意味は、見ることのできない仏の顔かたちのことです。禅僧の写実的な肖像画で、(きょくろく:仏事の際に僧が座る椅子)に座り、右手に払子(ほっす:法要などの時、導師である僧が持つ仏具)あるいは竹篦(しっぺい:禅宗で、修行僧に指導する立場の僧が、参禅者の指導に用いる法具)を持つ全身像が一般的です。画像には師自らが賛を添えたり、没後ならば縁の深い僧が賛(さん:自画像に描き加える法語等の文字)をする習わしがあります。
 普段あまり見ることができない頂相ですので、昨年から、正月時に20世から22世の歴代住職3人の頂相を掲げて、お参りできるようにしています。

左より、第22世道元宗一大和尚、第21世守道泰信大和尚、
第20世泰山恵松大和尚の頂相
≪平成24(2012)年1月1日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成24年1月2日(月):第260号】