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| 産卵直前のサンゴ。ピンク色の卵が浮き出しています | 生まれる寸前。今にもこぼれ落ちそうです |
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| 最初のうちは卵もまばらです | 産卵開始直後。サンゴの枝の間を漂っています |
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| しだいに浮き上がってきて、サンゴをおおうようになります | やがてあたりはサンゴの卵だらけに |
最初に宮平さんが入り、ざっと見て回ります。浮上してきて最初の言葉はひとこと「今晩です」。やったー、それ行けえ。
ナイトが久しぶりの人もいてエントリーにちょっとばたつきましたが、とりあえず全員潜降して、産卵が始まったサンゴの周りを囲みます。
最初の内は、卵だかプランクトンだかわからなかったのですが、卵の数が増えるにして、卵のつぶがプランクトンより多くなってわかるようになりました。卵を生む直前のサンゴはピンク色のつぶがびっしりとついていて、産卵が始まると、最初は枝の間をただよっていますが、次第に上の方へ昇ってきてサンゴの上が卵で覆われるようになります。卵はそのまま上にただよって行き、水面まで上昇します。水面を見上げると、卵が集まって帯のようになっていました。
ひとつのサンゴが産卵を始めると、その周りにいるサンゴも産卵を始めます。そこで、サンゴからサンゴへと渡り歩いて、新しい卵を探します。そうしているうちに、まわりはサンゴの卵だらけ、どっちを照らしてもサンゴの卵があるくらいになりました。
サンゴの卵は、想像していたよりも小さく、1mmに満たないものでした。
でもそれがいっせいに放出されるさまは、神秘的、なのかもしれないけど、実際には興奮していて「やったー」という気持ちのほうが勝っていました。
その後で余裕が出てくると、思わず顔が笑い顔になります。
約1時間のサンゴの産卵ウォッチングは、十分に満足できるものでした。
上がってきてマスクを取ると、サンゴの卵のにおいがしました。磯のにおいと魚のにおいを混ぜ合わせたようなにおいで、人によっては生臭いと感じるかもしれません。
もちろん潜水中はにおいませんが、浮上して試しにマスクを浮かせてかいでみると、はっきりとわかります。
たぶん髪の毛とかにもサンゴの卵がくっついているので、上がった後シャワーを浴びるまではなんか体が生臭いような気がしました。こんなことはテレビの映像では絶対に伝わらないので、現場にいた人だけが経験できることでしょう。
なお、サンゴの産卵の条件ですが、旧暦の4月15日の満月の大潮をはさんで前後3日間くらいの間で、水温がある程度上昇していること(24度以上ならいいみたいです)、気温も寒いよりは暖かいほうがよくて、水中に適度なサージ(うねり)があること、そして日没から3時間くらいたったころに始まるということです。旧暦の4月15日は今年の場合26日で、八重山は26日、宮古は27日、そして座間味が28日としだいに上がってきたのは、水温の関係のようです。もし来年のサンゴの産卵をねらうなら、まずは旧暦のついているカレンダーを買って旧4月15日がいつになるかを調べ、現地のサービスと相談して日程を決めるのがいいでしょう。
ただし、サンゴは気まぐれなので外れることもあります。また、水温が十分に上がらないと、産卵をやめてしまうこともあるということです。相手が自然のものなので、期待は半分くらいにしておいたほうが良さそうです。