3月23日(土)


今日も海は荒れていてクジラの船は出ないので、朝からダイビングです。

1本目は「佐久原(さくばる)魚礁」。阿嘉島の南西につきだした岩礁から落ち込むドロップオフのポイントです。まずは浅いところに船を止めてエントリー。下は一面のサンゴです。ドロップオフのほうに向かうと。海底から大きく突き出た根があるので、まずはそこに寄ります。根の周りにはクマササハナムロが群れていたのですが、いつものように泳ぎ過ぎるのではなく、動かずにいます。密度も濃くて、別の魚のようです。ここで追い込み漁をやれば、大漁は間違いなしです。

ここから海底に向けて、斜めに降りていきます。そこで目に飛び込んできたのは大きなコンクリートの四角い枠が、積み重なっている魚礁の姿でした。上が水深30mくらいで、下まで降りたら33mくらいの深場です。深場のせいで、魚礁にはサンゴも根付かず、丸裸の感じがします。
魚礁の上に乗って下を見ると、大きなギンガメアジが6〜7頭、魚礁の中を泳ぎ回っています。小さいけどメガネモチノウオもいました。こういう場所の定番、アカククリもいます。逆に、小さい魚はほとんど見ません。

ギンガメアジを追いかけていて、置いて行かれそうになったのであわててみんなのほうへ向かいます。みんなは少し離れたがれ場のところでジョーフィッシュを観察中。ところが、ガイドの水中ライトが電池切れで、どこにいるのかわかりませんでした。残念残念。

そうしていると、12cmくらいの小さなコバンザメが現れて、周りをうろうろし始めました。どこかくっつける場所を探している様子。でもくっつくのに都合のいいところが見つからないようで、ずっと行ったり来たりしています。くっつくかなと思って水中スレートを差し出しましたが、これは気に入らない様子です。結局くっつく場所は見つけませんでしたが、さっきの根に戻るあたりまでついてきていたそうです。

根に戻って、壁になっているところにいるハナゴンベを見ます。八重山ではあんまりいない魚ですが、このあたりではけっこう見られる場所があります(粟国にもいたなあ)。壁に沿って10匹くらいがあまり動かずにいます。オーバーハングになっているところでは、逆わらずに逆さまになっています。ハナダイのくせにゴンベと名前がついてしまっていますが、なるほどその丸っこい体型は、他のハナダイ類とはちょっと違います。でもピンクと黄色のコンビネーションが岩場に映えて、華やかさをだしています。

根のそばのクマササハナムロは相変わらずでした。その後ろに、少し大きい魚の影が出入りしています。イソマグロかとも思いましたが、それにしては体高があるので、たぶんニジョウサバでしょう。

浅場に戻り、クマノミやセジロクマノミなんかを見ながら安全停止もついでにしてしまいます。サンゴが生き生きとしていて、底にいる魚は数え切れないほどでした。

わりと遠くのポイントだったので、当然ながら帰りも長くなります。風にさらされると震えがくるほでです。水温は21〜22度なので、水中ではあまり寒さを感じませんが、上がったときの寒さはかなり厳しいです。ドライスーツで来る人が多いのも頷けます。

2本目は、今日帰るSさんの都合に合わせて、11時出航でした。Sさんの友人のTさんは、体験ダイビングで一緒の船に乗ります。ところが、波があって初めての人にはちょっときついので、古座間味ビーチにインストラクターと一緒に取り残されてしまうことになりました。

あらためて潜るポイントの東牛(あがりうし)に行きます。エントリーするところは砂地で、そこから深くなる斜面に、ユビエダハマサンゴがびっしりと生えています。中性浮力がとれないと、苦労するところです。

まずは砂地を進んでいきます。と、いきなりガイドが指示棒をとるや、サンゴに向かって突き刺し始めるではありませんか。よく見ると、そこにはオニヒトデがいたのでした。かなり食べられてしまったようで、サンゴは半分くらい白くなってしまっています。しかし、エダサンゴの中に入り込んでいるオニヒトデは、指示棒ごときでは出てくるものではありません。
結局、オニヒトデ退治はできませんでした。

気を取り直してユビエダハマサンゴの群落に向かいます。と、今度はガイドが字書き板をとりだすや、「コブシメ」と書きました。探してみてもそれらしいものは見つかりません。さらに近づいてみると、わっ、大きい。
いつも見るコブシメの倍くらいある大きさなので、目がコブシメと認識しませんでした。大きいのが1頭(それともイカだから1パイ2ハイと数えるんだろうか)、それより小さいのが1頭です。取り囲もうと思って回り込もうとしますが、コブシメも気配を感じたのか、包囲網を突破してしまいました。ああ残念。と思いきや、また戻ってきて輪の中に入り、その後すみを吐いてすっ飛んでいってしまいました。

もう少し進むと、このポイントの看板魚、スミレナガハナダイのつがいがいます。本来はハーレムを作る魚なので、メスが一匹だけというのも珍しいです。メスが一匹しかいないせいか、それとも他のオスがいないせいか、なぜかオスは黄色いからだに紫の四角をつけた、中途半端な模様をしていました。

再びガイドが「スジアラ」と書いて指さしました。その先には少し大きめのハタがいます。別にきれいでも何でもない魚ですが、食べるほうでは高級魚だそうです。

浅場に戻り、ボートの近くに来たところで何となく自由行動みたいな感じになりましたが、先に上がった人に悪いのですぐに上がりました。残圧はまだ十分でした。古いほうのレギュレーター(新しいものより空気の流量が少ない)を使っているので、エア持ちが良くなっています。

風は北へまわり、外海はますます荒れそうです。ホエールウォッチングどころか定期船も欠航になりそうな雲行きです。とりあえず今日は予定通りの運行でしたが、明日、そして帰る日の明後日はどうなることやら。


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