3月24日(日)


遠くからは真っ黒に見えるハナミノカサゴアップでどうだ、アカククリ(下にホンソメワケベラがいます)
岩の割れ目にケショウフグが入り込んでいます近くで見るとけっこう恐い顔、のセグロマツカサ

いよいよ波が高くなってきたので、明日の船はどうなるかわからない。そこで一日早く本島に戻ることにしました。といっても連休の最終日で高速船はたぶん満席で乗れないと思うので、フェリーで帰ることにします。
フェリーの出航は午後3時、となれば午前1本は潜れるので、せっかく乾いた器材ですが、またも出発です。

ポイントは「嘉比キンメの根」。といっても今はキンメモドキがいなくなってしまったので、正確には「元キンメの根」です。
エントリーすると下は砂地で、浅いところには根もありますが、斜面は一面の砂です。先にエントリーしたので待っている間に近くの根をのぞいてみたら、サザナミフグと目があってしまいました。みんながそろった後で斜面を下っていくと、水深21mのところに根があります。周りを覆う小さい魚はいませんが、複雑な形の岩の間には果たして何がひそんでいるのやら。

まずはアカククリが2匹いました。1匹は外に出てきたのですが、写真を撮ろうと近づくと、やっぱりぷいっとしっぽを向けてしまいます。中にいるほうも、顔を向けたかと思うとくるっとまわってしまい、ピントを合わせる間にそっぽを向いてしまいます。そうこうしている内に、ガイドの宮平さんが岩の奥を指すので見てみると、なんだこれ、黄色の地に黒い斑点がある丸いものが目に入ってきました。考えている内にその物体は向きを変え、頭が見えてみるとそれはケショウフグでした。それにしても大きいです。フットボールを一回り大きくしたくらいで、もはやフグの概念を超えています。こんなのが膨らんだら、でかいビーチボールくらいになるんだろうか。

根の穴や窪みには、暗いところ大好きのクロオビマツカサや、ニジエビスといったイットウダイの仲間がいます。似たような種類の魚なので、今まではだいたいの見当でログブックに名前を書いていましたが、今回はデジカメがあるので同定は実に正確です(ちゃんと写っていたとしての話)。

浅いほうへ移動途中、砂地に20cmくらいのジュズタマイソギンチャクがあり、クマノミがついていました。小さいやつでしたが色が薄いです。
伊豆あたりだとこの大きさでも黒っぽい色をしているので、何でこうなるの不思議です。確かに色が薄いほうがイソギンチャクの間に隠れやすいということは言えるのですが、それじゃあクマノミは周囲の環境に色を合わせるのかということになると・・・誰か知りませんか。

浅いほうに来て、あたりにある根を巡っていきます。暗いところやっぱり大好きのセグロマツカサを見て、アマミスズメダイの幼魚を撮ろうと四苦八苦したあとに岩を回り込んでいくと、またもや不思議な物体が、というほどのこともありませんが、50cmほどのモンダルマガレイが岩の上にいました。周りの色に同化しようとしている努力は認めますが、胸びれがぴんと立ち上がってせっかくのカムフラージュが台無しです。見つかったと気づいて動きはしましたが、またもとの場所にもどってきました。ここにいると何かいいことがあるんだろうか。

その後またも宮平さんの指の指すほうに不思議な物体が、って今度はカサゴの一種(どうもウルマカサゴらしい)でした。これもみごとに周りの岩と一体化しています。目がなければ魚だなんて絶対わからないし、デジカメで撮ろうとしても、モニター上ではどこまでが体でどこからが岩なのか区別がつきませんでした。

砂地の上にひっぺがされてころころしているウミウシがいました。これもデジカメで撮ったけど、図鑑の写真はちゃんと岩なりなんなりに貼り付いている写真ばっかりなので、さすがのデジカメでも同定はできなかったのでした。

船に上がって、すばやく注いでくれるココアを飲んで、器材をまとめるともう港につきます。嘉比島まわりは、近いけど変化に富んだポイントがいくつもあっていいところです。慶良間に滞在しないと潜れない(那覇からの船はここまで入ってこない)ので、みなさんぜひ座間味においでください。

帰りのフェリーは空いていました。じゅうたん敷きの船室で横になって寝てしまったら、目が覚めたら那覇に着くところでした。座間味島を最後に見ないままでしたが、別に悲しくはありません。どうせまた戻ってくるんだから、絶対。


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