10月の赤沢

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またもや、赤沢です。
こんなに毎週毎週行っていて飽きないかというと・・・飽きないんですねえこれが(読んでいる方はもう飽きたって?)。続けて行っていると、まだ夏の気分を引きずっているので、昼は水着でふらふらしていますが、やっぱり秋なので少し寒いです。油断をしてると、かぜひきます。
今回(10月9〜10日)は、天気はおおむね晴れ、気温は25度くらいまであがりました。水温は25度のままで、下がってないです。透明度は秋にしてはそこそこで、6〜8mくらいです。


ホウセキキントキ再び登場

撮影:椎名勝巳

先週群れを見た場所に9日午後行きましたが、影も形もなし。まあ講習をやっているすぐ横みたいなところですから、いなくなっても不思議はないのですが、それにしても惜しいことをしたと思いつつ翌日午前に同じ場所へ行くと、わっ出た。
遠くから見ると雲のようで、近づくと群れになるところなんかは先週とまるで同じです(そりゃそうか)。しかも今日は、群れのまとまりが良くて、日差しがあるので、群れの影が水底に写っています。これは見ものです。ゆっくり追っていきましたが、向こうも少しずつ下がるのでなかなか近づけません。ところが、水深が浅くなったので群れはそこでつかえてしまいました。右には講習をやっているグループがあるのでふさがれています。そこで左に回り込み、群れの後ろにまわります。向こう側は・・・見えない。近くで見ると、上下の感覚が加わるので、ますます群れが大きく見えます。他のみんなが近くで見えるように少し押しやります。群れは少しずつ動きはじめましたが、残念すきありで、間をぬけていってしまいました。でもすぐ脇を通っていったので、一瞬のシャッターチャンスはうまくいったでしょうか。
それにしても講習やってたグループは、目の前にいたのに何の反応もなしでした。それだけ真面目にやっているとも言えますが、ちょっともったいない。それとも目に入ってないんだろうか。それも恐いですね。


アイゴの四変化とベラっ子

コガシラベラのこども(白と黒のたてすじに、尾の付けねがオレンジ色)が何匹かまとまって入ってきています。で、クリーニングのお店(洗濯屋ではない)を開いています。ホンソメワケベラのクリーニングは有名ですが、他のベラもこどものうちは、クリーニングをするものが結構います(やることは体のごみとりだから、クリーニングよりエステのほうがぴったりくるような気もする)。さてコガシラベラの店のお客はアイゴでした。ちょっとした岩のすきまにコガシラベラがたむろしていて、そこにアイゴがやってきます。上でホバリングすると、コガシラベラのうちの1匹が上がってきて、アイゴの体をつつきはじめます。アイゴは気持ちよさそうに体をくねらせて、色を変えます。普段の黄色から、色が濃くなってこげ茶色になったり、色が消えて白くなったり、まだらになったりと、見ている前でくるくると色が変わります。そのうちにもう1匹のアイゴがやってきました。すると前のアイゴが追い払おうとします。まるで「邪魔すんなよー」といっているみたいですが、その間コガシラベラは、どうしていいかわからなくなっています。


アカヤガラの追跡

赤沢では、細長い魚がふわふわしているのがやたらと見られるのですが、これはアオヤガラです。よく似たアカヤガラは高級魚ですが、こちらはほとんどいません。でもいました。アオヤガラより心持ち太くて、吻(口がつき出している部分、くちばしみたいになっているところ)の比率が大きいのが特徴です。2匹並んで進んでいました。
翌日もう一度見たとき、アカヤガラはオジサン(魚のほうね)のこどもの群れを追いかけていました。普段はのほほんと泳いでいるのですが、こういう時は速いです。必死に泳ぐオジサンに楽々と合わせています。でもあんな直線的な泳ぎ方では捕まらないんじゃないかと思いますが、ずっと追いかけていきました。アカヤガラって・・・しつこいんだ。
アカヤガラを食べる話になると、決まって「あんなに細くて、食べるところはあるの?」という疑問がでてきます。まあ食べられるくらいはあるんだろうけど。もしかして、身が少ないから高級魚なのかな(それじゃカニみそだってば)。


ムレハタタテダイはどこに

沖のポイントのムレハタタテダイのうち、上層グループがいなくなってしまいました。たぶんどこか沖のほうに移ったのでしょう。中層グループはまだいます(でも13匹に減ってしまった)。クリーナーグループは、2匹になってしまいました。
上層と中層グループはともかく、クリーナーは他の魚に食われたとは考えにくいので、中層グループに合流するんでしょうか。
そういえばあちこちにいたムレハタタテダイも、とんと見なくなりました。やっぱり一つにまとまるんだろうか。でも連絡はどうやってとっているのかとか、いろいろと謎はあります。


砂地のでっかいの

とくにあてもなく砂地を横切って来ると、とつぜん横にいた人が興奮しています。指さすほうを見ると、黒いものが底から5cmくらい離れてただよっています。とがった尻尾に長い頭、直立した胴といえば、これはタツノオトシゴです。でもずいぶん大きくて、手のひらの長さくらいあります(えーとものさしものさし)、ということは約15cmで、タツノオトシゴとしては破格の大きさです。もちろん、ただのタツノオトシゴではなく、オオウミウマという大型の種です。
こんな開けっぴろげなところで大丈夫かと思いますが、こいつもこれだけの大きさになるまで生きのびたからには、大丈夫なんでしょう。それにしても大きいなー。まさかゴムのおもちゃじゃないだろうな。


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