10月に入り、いよいよ本格的な秋になった感じがします。でも海の中は、もう少し夏のなごりが続くようです。というわけで、またまたまた赤沢です。
今回は10月3日(日)の1日だけ、2本でした。天気は晴れでしたが、うねりが入っていて、透明度は少し落ちました。といっても、主に砂が巻きあがったせいで、水の色は秋ならではの水色です。水温はあまり下がっていなくて25度くらいです。気温は晴れたので上がり昼間は水着ですごせました。
午後は普通のダイビングです。エントリーして、まずクマノミを見に行きます。前と同じ場所のクマノミが、目に見えて大きくなっていました。このまま大きくなって、寒くなっても元気でいてくれると良いのですが、ちょっと遅いかな。餌付けでもして太らせようかと思いながらも、クマノミって何を食べるんだっけ、あ、海水魚屋で聞けばいいのか。
すこし先のイソギンチャクに、ミツボシクロスズメダイの小さいのが住みついていました。やっと会えたね、という感じです。
この前は水面のフロートに身を寄せていたオヤビッチャのこどもが、浅いほうに移動してきて群れで泳いでいます。これもだいぶ大きくなりました。
砂地に群れがいるという情報が入っていたので、探してみますがいません。そこで沖へ向かいます。その目の前に、すばやく泳ぐ銀色の魚影が現れました。流線形の体にするどくのびた背びれとしりびれ、側面にはうすいたてじま・・・おおクロヒラアジだ!少し大きめの2匹を先頭に、後を4〜5匹がついていきます。回遊系のアジの泳ぎは、どことなく品がありますね。
沖のポイントにつくと、相変わらずカワハギは多いですが、それはさておいて、あれまた回遊系アジがいました。ひれが青いので、たぶんカスミアジの子供でしょう。さてかんじんのムレハタタテダイはというと・・・少し離れたところにいました。あんまり数が増えていないと思って見ていた次の瞬間、上からどんどんどんどんムレハタタテダイが降りて来て、大きな群れになりました。その数は・・・うーん計数不能。ヤマケイの図鑑に載ってる写真と同じくらいいます。これだけ大きな群れだと、写真も撮りがいがあります(でもカメラは持っていっていない)。そのうちに群れは分かれて、たくさんいるほうは上のほうにのぼっていってしまいました。水深4mくらいの中層(ちなみにここは11m)で、まばらな群れを作っています。少ないほうは、底近くでまとまっています。何かあったときだけ、合同して大きな群れになるようです。上にいったり、下にいったりしてかれこれ10分近くもムレハタタテを見ていました。
戻る途中で、ホシテンスのこども(4cm、よこじまあり)が砂の上にいました。みんなでとり囲もうとしましたが、あと少しのところで砂に潜られてしまいました。
砂地を戻ってきて浅場にくると、見えるか見えないかのところを回遊系のアジがちらちらしています。それにつられて近づいていくとアジはいなくなり、あとに大きな雲のようなものが現れました。さらに近づくと、雲は魚の群れになります。うすいピンク色に大きな目の魚がびっしり集まって、行く手をふさいでいました。何千匹もいそうな、ホウセキキントキの大群です。あまり泳がない魚なので、近づいていっても逃げる様子はありません。でも、ダイバーの動きに合わせて、群れの形が変わります。ずっと見ていても飽きない眺めですが、えっ空気が残り30!の人がいるので、帰ります。来週もいてくれるといいなあ。
撮影:椎名勝巳
エキジットポイントまで戻った後、ツバメウオ情報が入っていたのでちょっと見に行きます。水面にいるのかと思ったら水底で、思っていたより大きいのが2匹いました。ナンヨウツバメウオのこども(の大きくなったやつ)です。色は黒に近い茶色で、顔のすじが割とはっきりしています。しかし、こどものくせにペアになるのはちと早いんではないのと言いたいところですが、よく考えるとこの2匹がオスとメスだとはぜんぜんわからないのでした。まあ仲良くしなさいね。
おまけ
砂地のまんなかに落ちていたコマセのかごを拾って見てみると、中に魚が閉じ込められていました。クロイシモチのこどものようです。きっと小さいうちにすきまから入り込んで、そのまま大きくなってしまったのでしょう。このままだと未来がないので、岩のそばまで運んで、出してやりました。でも、外に出て途方にくれているようで、あまりうれしそうには見えません。きみきみ、目先の安全とひきかえに未来の可能性を捨ててはいけないんだよ。