2000年9月

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9月23日(土)〜24日(日)

台風が秋雨を追っ払ってくれて、さあしばらくはいい天気が続くぞーと思っていたら大雨になってしまいましたが、それでも赤沢です。

金曜日あたりから雲が多くなってきて、これはあぶないかな、と思った翌日の23日(秋分の日ともいう)、起きてみたらぽつりぽつりと降り始めました。そのうちに本格的な雨になってきて、ついにはどしゃ降り。外に出るには心の準備が必要なほどの勢いでした。幸い、午後には弱まったので潜るのに差し支えはありませんでしたが。

夜中にまたもや大降りになり、雷までなるほどでしたが、翌朝は曇り、そして海に入るころには青空が見え始め、晴れになりました。風もほとんどなく、暑すぎず寒くもなく、いい感じです。

海のほうは、なぜか水温が26度に上がりました。エントリーした瞬間に「ぬっ、ぬるい」と感じます(特に初日は雨だったので)。時間がたっても寒さを感じないので、1時間以上潜っても平気です。
海況は、23日は全く波はなく、24日はうねりが入ってきました。透明度は基本的には10m以上あるのですが、ところどころで濁りが入るので4mまで落ちるところもあります。水の色は秋独特の薄い水色になってきました。

●ハナハゼ移動?
防波堤をまわりこんで、いつものダテハゼとハナハゼの場所に行ってみると、あれっどこにもいなくなっていました。沖側に見に行っても見つからないので滅亡したかと(そういやゴミがたまって住みにくそうになってはいた)あきらめて、エアに余裕があったのでもう少し先に行ってみると、20mくらい先のほうにいました。手前が2匹でわりと臆病、その奥に2匹と1匹でこっちはかなり大胆です。大きさや動き方の組み合わせがほぼ一致するので、前に見た5匹がそのまま移動したとように思えます。ただ、さすがにダテハゼの区別はつかないので、ダテハゼが引っ越すのに合わせて移動したのか、それとも別のダテハゼにくら替えしたのかは謎です。

●クロイシモチ減少
多いときは40匹近くいたクロイシモチですが、10匹ほどに減ってしまいました。ところが、その中に卵を口に入れているのが3匹(産みたてのオレンジ色)もいます。口内保育している割合は逆に増えているのです。これから考えられることは、クロイシモチはやはり繁殖のために集まってきたのであって、繁殖が終わった個体からもとのところに戻ってしまったのではないかということです。じゃあ普段の居場所はどこなの?ということになりますが、やっぱり深いところにいるのかなあ。

●ネンブツダイここにあり
しばらくぶりにボートに乗って出てみると、ネンブツダイの大きな群れができていました。ネンブツダイもクロホシイシモチも行動は似ていて、繁殖期が終わると集まってきて大きな群れを作ります。姿形も似ているので一緒になることもあるかと思いきや、まず混ざることはありません(何匹かまぎれ込むことはありますが、ほんの少しだけです)。それどころか完全に住み分けているようで、今年は湾内やその近くではクロホシイシモチ、そして離れたボートポイントはネンブツダイになっていますが、逆になっていた年もありました。
さてネンブツダイの群れですが、水深12mくらいのところに横に広がった大きな群れがあり、それより深場の岩陰やくぼみに、はまりこむように群れています。このあたりの小分けになっているのが合流すると、向こうが見えないようなぶ厚い群れになるんだろうな。
群れの外縁に、イトヒキベラが混ざっていてちょっとしたアクセントになっています。繁殖期は終わったようで、普段の色に戻っていました。その上にはとぐろを巻くようにシラコダイが群れていて、魚のピラミッドになっていました。

●クマノミが増えたよ!
というタイトル通り、2匹目のクマノミが到着しました。場所は最初のクマノミの3mほど横で、岩の上の丸いイソギンチャクについているので見つけやすいです。さすがに小さくて顔つきまではわかりませんが、波に揺られながら必死になって定位置をキープしているのがいじらしいです。最初のクマノミのほうはちょっとだけ大きくなりました。

●幼魚ふたつみっつ
コロダイの子供はまだ同じ場所にいました。少し大きくなったようで、背びれの三角がちょっとだけ立派になり、泳ぎ方もいくらかはおとなしくなったような・・・でも近づいていくとやっぱりくねくねくねくね・・・逃げ方は激しくなりました。小さい頃はくぼみの奥に入り込んで逃げていたのが、外に出て岩のまわりを逃げ回るようになりました。

オヤビッチャが1匹だけ見つかりました。防波堤まわりにいるのですが、ひとりで不安なのか他の魚の群れとつるんでいます。ただ、選んだのがメジナの群れというのがちょっとミスだったかも。オヤビッチャは普通は中層かその上のあたりであまり動き回らずにいますが、逆にメジナの子供の群れっていつも泳ぎまわっています。オヤビッチャは群れの一番後ろで今にも脱落しそう。早く他の仲間に会えるといいね。

ギンガメアジの子供の群れはどこかに行ってしまったようで、はぐれたらしい1匹だけ見かけました。少し成長して、長さが出てきたのでいくらか大人っぽくなっています。自分より少し大きいウミヒゴイの後をついていっています(まるでカイワリ)。でも砂地で餌をとる魚ではないので、何の役に立つのかは不明です。


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