いつまで続くのかはわかりませんが、赤沢です。
●ギンガメアジの子供は強い
ギンガメアジの子供(大きさは10cmくらい)が増えてきて、50匹くらいになりました。ついでに、いる場所も変わり、砂浜の1mくらいのところをうろうろしていたのが、4mくらいのところまで出てきて、中層で群れを作っています。寸づまりのくずれた台形に、目と口とひれがついたような形でなかなかの愛敬者ですが、こんなガキでも魚食性の肉食魚、やるときはやってくれます。
午後潜ったとき、さっきのギンガメはどうしているかなーと砂地と岩場の境目をつたっていくと、前方の水が妙に黒くなっています。もう少し近づいていくと、中層に黒い雲のようなものが。さらに近づくと、雲は魚の群れであることがわかりました。10cmにも満たない細長い体に青く光る帯・・・キビナゴの大群です。これくらいたくさんいるときは、近くよりも遠くで群れ全体の形が変わるのを見ていたほうが面白いので、ゆっくりと進みます。その間にも群れは動き続け、左でかたまりを作ったと思うとそのかたまりが薄れてこんどは右へと、ひっきりなしに変わっていきます。
今度は群れがこちらに近づいてきて、すぐ横を通り過ぎていく・・・その時、群れの後ろにはギンガメアジの子供たちが追い立てるように続いていたのでした。キビナゴの動きにあわせて、ゆっくりとついていった次の瞬間、ギンガメアジが群れに飛び込みました。逃げまどうキビナゴを追ってまるで稲妻のようにジグザグに動きます。そして群れを抜けると、次のギンガメが飛び込んでまたジグザグジグザグ・・・キビナゴは逃げまどって右往左往、ギンガメが突入したところから逃げようとして群れが薄くなります。
水面近くには、ダツが何匹か、これもキビナゴをねらっています。ギンガメにまぎれてカンパチ(はぐれらしく1匹だけ)も突入していきました。
群れがうすくなってしまうと、ギンガメたちはいったん抜け出して、こんどは反対側から追い立てていきます。そして群れが濃くなったところで再び突入しました。
こうして、迫力ある捕食シーンが何度も繰り返されました。食うほうも食われるほうも小さいとはいえ、目の前で見せられるとやはりすごいです。
なんだかんだで10分くらいは見てましたね。
●クマノミやっと登場
ということで、今年初のクマノミが流れ着きました。ほんの子供で、1cmを超えるかこえないかくらいのちびです。イソギンチャクのなかでくねくねしているだけですが、やっぱりかーいいです。しかし、いつも一緒に来るミツボシ君たちはどうしちゃったんだろう。
●黄色と黒は
くねくねで思い出しましたが、コロダイの幼魚が現れたのでした。そこそこ育っていて、背びれがぴんっと立っているステージです。大きさは、4cmくらいです。もっと小さいとくねくねがすごいのですが、ここまで育っていると少しは落ち着いた感じがします。それにしても、大人のコロダイはふつうのタイみたいなかっこなのに、小さいときは細長くて少し育つと背びれがとがってと、こんなに形が変わる魚ってあまりいないですね(模様が変わるのはたくさんいるけど、体型はあまり変わらない)。
●カマス交代
群れでいるカマスの大きさが変わりました(大きくなった)。二週間くらいでこんなに育つとは思えないので、たぶん別の群れが入ってきたのでしょう。泳ぎ方も前にいた群れとは違って、あまり間隔を開けずにまとまっています。群れのそろい具合がいいので絵になるのですが、もう少し数が欲しいところです。
●秋の気配のクロホシイシモチ
繁殖期が終わりに近づいたようで、ペアを解消して群れに入る個体が増えてきたので、群れは日に日に大きくなっています。二カ所くらいに分かれていますが、たぶん一つにまとまって、大群になると思います。ただ、そうなると遠いほう(もう少し深いところ)に移動してしまうかもしれませんが。
●あきあじ
今年のマアジは数よりも大きさで勝負することにしたのか、たくさんは現れませんが型のいいマアジがまわってきています。シマアジは砂地にはあまり出なくて、防波堤の先あたりで10匹くらいで輪っかになっています。
ムロアジの一群がやはり防波堤の先のへんに居着いているのですが、これがはち切れそうなほどぷりぷり。正面から見ると、ほとんどまんまるに見えるくらい肉付きがいいのです。
砂地で出会ったギンガメアジの子供たちは、獲物が近くにいないせいか好奇心旺盛でした。というか、みんなから少し離れたところで出会ったので回り込んで追い立てられるかと思って手をのばしたら、逃げられるかと思ったところで先頭の魚が反転しました。群れもそれについて反転したので今度は反対側に体をのばすと、また反転です。進路をさえぎられてというわけではなく、少しかわしたところで(そのまま進めば逃げられるのに)なぜか戻ってきます。そんなことを繰り返しているうちに、今度は群れのほうからまわりを一周したりと、くっついて動くようになりました。
ドルフィンスイムってのはあるけど、ギンガメスイムってのは初めてでした。でも遠くで見ていた人にはギンガメが見えなかったので、ただ踊っているだけに見えたようです。
水温は、ほとんど変わらず24〜25度、たまに少し低いところがあります。透明度は、いよいよ良くなってきました。見晴らしがいいので、いつもは通り過ぎるようなところで立ち止まって、目を広角レンズにしてみるとまた違った風景が見つかります。