お盆休み前半の赤沢をお届けします。
台風でつぶれたのは13日の日曜日だけで、3日間潜っています。すっかり夏の海になり、群れものが増えてきていて、底から中層、上ときょろきょろしながら潜っていないと肝心なものを見逃しそうです。
まず外れなしで見られるのがイワシの群れで、砂地のあたりを流しているとどこからともなく現れます。うまくぶつかると、泡を避けて二つに分かれたり、まわりを囲まれたりすることもあります。よく見る小さいイワシ(キビナゴかな)とちがい、1匹だけでおかずにできるくらいの大きさなので、あまり敵がいないせいか(浅いところなので大物はさすがに来ない)のんびり泳いでいて、ときどき身をひるがえしてえさを食べたりしています。
シマアジの群れも、だいぶまとまってきました。砂地をまわっていることが多いのですが、岩場でかたまりになっていることもあります。ダイバーを見ると寄ってくるので、下ばっかり見ていればともかく、1回は見ることができます。
スカシテンジクダイの若魚(イサキの子供が混ざっている)の群れがあちこちで見られます。砂地に岩がつきだしているようなところや、砂地と岩場の境目あたりによくたまっています。これだけなら大したことはないのですが、ときどき子どもカンパチが食べにくるのでおさえておきたいところです。
今日はカンパチ2匹が突っ込んできて、ついでに何かのえさと間違えたのか、ダイバーの泡の中に入ってきました。子どもとはいえ、すごい迫力です。
群れと言っていいのか・・・クロイシモチが1カ所にかたまっているところがあります。夏になるとあちこちの岩陰で見られるものなのですが、今年はどうも出ないと思っていたらみんな同じところにいたのでした。数えてみると40匹ほどで、黒くて太いのがたくさん集まっているのは何となく笑えます。産卵も始まっていて、マウスブリーディングも見られます。
同じところで、マダイの若いのが群れを作っていました。これも今年は少ないなーと思っていたのですが、こんなところにいたとは。マダイだけなら珍しくもないですが、群れでいるとまた違った感じがします。
群れ以外でも、いろいろ面白い生態が見られます。
●スナダコ 対 ソラスズメダイ
砂利のくぼみに、スナダコのすみかがありました。体は石のすき間に入れて、目だけを出してあたりをうかがっていましたが、ダイバーに見つかったとみると墨をはいて逃げ出しました。3mくらい離れたところに着底しましたが、そこはソラスズメダイの産卵場所だったらしく、オスのソラスズメダイがさかんにタコをつつき始めました。タコもたまらないらしく、少し場所を移しましたがそこには別のソラスズメダイがいて、こいつもタコを攻撃します。合計3匹による攻撃で、スナダコはその場所を明け渡し、離れたところに逃げてしまいました。
●寄らば大樹のイシダイのこども
イシダイの5cmくらいのこどもがあちこちにいるのですが、このころは何か大きなもののそばにいる習性があるようで、ダイバーが近くに来ると向こうから寄ってきます。気に入るとずっとついてきて、タンクの頭やゲージのそばなどにくっついて、泳ぎ出すとずっとついてきます。止まると胸のあたりをうろちょろしたり、マスクの前で不思議そうにしていますが、また泳ぎ出せばちゃんとついてきます。なかなかかわいいのですが、岸まで連れてくるわけにもいかないので振り払おうとするのですが、これがなかなか離れません。全速で泳いでもさすがに相手は魚のこと、振り切れません。手で追い払っても見えないところに行くだけで、気がつくとまた胸のあたりにくっついていたりします。他の人に移すという手もありますが本質的な解決策にはなってないし。最後は仲間のいそうな岩場で、みんなに手伝ってもらって強引に引きはがしました。
やってみたい方は、イシダイの近くに行ってしばらくじっとしていてみてください。声を出すと逃げてしまうようなので、静かに静かに。
でも後が大変ですよ。
●カイワリはどこまでもついていく
カイワリが3匹、砂地を泳いでいたのですが、何か泳ぎ方が変。その下を見てみると、ヒメジが1匹砂地を探りながら泳いでいました。カイワリはその後ろをついて泳いでいたのです。たぶん砂地でえさをとるのに、ヒメジが見つけてくれるのを期待していたのでしょう。ヒメジはえらい迷惑かもしれませんが。
今日(15日)現在、水深10mの範囲では水温は24〜25度、それより深いところも水温は上がってきているそうです。透明度はまだ5〜6mとあまり良いとは言えませんが、浮遊物は減ってきているのでだんだん回復するんではないかと思います。