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写真
学名等[学名]Rosmarinus officinalis[英名]Rosemary[和名]マンネンロウ
特徴地中海沿岸地方を原産とするシソ科の常緑性低木
草丈1.5m程度の低木で秋から翌年夏にかけて青、ピンク、白などの花をつける。
利用部
育て方秋と春に挿し木で殖やす。新しい枝を 10cm程度に切り小粒の赤玉土に挿せば2週間〜1ヶ月で発根。移植する場所は日当たり・水はけが良い場所。
春に種を蒔くことで育てることができる。種はプランターや露地に直播きで良いが、地温が十分に 高くなった頃(23℃〜)がよい。挿し木と同様、水はけの良い場所を選んで、半月程前に苦土石灰を1坪当たり500g程度蒔き土に擦り込んでおきます。種を蒔いた後は十分に水をやり乾燥に注意します。
利用法ハーブオイル、ハーブビネガー
肉料理、特にラムなどの風味消し。特に料理に用いるときは、細かく刻むことが条件となります。
入浴剤・化粧水・ヘアリンスなど
Recipeポテト餃子ハーブのポテトサラダ岩魚と山女の香草ホイル焼き アジのハーブ薩摩揚ローズマリーコロッケイワシのローズマリー焼き
その他優れた強壮作用と全身への刺激作用があり 気分を高揚させ、活力を増進させるハーブと考えられている。また、ビタミンCなども豊富で、頭痛の緩和に役立つハーブといわれています。
参考 ヨーロッパでは「ローズマリーは賢者の庭にしか育たない」という諺があるそうです。
属名は、「海のしずく」と言う意味で、海岸地方に多く生育し、露のような花を付けることからの命名。
成 分揮発成分、フラボノイド等
作 用消化促進、殺菌、利尿、発汗促進等
追 記
その1 2000.9.23

 このところ盛んに使っているハーブがローズマリーである。


 庭にふんだんにあることから、料理を作るときに結構使うのである。先週のレシピで紹介した秋刀魚のローズマリー焼きもそうなのだが、オーブン料理にその真価を発揮する。
 生のまま使うにはローズマリーはきつすぎる香がする。
 これがオーブンでパリッとなるくらいに焼き上げると実にマイルドな香となる。そのまま食べても香ばしさとローズマリーの仄かな香が楽しめる。もちろん魚類や肉類の独特の匂いを消してくれるものである。そんな効果があるローズマリーは、レシピのなかでは、ベークドポテト、ベーコン、ポークグリルなどで大量に使っているのでレシピを参考にしてもらいたい。

 一方、アロマ効果としては集中力を高める成分があるとされ、記憶力を高めるハーブとしても知られている。受験生などはこのローズマリーを机の上において勉強すると、成績が伸びるとも言われている。このハーブを勉強部屋に置いておくことは気分のリフレッシュもできて勉強などをする場合に実に有用なハーブなのである。
 また、抗菌作用もあり、あるいは老化防止の成分があったりと、ハーブの中でもかなりいろいろに利用されるものである。
 ハーブソルトを作るときなどにも十分に乾燥させたローズマリーの葉を超微塵に刻み、他のドライハーブと混ぜればいろいろに使えるソルトが出来あがるのである。

 花は、ブルーとピンクのものが多いのだがオーストラリアンローズマリーのように白色花もある。今は我が家ではピンク系の花が咲き乱れているのだが、一年中を通して花をつけるものだから、数本植えてあれば、いつでも楽しめることとなる。

 一度大株に育て上げれば、あとは手のかからないハーブである。最近は、街中の公園などや緑地帯などにこのローズマリが植えてあることが多く、真冬でもツヤツヤの松葉のような葉をつけているのを見ることがある。匍匐性のものであれば適当に剪定することで新芽が伸び、また真冬でも花をつけることなどから都市の緑地帯に向いているハーブなのかもしれない。


その2 2001.9.15

 1週間前から庭のオーストラリアンローズマリーが咲き始めた。

 なんでこんなに早いの?と思うほどの早さである。ちなみに昨年は12月14日の開花である。
 そんなこともあって、オーストラリアンローズマリーはすっかり冬の花と思っていたのだが、これはもしかして、秋から冬にかけての花期なのかもしれない。今年はゆっくりと観察するつもりである。
 この植物は「ローズマリー」という名前がついている。花の形も色(ピンク・白・ブルー)も至極ローズマリーに似ている。もちろん葉も右の写真のように、ローズマリーそのものである。

 ところが、大きく違うところがある。それは香りである。
 ローズマリーであればいろいろな種類があるのだが、あの独特の香りがどこかにあるはずである。しかし、オーストラリアンローズマリーは葉も花もまったく香りがないのである。
 普通のローズマリー(トスカーナブルー、マジョルカビンク等々)がシソ科マンネンロウ属であるのに対し、オーストラリアンはシソ科プロスタンセラ亜科に属しているのである。別名はウェストリンギア。栽培種であることは確かなのだが、また、ローズマリーには酷似しているのだが、今だ我が家では鑑賞用に鉢植えで育てているに過ぎない。

 ローズマリーは原産が地中海沿岸地方であり常緑低木で海岸線に沿って密生しているのである。
 属名(Rosmarinus)は「海の雫」の意である。
 ローズマリー自体は立性と匍匐性のものがあり、匍匐性のものを岩場の高いところに植えておくと次第にローズマリーの枝が下へ下へと伸び地面につくまでになる。その長さが1.5mから2mくらいになると実に壮観である。青い花の四季咲きのものであれば、その花が咲いている時期の霧が立ち込める朝などに、遠くから見ると、ローズマリーに雫が滴っているように見えるのである。
 その雰囲気はたしかに「海の雫」なのである。
 ブルーの花をつける匍匐性のローズマリーを持っているのならば、是非とも高い岩場などを設けてそこに植えてみてはどうだろうか。


その3 2001.11.10

 庭のローズマリーを整理したら大分若い穂が余ってしまった。
 利用方法がないものかと考えていたら、ビネガーが浮かんだ。

 さっそく、若い枝を10本ほど持ってきて、先ずしっかりと水洗いをした、水気を切ったあとに1本1本丁寧にペーパータオルで拭くのである。
 次にローズマリの枝をビンにピッタリ収まる程度に長さを調整し、余った下の部分を切り取る。
 次に、俎板の上で、ローズマリー1本1本、葉をしごくのである。これで部屋中ローズマリーの香りでむせ返るほどになる。そして、このしごいたローズマリーをビンに詰めるのである(写真左)。
 詰め終わったところで、白ワインビネガーを半分だけ注ぐ。
 次にこの中に蜂蜜を入れるのである。
 ビンを回して蜂蜜をしっかりビネガーになじませたあとに、残りの白ワインビネガーを注ぐのである。
 そして、最後に香りと色と味をふくよかにするために「赤ワイン」を入れ、栓をしっかりと締めて、日当たりの良い窓辺においておく。これで、まろやかで、薫り高い「ローズマリービネガーの完成である(写真右)。

 ちなみに、今回使った材料の分量を紹介すると
      
材料分量
ローズマリー(若枝)・・・・・・10本
白ワインビネガー・・・・・・500ml
蜂蜜・・・・・・大さじ1
赤ワイン・・・・・・大さじ2

 出来上がったビネガーは、オリーブオイルなどと混ぜてドレッシングにしたり、あるいはいろいろな肉料理のときに香り付け(肉の香りを消す)などに利用できるのである。ローズマリーの利用法のひとつである。


その4 2005.12.4

 我が家のローズマリーは花の色で分けると4種類ある。
 白、ピンク、薄い青、そして濃い青である。濃い青のものは6月19日に花が終わり、既に半年近く花をつけていない。
 それ以外のローズマリーは、今、花の盛りである。勿論、花が咲くということは、いずれ種ができるということである。先週、バジルの種の話をしたのだが、じゃぁ〜、もう一つ代表的なハーブのローズマリーの種はどうなっているの? という疑問がわき、時間に任せて調べてみることにした。
 今回の調査(?そんなに大げさなものではない )に使ったローズマリーは、盆栽造りにして育てているピンクのローズマリーである。
 これも花の盛りではあるが、相当前から咲き続けているので花穂の株にはかなり古いガクが残っている。これを採取して調査することにした。

@穂茎に対する種嚢のつき方【左上写真参照】
 ローズマリーの花はバジルとは違って、一つひとつの花が独立して咲くことから、左上の写真のように種嚢も結果的に独立して残ることになる。これは花が咲けば咲くほど多く残ることになるが、最後までしっかりと残るものは少ないようである。
 上の写真のように、たまたま先端に残っている場合もあったりしたので、その理由を調べてみた。その結果、わかったことは、花が咲き虫により受粉が行われた後に花は枯れる。そして枯れた花はいずれ落ちる。そして残ったガクの中には種子があり、しだいに大きくなっていくのである。最後に、大きくなった種子が緑色から茶色に変化すると完熟となる。完熟した種は、そのままガクから外れて地面に落ちる、あるいは、種子が完熟することによってガク自体の役目が終了することから種をつけたままガクが付け根から落ちる場合とがある、ということである。
 したがって、ローズマリーの場合は、茎に最後まで種や種嚢が付いている場合が少なく、種嚢が付いていたとしても中の種は落ちていることになる。

A種の入り方
 右の写真を参照してもらいたいが、種はガクの奥に全部で4粒入っている。
 この種の付き方は、バジルと同じなのだが、バジルの種自体はかなり高い確立で4粒入っている。
 ところが、ローズマリーの場合は、必ずしも4粒というわけにはいかない。0から4粒までまちまちという状況である。今回種の状況を調べるためにかなりの数の種嚢を調べてみたが、4粒完全に入っているものは意外に少なく、2粒というものが多かった。もちろん、種嚢を良く見てみると種としては4粒あるのだが、完熟するまでに何らかの理由で大きくなれず、小さいままの種が残っているケースが殆どであった。

B種の外観
 ローズマリーの種には、1箇所、白い良い炉の残った部分がある。
 これは、種が木から養分を得る部分である。完熟した種嚢を採取した結果、このような形で種ができていることがわかったわけであるが、もしかしたら、季節的に寒くなる季節に採取したためかも・・・と思われるので、種については来年の夏に再度採取して確認してみる必要がありそうだ。
 種の長さは2mm×1mmである。
 ローズマリーは思っていたよりは多く実生で育つハーブである。もちろん、更に早く増やしたりしたい場合は挿し木ということになる。挿し木でも増やしやすく育てやすいハーブである。たまたま今回、使ったピンクのローズマリーも挿し木で増やしたものであった。

 今回は、結果的に数十粒の種を採取したが、これは残らず庭に蒔いてしまった。
 ローズマリーは十分な数があって使いきれないくらいである。今の状況では、種で育てたり挿し木で増やす必要もない。
 まぁ、実生で育てばまたそれを利用するといった状況である。
 現在、我が家では大きく育ったローズマリーが全部で10株ある。そして細かいものが実生でかなり育っている。相当量、使い込まないともったいないと感じているところである。


その5 2008.10.12

 我が家のローズマリーの勢力分布もここ2〜3年で大きく変わってしまった。
 かっての鉢植えローズマリーが殆ど枯れてしまったために、地植えにしておいたローズマリーが2品種残っているだけになっていた。
 ひとつは、かなり大きくなってから植え替えたもので、白い花に青い斑があるもの(写真)とピンクの花の咲くものである。
 しかし、かなり大量に使うローズマリーをこの2種だけに任せてはいけないと、更に鉢植え3鉢を追加した。追加したといっても買ってきたわけではなく、実生と挿し木で鉢にあげたものである。
 鉢植えのものは水遣りさえ欠かさなければ十分に大きく育つ。
 既に2年目に入ったものは今の時期が最も成長するようで、どんどんとわき目を伸ばし濃い緑の針状の葉が密に詰まってきている状況である。
 実際に2年目とはいえそろそろ利用できる状態になってきたわけだ。
 そんなときにたまたまテレビを見ていたら、ワインとワインに合う料理を紹介していた。
 そこで気に入ったのが鹿肉のハーブオイル漬けしたものをオーブンで焼いて食するものであった。
 鹿肉は臭みが強いので、オイル漬けにして一晩置くという。
 このときに利用するのがローズマリーとタイムであった。ローズマリーはかなり大きな一枝を使っていたのが印象的で、鹿肉を塊のままバットにいれそこにローズマリーとタイム等を入れ、後はオリーブオイルをひたひたになるまで入れるのである。
 後は時間が鹿の臭みを取ってくれ、更にこれらハーブのほのかな香りを加えてくれるのだろう。

 これはなかなかいい使い方で、香りの強いハーブはどうしても使いずらいと思っているのならば、鹿肉に限らず生ラムや豚肉にだって合うはずである。
 ローズマリーは熱を通すと香りが柔らかくなるのだが、生のままオイルに漬けても良いものだ。
 酒に漬けるのも香り高い「ローズマリー酒」となって使い勝手が良い。自分のように「呑む」のが目的ではなく、例えば焼き魚や肉を焼くときなどにも、このオイルや酒に漬けることで香りが楽しめることにもなる。

 大量にローズマリーがあって、使い方に困っているならば、是非、酒やオイルに漬けてみてはどうだろうか。
 今回は、若さと健康を保つといわれているローズマリーの話でした。

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