8 月 15 日
石狩浜〜札幌
−−− 札幌まで −−−
午前4時55分起床。テントの中で、寝袋の中にしっかりと眠っていたのだが、暑くはない。寝袋から出て、テントから外に出ると、空気が冷たい。風は殆どないのだか、この時間で昨日までの暑さがない。歩いている若者たちもみんな長袖のトレーナーに長ズボン(表現が古い!)である。気温としては多分20度を割り込んでいるかもしれない。ただし、天気は良い。雲一つない快晴である。昨夜の天の川が思い出される。
顔を洗い、食事の仕度をしていると、鳥肌が立つ程に涼しい。もしかしたら、今日は大分涼しいのかもしれないと、期待する。本来の北海道の気候に戻るのであろうか。
浜の方を見に行く。昨日の夕方よりも大部テントが減っている。昨夜のうちに撤収したらしい。左の写真は、自分のテントが張ってある高台から小樽方面を見たところである。遠くに積丹半島が見える。この海は日本海でありまた石狩湾でもある。天気が抜群に良い割には、風が涼しい。
午前6時30分には準備完了。寝袋やマットは充分砂を落としての撤収となったのだが、テントは完全に砂を落としきれないままの梱包となった。荷物を自転車に積みこんで、入り口までは自転車を曳いて歩く。砂が車輪に噛むためやむを得ないのである。
入り口から舗装した道路になるのだか、100メートルも走ると、道の選択を迫られる。昨日きた道と、もう一つは混んだときの抜け道である。昨日きた道は、街中を走っているようで面白くない。ここは回り道であっても抜け道となっている方を選ぶ。この道は、海岸線に沿って走っている道路のようだ。
しばらく走って行くと、ススキの原にぶつかる。海沿いの左手も、札幌方面の右手も一面にススキが風になびいている。
秋の七草で2番目に取り上げられているもので、一番目の萩は幾度か見た。しかし、これほど綺麗なススキの原は今回がはじめてである。
ここを通りぬけると、浜茄子の原になる。夏を惜しむように浜茄子が咲いている。そして、多くは赤い実をつけ始めている。
『それにしても何故に永遠の太陽を惜しむのか』というフレーズが口をつく。
ここで自転車を止めてしばらくは、浜茄子の実の採集に専念する。これは、いわゆる「ローズヒップ」でもある。赤く熟した浜茄子の実は、ホワイトりカーに漬け込むと独特の甘さと香り・とろみ・味を出す。我が家では人気の果実酒なのである。棘に刺されながらも、大量に収穫する。
更に30分も走るとやっと札幌方面の道が出てくる。左に行くと石狩浜の港である。札幌方面への道はダートである。やや登り坂なのが気になるが、一気に駆け上ると、舗装された道路に出る。少し行った十字路で「←札幌 小樽→」となっている。当然左に曲がる。またまた上り坂である。じわじわと長〜い上り坂である。しかし、走り出してまだ1時間も立っていない。殆ど自動車の通らない広い道をのろのろと登っていく。
登りきったところがT字路で右に曲がる。ここからは道幅は広くなり非常に走りやすい。片側3車線もあり、かつ路側帯が広い。右側に「川の博物館」見えてくる。しかし時間が早すぎるためか、まだあいていない。そのまま走って今度は花畔大橋を渡る。二つ目の橋を渡ると後は直線道路である。左手にほっかほっか亭の御弁当屋が開いているのが見える。
今日はまだ朝食を摂っていない(実際は、軽い物を食べていた。)。ここの御弁当屋さんで、「・・・スペシャル」を食べる。幕の内弁当なのだが、ステーキと、焼き魚と、カツが入っている。ボリュームたっぷりなのだが、すきっ腹にはいくらでも入る。
ここで一休みをしたあと、あとは一直線である。国道231号線で、札幌の中心まではあと10kmである。ポプラ並木がずっと続く。ここは、自転車で走るよりも、ゆっくり歩いて行きたい場所である。
午前10時ちょうど。札幌駅につく。未だに工事中である。これではしょうがない。そのままの足で大通り公園に向かう。
やっぱり、ここまで来てしまうと、定番の観光コースを見ることとなる。先ずは大通り公園。ここではしばらく休む。ジャガイモを上げたものを食べる。甘いが美味い。
テレビ塔に登って、札幌の街を一望すれば良いのだが、若干、高所恐怖症の気があるものだから、下から望むだけである。この景色は、全く変わらない。
そう言えば、まだ、今日の泊まる場所を決めていない。一昨日が、浦臼の鶴沼キャンプ場、昨日が石狩浜海水浴場キャンプ場。
これは、今日はまとものところに泊まりたい。
いくつか候補はあったのだが、比較的落ちつける「ガーデンパレス」に泊まることとした。自転車でホテルに行ってみると、空いているという。早速、申し込みを行ったが、チェックインは2時過ぎである。自転車につんであったテントやら寝袋、サイドバッグなどをクロークに預け、身軽になっての出発である。
近場からと思い、時計台に行く。前2回は修復工事のため、全く見ることが出来なかったのだが、久しぶりに見るとが出来た。やっぱり、札幌のシンボルは時計台である。自転車に乗りながら「♪♪〜時計台の鐘が鳴る〜」などと口をついて出てくる。しばらくすると「この道はいつかきた道、あ〜あ・・・」に歌は変わっている。中年親爺がMTBに乗ってこんな歌を歌っていること自体が危ない感じがする。
狸小路から旧道庁に戻り、更に苗穂から、雁来の方まで足を伸ばす。しかし、いくら身軽であっても、今日は暑い。時間的にはもうホテルで休みたい時間である。道に迷いつつも何とかガーデンパレスまで帰りついた。
クロークでサイドバッグを受け取り、部屋に入る。
最初はシャワーである。目一杯熱いシャワーを浴び、頭からつま先までしっかりと洗う。少し伸び始めた髭を剃り、本当にスッキリする。
シャワーから出たら、ビールである。冷蔵庫からビールを出して、一気にいく。1本じゃすまない。二本目に入る。やっぱり、北海道で飲むビールは美味い。空気がカラッとしているからだろうか。やっぱり1日中汗をかきつつ走っているからだろうか。どっちにしても、美味いことは良いことだ。
気がつくと午後11時過ぎ。『しまった、夕食を食べるのを忘れてしまった。』と思ったのだが、そのまま眠ってしまった。
[本日の走行距離:51.9Km、合計:487.7Km]
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