8月10日:静内〜苫小牧〜自宅


苫小牧まで

 静内ウェリントンホテルを出たのは午前8時30分。今日はとても天気がいい。今日は苫小牧まで行けば良いので時間は充分ある。
 最初の目的地は日高ケンタッキーファーム。

 10時30分に到着したのだから、かなりゆっくり走ったことになる。駐車料金を払い園内に駐車。運良く、メインの建物のそばに駐車することができた。
 天気が回復して今日はかなり暑い日になりそうである。軽食コーナーで、アイスコーヒーとケーキを食べる。さすがに10日間も自動車に乗りっぱなしというのも疲れる。ここでしばらくゆっくりしてから園内を散策。昔(といっても10年前の1990年8月)に来たときに比べ、宿泊施設、これはバンガロー的なものなのだが、大分増えている感じがする。前回のときは、2棟ほどしかなく、レストランの2階がホテルとなっていたような気がする。
 10年前は小学生5年と3年の子供と一緒だったので、ここで走ったり登ったりしてかなりの時間を費やして楽しんだのだが、夫婦2人だけでは時間が持たない。虹鱒つり、パターゴルフやアーチェリーなどはやっぱり子供たちとギャーギャー騒ぎながらやるのが面白いのであって、このような観光牧場は、中年夫婦2人旅にはチョットもてあまし気味になってしまう。
 ということもあって、お土産をいくつか買い、早々にここを出発した。

 このケンタッキーファームの出口はT字路となっていて、左側に行けば、国道235号線にぶつかりそのまま一気に苫小牧、ということになる。それでは面白くないので、牧場が続く右側の道を行くことにした。しばらく走ると平取に入る。両側には牧場がなくなり畑作地帯となる。更に進むと沙流川を渡って国道237号線にぶつかる。この237号を右に曲がって、今度は二風谷へ向かう。アイヌ文化資料館を見学するためである。

 先ず、再現されたいろいろなアイヌの家々(チセ)を見学、そのなかのひとつで、民族楽器のムックリを購入。中で鳴らし方の説明を受けて、二人でずっと練習をしながら、資料館にはいる。入館料は大人一人400円。高くはない。萱野茂氏が40年間かかって集めた貴重なアイヌ民族の資料である。いろいろなものが所狭しと並んでいるのだが、いまでは廃れてしまうような品々が無造作に置いてある。もったいないなぁ〜と思いつつも、写真撮影すべてOKということなので、撮れるだけの物を撮って来た。このように写真撮影が認められているのは実に良いことである。
 ここでも先住民族であるアイヌの生活必需品を中心におよそ1時間をかけて見学。鮭の皮で作った靴やいろいろに装飾品、刀などの武器などであるが、ここの着物のコレクションはすごい。手で触ってしっかりと見ることができた。

 二風谷を出てからは苫小牧まで直行である。
 それでも苫小牧へ到着したのは午後2時。かなり空腹である。フェリーターミナルの中の食堂では我慢できない。場所を確認してから、苫小牧の町の中に出ると、国道37号線と道道259号線のぶつかるところに大きな回転寿司屋がある。
 入ってみると意外に空いている。良く見ると、ねたは小さいし、かっての北海道で食べた回転寿司とは様相が違う。しかし、一旦入ってしまったからにはしょうがない。しっかりと食べて、再びフェリーターミナルへ戻る。これから8時間以上もここで過ごさねばならない。チョット最後を駆け足で通りすぎてしまったようだ。

 しかし、次に車を動かすまでは少なくとも7時間はある。ここでビールを呑まなくてどうするの!といいつつ、妻と缶ビールで乾杯。しばらくして車に戻り、後部の整理をする。今までの旅行でかなり乱れてきたので、最後に整理する必要があるのだ。もちろん船室に持ち込むものも分けねばならない。
 船室に持ち込むものは、先ずクーラー。これには冷たく冷やしたビールが入っている。そしておつまみ。このおつまみの中に「毛蟹」が一匹入っているである。紋別のところでお土産屋を覗いたところ、ずっしりとした活き毛蟹が売っていたので、思わず4匹購入してしまったのである。このときのおまけに茹で毛蟹が一匹ついてきたのである。
 その時点から、船に乗ったら毛蟹を肴に、ビールを一杯(沢山)と考えていたのである。この毛蟹もしっかりと氷の効いたクーラーにいれてあるのである。

 汗びっしょりとなって、整理したあとはまたビール。これはじつに美味かった。
 あとは時間待ちである。高校野球を見ながら、ゆっくりと本を読む。ビゴーは全部読み終えてしまったので、和泉式部日記を読む。結局、午後8時から苫小牧行きの乗船手続きとなるとのアナウンスがあり、7時半ころから待つ。
 乗船手続きを終えてから、ゆっくりと夕食。10時30分、乗船開始。
 今回の船室は来た時に比べるとひとつ下のデッキの1等船室。やや、エンジンの音が大きく聞こえる。部屋に入る妻を迎えに行く。降りるときは一緒に降りれるのに、乗るときはいつも別々である。往路では、妻のほうが先に船室に入ったものだからホールまで迎えに来てくれたのだが、今回は自分のほうが早い。そのため妻を迎えに行ったわけである。
 船室に入るとさすがに疲れている。シャワーを浴びて、落ち着いたところで、ビール。あとはいくらビールを呑んでもそのままベッドに倒れこめばいいのだ。
 もちろん、おつまみのメインは毛蟹である。毛蟹を食べるとどうしても無口になる。そして食べている最中に船は苫小牧出港。足掛け12日間の北海道を後にした。

自宅まで

 8月11日は朝から晴天。右手に本州が見える。金華山沖、三陸沖、仙台沖と徐々に南下して行く。帰りの船の中からも沢山の飛魚を見ることができた。
 夕方かなり暗くなったところで大洗港到着。
 ここからはもうほんのわずかである。
 暗くなった道を、去年自転車で通った道をそのままで自宅へ帰る。去年は午前6時に大洗について、10時半ころに自宅に帰りついたのだが、今回は途中で食事をとったにもかかわらず、わずか2時間で自宅まで帰りついてしまった。