身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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油
作り方
植物の種子から採取した液状の油脂を食用油という(動物性の固体油脂は食用脂)。
原料は大豆、菜種、綿実、米ぬか、落花生、紅花(サフラワー)、ヒマワリ、ゴマなど
種類が多い。
種子から油を分離する方法には、機械による圧搾法、へキサン(油脂を溶かす有機溶媒)
による抽出法、圧搾した後に抽出する併用法の三通りがある。
分離した油脂にはガム質や脂肪酸、色素、匂いの成分など、いろいろな不純物が含まれ
ているので、これを水蒸気、アルカリ、冷却などの方法で精製して、無色透明、無味無臭
に近い食用油にする。
種類・特性
原料より用途
食用油は元の原料の特色をむしろ消すように精製し、ブレンドも行なう。
そのため、ゴマ油やサフラワー油など、原料の持色を強調して商品価値や付加価値を高
めようとするとき以外は、たんに天ぷら油、白絞油、サラダ油のように、原料名を冠せず
に呼ばれる。
ゴマ油は香りを生かすため極端な精製を避け、原料がゴマであることを強調するが、大
豆や菜種は原料を強調することはない。
サフラワー油は高血圧、動脈硬化を防ぐといわれ
る不飽和脂肪酸を多く合むことを強調するために、原料がサフラワーであることを表示す
ることが多い。
サラダ油は冷却しても濁らぬよう、低温で固まる部分を除いてある。
日本農林規格では0℃で二四時間おいても油がにごらないことを条件としている。
現在
大部分の家庭では、揚げものにもサラダ油が用いられる。
乾性油と不乾性油
油脂を空気中に放置したとき、かちかちに乾いた状態になりやすいものを乾性油(大豆
、サフラワ−油など)、いつまでもしっとりしているものを不乾性油(オリーブ油など)
、その中間のものを半乾性油(菜種、コーン油など)という。
天ぷらにはしっとりしている不乾性油は向かない。
一方乾性油は酸化が進みやすい。
そ
こで揚げ油は大豆、菜種、コーンなど、いろいろな原料の油をブレンドして均一な品質の
製品を作り、これを天ぷら油、サラダ油などの名称で販売する。
基本的料理と使い方のコツ
酸化を防ぐための注意
油は空気に触れると、多かれ少なかれ酸化が進んでいく。
この変化は加熱をすると急に
加速される。
酸化を少しでも防ぐためには、空気になるべく触れないように、容器の口元
まで満たしておくこと、日光に当てないこと、涼しい所に保管することなどの注意が必要
で、揚げものに使ったときは必ず漉して保管しておく。
白身魚にサラダ油
サラダ油は、原料や製法が普通の揚げ油ととくに違うわけではない。
冷たいサラダに使
うため冷却時に白く固まって濁る成分を取り除いてあるだけで、家庭用の揚げ油は一○○
%近くサラダ油が使われている。
普通の天ぷら油より精製が進んだ分だけ味は無味無臭に
近いので、淡白な白身魚にはサラダ油の方がよい。
ナスは炒めるか揚げてから煮る
野菜や果物の色素の中で、緑色のクロロフィルやダイダイ色のカロチンは水に溶けない
が、赤、青、紫などアントシアン系の鮮やかな色素は水溶性で、ナスの色素ナスニンもそ
のひとつである。
味噌汁にナスを長く入れておくと汁の方へ色が抜けてどす黒い汁になる
。
表面に油の膜を作っておくと、水溶性のナスニンの溶出をかなり防げる。
野菜の直火焼きは油をぬって焼く
野菜の特徴は水分にあるので、焼きものとはいえ、その水がすっかり抜けて乾いてしま
うのは、特徴を失うことになり好ましくない。
油を表面にぬっておくと、表面の乾燥を防
ぎながら内部の水分を保持することができる。
ほかに酒をふって水分を補給したり、キュ
ウリに卵白をつけて塩をふったりするのも、水の流出を防ぐ効果をねらったものである。
乾物は油で炒めてから煮る
乾物を水でもどすと組織の張りが失われ、くずれやすい状態になっているので、あらか
じめ汁なしで多少加熱して、表面を乾燥状態にしておくほうが、形や歯ごたえを保つこと
ができる。
空炒りでもよいが、油で炒めて表面に油膜を作っておくほうが、内部の成分が
汁のほうへ溶け出していくのを抑えることができる。
さらに油の風味で味を複雑にし、海
藻など脂溶性のビタミンA(カロチン)を含む材料では、その吸収をよくすることも期待
できる。
炒めものの油は鍋を熱して入れる
炒めものの油は薄い膜になって空気に触れるため、短時間であっても傷みが激しい。
冷
たい鍋に油を入れてゆっくり熱していくより、熱い鍋に新鮮な油を入れ、少し熱したらす
ぐ材料を入れるほうが、油の傷み方は少ない。