身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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感謝と喜びの気持ちで歩けば、それで十分
「どれくらいの運動をしたらよいのでしょうか」というのも、よく聞かれることですが、
その答えとしては、一回の運動量と回数の両方が必要でしょう。
運動量は、医学的には心
拍数で見るのがいちばんいいと思います。
プロの選手やコーチともなれば、最大酸素消費
量をはじめとして、さまざまな指標を問題にしますが、ふつうの人の場合は、そこまでは
必要ないでしょう。
一般の人は二三○から自分の年齢を引いて、○・六をかけ、そのプラ
スマイナス一○%ぐらいの心拍数の範囲内で、運動をするとよいでしょう。
この心拍数の
範囲内だと、ジワッと汗をかく程度であり、自然なかたちの有酸素運動(エアロビクスや
ウォーキングなど、息をつめて行わない運動)になっています。
なぜ、有酸素運動がダイ
エットによいのかというと、酸素をいっぱいとり入れないと、脂が燃えないからです。
か
らだが温まっていて、酸素をいっぱいとり入れる呼吸をしていると、脂は燃えます。
しか
しながら、からだが温まっていないか、酸素が足りないかすれば、脂は燃えません。
つま
り、運動によるダイエット効果は期待できないわけです。
それに、なぜ「三○分歩く」と
いうように、歩く時間が指定されるのかというと、それは脂の燃え方のせいです。
運動を
はじめたその瞬間から、脂が燃えるということはありえません。
脂が燃えるまでには、ど
うしても一○分から一五分のウォーミングアップが必要なのです。
ですから三○分歩くと
いうときには、まず最初の五分間をウォーミングアップにあてます。
からだを温めるため
に、ゆっくり歩けばよいわけです。
そうして、次に早歩きに移ります。
しかし、このとき
も必ずクールダウンを入れるようにしましょう。
「かなり心拍数が上がってきたなあ」と
感じたら、からだをさますために速度を落とすのです。
そのウォーミングアップとクール
ダウンをきちんとやらないと、運動の害も残ることになります。
諸悪の根源ともいえる活
性酸素が出てきたり、コリのもとになる乳酸をためてしまったりするのです。
それに、腰
痛だとか膝の傷みなどの症状が出ないともかぎりません。
そんなことになれば、なんのた
めの運動か分からないことになります。
しかし、しっかりといい呼吸をし、きつい無理な
運動をしないかぎり、活性酸素が出てくることはありません。
また、ウォーミングアップ
とクールダウンをきちんとやると、乳酸がたまるということもありません。
かつては、「
運動の前には準備運動、終わったら整理運動」というようにいわれていました。
なぜその
ように整理運動が奨励されていたかというと、それは激しい運動をすると、必ず体内に乳
酸がたまり、その乳酸を分解するには、ゆるやかな運動が必要だったからです。
クールダ
ウンというのは、一つにはそのかつての整理運動と同じ効果を狙ったものです。
ゆっくり
とした運動に切り換えることにより、体内に蓄積された疲労物質である乳酸を分解するわ
けです。
そうして、適当に体をさまし、すっきりとしたところで、またピッチを上げる、
心拍数を上げるというようにして、ウォーキングやその他の運動を楽しめばよいわけです
。
私自身は、春山流ウォーキングというものを実践しています。
これは、カカトから着地
する歩き方です。
ヒザを曲げずに歩き、着地するときはカカトから先に着地します。
そし
て、足を踏み出すときには、つま先で地面を後ろに強く蹴ります。
背筋はピンと伸ばし、
手を大きく振りながら、大股でスタスタと歩くのも、大きな特徴です。
この歩き方だと、
着地するときにヒザの後ろ側の筋肉をよく伸ばすことができます。
踏み出す足も、地面を
蹴ることによって、太股の前側と、足の正面の筋肉が伸ばされます。
このあたりの筋肉と
いうのは、デスクワーク中心の生活をしていると、それほど使われることがない筋肉なの
で、とてもいい刺激になります。
その刺激というのは、もちろんその部分の筋肉のことで
すが、それは同時に脳も刺激することになり、脳内モルヒネの分泌を高めます。
もう一つ
、ウォーキングで大事なことは、歩いているときには、悩みなどいっさい考えないことで
す。
マイナスの想念を持たずに、自分の好きなこと、面白かったこと、それに夢や、夢を
実現したときの状態などをイキイキと思い描いて、楽しい気持ちでいっぱいになって歩い
てください。
もうあなたは、明日からでもウォーキングをやろうと決意されたことと思い
ますが、そのときには、靴にだけはお金をかけてください。
革靴やペッタンコの靴で行う
よりも、専用のウォーキングシユーズを履いたほうが、はるかによい結果を出すことがで
きるからです。
それに、ウォーキングシューズは、踵や膝への負担を減らすことができ、
足を傷めることも防げます。
そのうえ、まだお金に余裕のある人は、心拍数を測る脈拍セ
ンサーを買うとよいでしょう。
最近では、時計のように手首に巻いて、指を一○秒間当て
て心拍数を測る器具なども売られています。
いろんな器具がありますが、だいたい一○秒
間ほど指を当てれば、もうそれだけで心拍数がデジタル表示されるようになっています。
この脈拍センサーを利用すると、脂肪がもっとも燃えやすい目標心拍数内で、運動をする
ことが、容易になるでしょう。
激しい運動をして心拍数が上がりすぎても、ゆるやかすぎ
て心拍数がさほど上がらなくても、脂肪は燃えません。
脂肪が燃えるのはある心拍数の範
囲内であり、それを目標心拍数と呼んでいるわけです。
目標心拍数の範囲内で運動をした
ほうが、ダイエットの効率がよいことはいうまでもありません。
脈拍センサーを利用して
運動をするのは、最初は面倒ですが、ある程度慣れてくると、目標心拍数の範囲というの
が分かってきます。
そうすると、いちいち脈拍センサーで心拍数を測らなくても、調節で
きるようになります。
しかし、たとえかなり慣れてきても、たまには脈拍センサーで調べ
たほうがよいでしょう。
感覚が狂うということもありますし、運動能力や体力が向上した
りするからです。
それに、ダイエットに成功していて体重が減っても、目標心拍数の範囲
が変わってきます。
運動の回数については、週に三回以上が理想的です。
そのことについ
ても、興味深いデータがあります。
それは、体脂肪率を下げるためには、週に何回くらい
の運動をしたらよいかを調べたものです。
一週間に二回運動をしている人の体脂肪率は、
トレーニング前とトレーニング後で、まったく変化がありません。
運動というのは、体脂
肪率を減らすということ以外にも多くの効用があるので、だから無意味だということには
なりません。
しかし、体脂肪率を減らすという観点からすると、一週間に二回しか運動を
しない時は、脂肪は減少せず有効ではないということです。
一週間に四回運動をするのが
、このなかではいちばん効果を上げています。
ですから、一週間に四回運動をするのがよ
いということになるわけですが、一週間に三回でも、かなりの効果があることが分かりま
す。
そうしたことから、一週間に三回以上運動をしたほうがよい、ということがいえるの
ではないでしょうか。
ダイエットのための運動というと、何か特殊なものがあるのではな
いかと期待する人も多いのですが、じつは歩くというごくふつうの運動が、いちばん効果
的なのです。
というと、「なあんだ、そんなことか」と、それでもいちおうウォーキング
にチャレンジしてくれるでしょうが、そのときにとくに重要なのが、心のあり方なのです
。
体重を減らすということは、物埋的なこと、生理的なことであるわけですが、同時にそ
れは、とても精神的なことでもあるのです。
私がこの本のなかでくりかえし主張している
のは、そのことです。
「仕方ないなあ」という気持ちでいやいや歩くと、脳内に「嫌だな
あホルモン」が出てきます。
歩けることへの感謝の気待ちをもって、楽しくイキイキと歩
けば、脳内モルヒネ系がどんどん分泌されます。
そのことにより、結果が大きく異なって
くるのです。
「思いは必ず物質化する」わけで、その最初の第一歩が、脳内物質の分泌な
のです。
肯定的・積極的な思いは、肯定的・積極的な脳内ホルモンを分泌させ、肯定的・
積極的なからだをつくり、肯定的・積極的な人生を歩ませます。
その反対に、否定的・消
極的な思いは、否定的・消極的な脳内ホルモンを分泌させ、否定的・消極的な体をつくり
、否定的・消極的な人生を歩ませることになってしまいます。
私たちの思いというものは
、それほどまでに大切なのです。
私たちの病院には、歩けなくなった人がたくさんおられ
ます。
その人たちは、「もう一度、歩けるようになれるのなら、全財産をあげてもいい」
というような気持ちで、日々を過ごしておられます。
歩けない人にとって、歩くというこ
とは、それほどまでにものすごいことなのです。
ですから、歩けることへの感謝の気持ち
というのは、けっしておおげさなことではないのです。
歩けることのありがたさ、素晴ら
しさをかみしめながら、一日おきに三○分、ぜひとも歩いていただきたいと思います。