ダイエット
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ダイエット革命







現代は老いも若きも、男女の別なく肥満という現代病に苦しんでいます。

肥満というのは 、たんに体重が重いというだけではありません。

誤った生活習慣が原因となって心身のバ ランスを崩し、それが肥満というかたちになってしまっていることが、とても多いのです 。

そのため、数多くの方がダイエットに挑戦する意欲をもたれるのは当然のことであり、 とても立派なことです。

しかし、その大半が、ほんの束の間成功しても、そのあといとも 簡単に元の木阿弥になってしまっています。

このような人たちは、共通して「ダイエット は大変だった」とか「ダイエットは難しい」という感想を口にされます。

その反対に、体 重をうまく減らし、そのうえさらに維持できている人たちのほとんどは、「ダイエットは 楽だった」とか「楽しかった」と言います。

ダイエットに失敗した人たちに共通している のは、ものすごいともいえる必死さです。

「絶対」「必ず」「決して」「ねばならない」 というような言葉で示される、必死な気持ちでダイエットに挑戦しているのです。

「揚げ 物は絶対食べない」とか「雨の日も風の日も、風邪を引いている日も、ウォーキングは絶 対欠かざない」など、失敗する人にかぎって、とても厳しいことを口にされます。しかし 、よく考えてみてください。

ダイエットは、一週間や二週間で終わるものではないのです 。

それに、ダイエットに成功したならば、今度はリバウンドを防ぐようにしなければなり ません。

つまり、ダイエットとはじつに長期にわたる脂肪との戦いであり、それは現代社 会においては、一生続くことであるとさえ言えるのです。

ですから、張り詰めた、必死の 気持ちでやっていけることではないのです。

ダイエットは、それを継続させる意志(意識 )と食事と運動の三本柱で成り立っています。

食事と運動についは、もうすでにじつに多 くの方々が、異口同音にさまざまなことを語ってきました。

しかしながら、ダイエットに 成功した人は依然として数少なく、たとえ一時的に成功しても、ほとんどの人がリバウン ドしています。

ということは、食事と運動だけを一生懸命に気をつけても、成果は得にく いということなのです。

そうしたことから明らかなように、ダイエットにとっても最大の 問題点は、意志(意識)にあるのです。

三本柱のいちばん最初の柱が、いちばんのポイン トなのです。その意志(意識)について、それが継続できるのは、脳内物質という一種の ホルモン系であることを、現代医学が突き止めました。

たとえば、とても食べたいという 気持ちがわいてくるとします。

それは、食欲という本能によるものかというと、必ずしも そうではないのです。

胃の中に物がなくなったからかというと、そうとばかりはいえませ ん。

脳内物質のセロトニンが関与していて、このセロトニンを増やすと食欲はおさまるの です。そのことが、医学的に証明されたものですから、アメリカではすぐにセロトニンを 増やす薬がつくられ、ヤセ薬として市販され、大変なブームになっています。

ただし、そ れは人工的な薬なので、やはり副作用は避けられず、その報告が始まっています。

私はこ の本のなかで、私の病院において一○年以上にわたって行ってきたダイエット治療の膨大 な症例にもとづき、食事、運動はもちろんのこと、ストレスに有効なリラクセーション法 の併用を述べました。

それに、さらにもっと重要な脳内物質(麻薬系物質)についても分 かりやすく解説し、そのコントロールの仕方をお知らせしようとしました。

二一世紀に向 けての新しいダイエット法として、従来の食事と運動にのみ頼った禁欲的な方法ではなく 、リラクセーション法および脳内麻薬の活用法が広く普及できれば、望外な喜びとすると ころです。








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