身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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南イタリア料理の特徴
◎自然で体にやさしい料理
では、南イタリア料理のどんな点が健康によいのでしょうか。
西欧料理というと、日本
ではフランス料理がポピュラーですが、歴史的にみるとその源流はイタリアにあり、フラ
ンス料理はイタリア料理の強い影響のもとに発展したとされています。
そのイタリア料理
ですが、ことに南部では味をととのえるべースになるのはソースで、材料には、トマト(
赤)、ニンニク(白)、オリーブオイル(緑)が使われています。
南郡の人々は、このソ
ースを食材のそれぞれの色からイタリア国旗にたとえ、自慢にしています。
オリーブオイ
ルは油脂としてはもっとも古くから使われ、他の植物油にはない脂肪酸の組成をもってい
ます。
一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸を75%含み、これにより悪玉のLDLコレス
テロールを下げたり、血管に害をおよぼす過酸化脂質の生成を抑制するなどして、動脈硬
化を予防する働きをします。
その他の南イタリア料理の素材の特徴をあげますと、
●主食に硬質小麦粉のセモリナを原科としたパンやパスタ(スパゲッテイ、マカロニなど
の総称)を用いること。
これらは炭水化物(糖質)の吸収を穏やかにします。
●肉は飽和脂肪酸の少ない仔羊、仔牛を使います。
●魚はいわしをはじめ背の青いものが中心です。
青魚にはn−3系の多価不飽和脂肪酸で
あるエイコサペンタエン酸(EPA)が豊富に含まれています。
EPAには抗血栓、抗動
脈硬化作用があり、現在、もっとも注目度の高い脂肪成分の一つです。
●緑黄色野菜(ほうれん草、ピーマン、ブロッコリーなど)、きのこ類も多くとります。
これらはガンの予防にも役立ちます。
●乳製品ではバターを使うことは少なく、チーズをとるにしてもプロセスでなくナチュラ
ルのものをとります。
モッツアレッラチーズは代表的なチーズですが他のチーズに比べて低脂肪でカルシウムに
富んでいます。
また、調理も素材をそのまま生かした料理法が多く、自然で体にやさしい
料理です。
さらに、ハーブを上手に使うことによって塩分を控えることができ、気分も爽
快にしてくれます。
◎調理法はシンプルで手早くできる。
米国心臓病学会や糖尿病学会は血管の病気を予防するために、動物性脂肪を少なくし、コ
レステロール摂取量も制限する食事勧告をしています。
その他、タンパク質のとり過ぎは
腎臓の働きにも負担をかけすぎるため、高タンパク食を戒め、炭水化物の摂取量を増やす
ような内容も盛り込まれています。
主食をしっかりとることが大切というわけです。
こう
した観点から南イタリアの食生活の全体をみると、穀類はたっぷりとり、動物性脂肪は少
ないなど、先の勧告に添う内容であることがわかります。
肉や魚を食べる前に、パスタを
食べる食習慣は、血管の病気を予防する面でも好都合です。
動脈硬化をひき起こしやすい
現代の食生活にあって、西欧料理の源流であるイタリア料理、中でも伝統的な南イタリア
料理こそ健康を守るうえでたくさん学べることがある食生活だといえましょう。
南イタリ
ア料理の多くは、調理法がシンプルで、短時間にでき、食材も手に入りやすくなってきて
います。
ぜひ、家庭料理にとり入れ、皆さんで豊かな食生活を楽しんでいただきたいと思
います。