身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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発汗と水の飲み方







人間は食事なしでも三○日は生きられますが、水分を断つと五〜六日で命を失ってしまい ます。

七○キロの体重の人で、一日約一・五リットルの水分が呼気、汗、尿および便中に 排泄されています。

人体の体重当たりの水分量は、乳幼児で高く、高年者で低下しますが 、一般成人では約六○パーセントです。

ちなみに脂質が約一五パーセント、
たん白質が一 八パーセント、
塩類が七パーセントを占めています。

体内の水分は、体液中のナトリウム とカリウムの量的変動によって大きく左右されます。

ナトリウム(食塩など)を多量にと ると、細胞内から細胞外に水分が移動します。
したがって、飲水量をふやして、細胞外液 中のナトリウム濃度を一定に保持する必要があります。
ウエイトコントロールに節水法が ありますが、食べ物の食塩量を制限することが、飲水量を少なくするのに有効なのはこう いう埋由によるのです。

トレーニングと食生活の管埋を行っても、制限体重まで減量でき ないような場合、利尿剤を使って体水分を減らして体重を調節することが、レスリングや ボクシングなどで行われています。

利尿剤は腎臓で血液から尿を作る過程にある再吸収機 構に影響をあたえて、尿中に水分とミネラルの排出を促します。

しかし、利尿剤は体内の ミネラル分布に影響を及ぼすので、医師などの指示のもとに使用されなければなりません 。

また、利尿剤を安易に使って、苦労しないで体重を調節しようとする甘い精神構造は、 競技成績にも悪効果をもたらすことは明らかです。

水分が不足した状態で、激しいスポー ツを行うと、突然の虚脱状態と意識不明におちいり、いわゆる熱射病に罹ります。

高温や 多湿の中で、水分を補給することなしに強い運動を数時間も続けるような時は、特に注意 が必要です。

水分は体の中で栄養分の運搬体であるとともに、体温の運搬体でもあります 。

高温の中では、体温の放出は汗の蒸発に依存しています。
運動時には体熱産生がいちじ るしく活発化しているので、発汗のための体水分が十分にないと、体温は通常のレベルを 超えて過熱状態となってしまいます。

したがって、運動量と環境温度の上昇に合わせて、 水分補給量を増やすことで、体液バランスをとらなければなりません。

水分の補給が水分 の損失に間に合わないと、脱水症状におちいります。

これにはナトリウムの損失が伴いま すが、それは一時的なものであり、次の食事で食塩をとることで回復できます。

脱水症状 としては、食欲の抵下と運動能力の低下がみられるのが特徴です。
また、中程度の運動で も脈拍数が高まり体温が上昇します。

体水分量の三パーセントくらいの水分損失でも、運 動能力の低下を確認できます。
それが五パーセントを超えると熱疲労がひどくなり、
七パ ーセントの体水分損失で幻覚症状を示すようになり、危険な状態におちいります。

体水分 の一○パーセントが失われると、さらに危険な状態となり、熱射病となります。
このよう な状態になったときに、応急の処置が取られなければ、死にいたることもあります。

熱射 病にかかると体温が上昇して深い昏睡状態におちいります。
多くの場合、発汗がまったく みられなくなり、尿が出なくなったりけいれんが起きます。

運動中に水分の補給を制限し なければならないという理由はありません。
また、トレーニングによって、水耐性が高ま る、つまり普通より少ない水分でやっていけるようになるという証拠はありません。

その 逆に、運動中に失われる水分をこまめに補給したほうが運動によいという実験報告が多く みられます。
適度の水分補給と、軽快な服装、それに体息をプラスすることで、高温下で も多量の発汗に耐えて運動を続けることができます。

運動選手は腎臓障害につながるよう な、乏尿(尿の排泄が少ないこと)の危険に常にさらされています。
尿量は一日当たり九 ○○ミリリットルを超えるように、水分を十分に補給しなければなりません。

これらの事 実から明らかなように、失われた体水分は少量ずつ頻繁に水分をとって補給されることが 望ましいのです。









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