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スタミナを低下させるビタミン不足







スポーツのように、エネルギーを大量に消費する場合は、全身の代謝活動が活発化してい るためにビタミンの消耗が大きく、また、汗や尿への大量の水分排泄に伴うビタミンの損 失も大きいものがあります。

ビタミンの不足は、各種の代謝、細胞や組織の作りと働きを 阻害し、スタミナを低下させます。
したがって、過剰に摂取しても害にはならない水溶性 ビタミン群と、ビタミンEなどについては、所要量を十分にとってビタミン不足にならな いように、つとめる必要があります。

ビタミンには水溶性と脂溶性があります。脂溶性ビ タミンは多くとり過ぎると、体の脂肪に溶けて残り、害になることもあるので、取り過ぎ は要注意です。

水溶性ビタミンは、体の六○パーセントを占める水分の体液にとけるため 、大量にとっても、余分なものは、汗や尿と一緒に体外に出てしまうので害にはなりにく いのです。

近年、メガビタミン主義、つまりビタミン大量摂取法が流行していますが、ビ タミンがとくに不足していないスポーツ選手に、大量のビタミンB複合体(B1、B2、 ナイアシン、パントテン酸、B6、Cなど)を投与しても、スタミナや運動能力を高める ことはない、というのが科学的な共通認識です。




○ビタミンC(アスコルビン酸)


ビタミンCはアキレスけんのような結合組織のコラーゲン合成に重要であり、ヘモグロビ ンやミオグロビン、エネルギー代謝系のチトクローム類を構成するミネラルである鉄の消 化管での吸収を助けます。

また、運動時に分泌が高まり、エネルギー代謝を活発化するア ドレナリンや副腎皮質ホルモンの副腎での合成に、ビタミンCは必要です。

ただし、スタ ミナに対するビタミンCの大量投与の効果は、特に認められないとする見解が今のところ 一般的です。




○ビタミンE(トコフェロール)


ビタミンEは酸素による体内の高度不飽和脂肪酸(リノール酸、リノレイン酸、アラキド ン酸、その他)の過酸化を防ぎ、細胞の構造と機能を正常に保持するために働いています 。

スポーツは体内へ大量の酸素を取り込むので、ビタミンEの重要性は大きいといえます 。

とくに、大都市におけるスポーツでは、呼吸器の肺をはじめ赤血球など、体内での脂質 過酸化を促すオキシダントに富んだ空気を大量に吸入することになるので、Eの摂取には 十分な配慮が必要です。

しかし、ビタミンEを大量に摂取することは、特にスタミナに有 効な作用を示さないというのが、共通の科学的認識です。









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