身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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何を、どれだけ、どのように食べるか
カロリー、たん白質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがどれだけ含
まれているかなど、食事の栄養価を考える基礎となるのが、食事に含まれる栄養素の量で
す。
しかし、食事の栄養効果は、その食事が食べられた後、体内でどのように利用されて
いくか、食後六時間とか、場合によっては二四時間、数日、数週間にわたって追跡されて
、はじめて決定されるのです。
このように、食事には栄養素はあっても、そのまま栄養効
果も備わっているわけではありません。
このことは明確に知っておいて欲しいものです。
大学ボート選手のように、一年の大半を合宿練習するような場合、同じ食事を食べ同じ内
容の練習をしながら生活していても、体重が増えていく選手がある一方で、体重が増えな
い選手も出てきます。
また、一定の内容の食事が練習前の昼食で食べられる場合と、練習
後の夕食で食べられる場合では、エネルギーに利用される率、体脂肪や筋肉たん白質にな
って溜まる率が違ってきます。
食べるタイミングが違うと、一日当たり同量食べても、そ
の食べ物の栄養効果が違ってくることを示す例を、砂糖について検討してみます。
ラット
を一日二食制で、朝食後から夕食前までは、回転籠にはいって自由にジョギングできるよ
うに生活させます。
一つの群れには朝食で砂糖入りの食餌、タ食で普通食を与え、もう一
つの群れには、朝食は普通食、タ食で砂糖食を与えます。
このような生活を一○週間した
後に、血中の中性脂肪を各食事の前に測定すると、夕食砂糖群が断然、血中に高い中性脂
肪濃度を示しました。
その理由は、砂糖を食べたあと休息してしまうと、休息せずに運動
する場合に比べて、肝臓で活発になる脂肪の合成と血中への放出が、より活発になるため
です。
この例で分かるように、食べ物を一日当たり決まった量を食べても、それをどのよ
うなタイミングで食べるかによって栄養効果は変わるのです。
スポーツ選手は一般の人と
違って、運動と休息、睡眠からなる生活リズムを土台にして、朝食、昼食、タ食がセット
されます。
一食ごとにはっきりした栄養効果を期待して、食生活に計画性とリズムを導入
します。
この場合、期待する栄養効果とは、たとえばトレーニングのためのエネルギー補
給が中心の食事とか、疲労回復が目的の食事とか、あるいは筋肉を太らせるための食事と
いうように、明確に目的を設定することです。
その目的のために、より有効な食生活を営
むには、「何を、どれだけ食べるか」という設計に加えて、「どのように食べるか」とい
うタイミングを中心とする科学的な食べ方の実行が望まれます。