- クチナシ
- ショウガ「生姜」
- からし〔芥子〕
- サンショウ〔山淑〕
- ワサビ〔山葵〕
- トウガラシ〔唐辛子、蕃椒〕
- アサの実(麻)
- ケシ〔芥子〕
- ゴマ〔胡麻〕
- ユズ「柚、柚子」
- ラッキョウ「辣韮」
●cape jasmine(英)
●アカネ科クチナシ属
静岡県以西の本州、四国、九州に自生し、園芸植物としても栽培される。
6〜7月に強い
芳香のある純白の花をつける。
11〜12月に黄熟する長卵形の果実を乾燥させて、食品
の着色料とする。
クリやサッマイモを使った料理を美しい黄色にしたり、米、豆腐などを
黄色く染めるのに用いる。
花もサラダの飾りや、刺身のつまに用いられる。
●ginger(英)gingembre(仏)
●ショウガ科ショウガ属
インドを中心とした熱帯アジア原産で、日本へは3世紀以前に渡来した。
地下の塊茎「か
いけい」を食用とする。
栽培、収穫方法により根ショウガ、葉ショウガ、軟化ショウガに
分けられる。
根ショウガは秋に収穫してすぐに出荷される新ショウガと、新ショウガにつ
いている前年の種ショウガ(ヒネショウガ)がある。ヒネショウガはすりおろしたりして
香辛料として利用する。
生臭みの強い魚や肉類のにおい消しには欠かせない。酢漬けなど
にされる葉ショウガは谷中「やなか」ショウガ、ツバメショウガなどがあり新ショウガが
小指大ぐらいになったときに葉をつけたまま出荷する。
軟化ショウガは筆ショウガ、芽シ
ョウガなどとよばれ刺身のつまや漬物などに利用する。
ショウガは紀元前3世紀にはヨー
ロッパに伝えられ、現在も塊茎を乾燥粗びきしたものがパンやクッキー、カレー粉、ピク
ルス、肉料理、飲料水などに用いられる。
●mustard(英)moutarde(仏)
カラシナ(アブラナ科)の種子の粉末を用いるもので、和がらし(日本からし)と洋がら
し(マスタード)があり、からしといった場合には一般に前者をさす。
辛みのもととなる
成分は同じだが、両者の違いは原料とされる植物の違いである。
和がらしは本来はあく抜
きをして用いるものとされたが現在では洋がらしと同様に微温湯で溶いただけで用いられ
るものがほとんどである。
からし酢やからし酢味噌などとして和え物に用いたり、おでん
、肉料理などの薬味として欠かせない。
洋がらしは香りも辛みも穏やかなホワイトマスタ
ードと辛みの強いブラックマスタードがあり種子を粒のまま、または粉末として用いる。
●Japanese pepper(英)
●ミカン科サンショウ属
各地の山野に自生し、若芽、花、実が香辛料として利用される。
若芽は「木の芽」とよば
れ、手のひらにのせてぱんと叩くと独特のすがすがしい香りがたち、吸い物や和え物など
に添えられ、煮つけなどにも用いられる。
末熟な果実は青ザンショウとよばれ、吸い口や
あしらいに利用したり、佃煮などに用いられる。
成熟した果実は実ザンショウとよばれ佃
煮などにされるほか、乾燥粉末は粉ざんしょうとしても使われる。
花ザンショウは煮物な
どとなる。成熟した果実の果皮は健胃・整腸・駆虫・解毒の薬となる。
●Japanese horse‐radish,wasabi(英)
●アブラナ科ワサビ属
日本特産で山間の渓流に自生する。栽培は江戸時代に駿河の有東木「うとうぎ」(静岡
市)で始められた。
全草に特有の香気と辛みをもち、とくに根茎には峻烈な辛みがある。
辛みの成分はアリル・イソ・チオシアネート(アリルカラシ油)で、すりおろすと酵素の
働きで辛みが生じる。
すりおろしたものは刺身やすしには欠かせない日本独自の香辛料と
なる。
根茎だけでなく、葉ワサビ(葉と葉茎)、花ワサビ(花のついた葉茎)もおひたし
や和え物として利用される。
根と茎、葉を細かく刻み酒粕「さけかす」に漬けたわさび漬
けも好まれる。主産地は静岡県、長野県。
●redpeppei,hot pepper(英)piment,poivre long(仏)
●ナス科トウガラシ属
中南米原産で甘味種と辛味種に大別されるが、香辛料として利用されるのはおもに辛味種
である。
カイエンペパー、タバスコ、ギニアペパー、パプリカなど世界的にもいろいろな
品種があり、メキシコ料理、中国料理、朝鮮料理、インド料理などはトウガラシを生かし
た料理として有名である。
日本のトウガラシも鷹の爪、八房「やつぶさ」などの品種が有
名で、乾果を粉末としたものを七味唐辛子などとして麺類の薬味、鍋物、漬物などに用い
る。
また、細かく刻んで煮物などに用いる。葉にも辛みがあり葉トウガラシとして甘辛く
妙めたりして用いる。
●苧の実(おのみ)
●hemp seed(英)
中央アジアから西アジアを原産地とするアサ科の一年草アサの雌株にできる種子を用いる
。
古代には重要な食料として五穀に入れられていたこともあった。アサの実は30%以上
の油を含み、ぴりっとした辛みとさわやかな芳香がある。
また、かんだときの歯ざわりも
心地よい。
香辛料としては七味唐辛子に調合して用いられたり、いなりずしの具、がんも
どきに用いられる。
●opium poppy(英)Pavot ィ opium(仏)
●ケシ科ケシ屈
原産地はギリシアから西南アジア。
末熟な果実に傷をつけて得られる乳状の液を乾燥した
ものからはアヘンが得られるので日本では一般での栽培は禁止されている。
熟した果実か
ら得られる種子には麻薬性はなく、料理に用いられる。
種子を妙「い」ったり、焼いたり
すると香ばしい香りが得られ、菓子や焼き物、刺身などの料理にまぶして用いる。
欧米で
もポピーシードの名でよばれパンやクッキー、ケーキなどの上にのせる。
ケシの実は金平
糖「こんぺいとう」の芯にも用いられた。
●sesame(英)sサsame(仏)Sesam(独)芝麻く種子〉(中)
●ゴマ科ゴマ属
熱帯アフリカあるいはインドが原産地といわれるが自生地ははっきりしない。
油料作物と
してもっとも歴史があるが、妙「い」ってすり鉢ですり、ごま味噌、ごま醤油、ごま酢な
どとしたり、切りごまとしてお茶潰け、おひたしなど、また、胡麻豆腐や菓子材料にもす
る。
日本へは中国から伝えられ、奈良時代にはすでに重要な作物であった。
草丈lm前後
の一年草で、夏に白、桃、紫の鐘形の花をつける。
果実は長さ約2〜3cmの短円筒形で
、内部は4室に分かれ、多数の種子が入る。
種子は白・黒・褐・黄色がある。カルシウム
、リン、ビタミンEなどを豊富に含む強壮食品として利用されてきた。
●ホンユ、ゆの子
●ミカン科ミカン属
中国揚子江上流の原産といわれる。
果実はそのままで生食することはないが、皮には特有
の甘い芳香とさわやかなほろ苦みがある。
すりおろしたり、細かく刻んだり、薄く切り取
ったりして汁物の吸い口や、煮物・酢の物などの香りづけに用いる。果汁は酸みが強く、
食酢として用いられる。
●オオニラ、サトニラ
●rakkyo(英)
●ユリ科ネギ属
中国原産で、日本へは10世紀以前に渡来した。
古くは薬用とし、江戸時代ころに野菜と
して普及した。
地下の鱗茎「りんけい」を甘酢漬け、塩潰け、粕潰け、味噌潰けなどにす
る。
軟白栽培したものを生食したりもする。
この生食用のラッキョウがエシャロットの名
で香辛野菜として売られているが、本来のエシャロットは日本ではほとんど栽培されない。
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