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全国のお茶の産地と銘柄







★静岡茶


 お茶の産地と聞いてまず思い浮かぶのは静岡県でしょう。

実際、日本のお茶の生産量の 約半数近くを静岡茶が占めています。

 おいしいお茶ができる条件とは、気候が温暖で、 朝晩の温度差が大きいことです。

富士山の麗(フモト)で作られる静岡茶は、この条件にぴ ったりといえます。

そのうえ、寒さや病気に強い「やぶきた」種の栽培、お茶の積み出し 港としての清水港の存在と、好条件が加わり、静岡県は日本一のお茶どころになったので す。





★薩摩茶


 静岡県に次いで生産量が多いのは鹿児島県の薩摩茶で、全国の約一五%を占めています 。

生産の八割が煎茶で、南国の気候で育ったさわやかな香りが特徴です。主に薩摩半島南 部や大隅半島の中部あたりで生産されています。





★宇治茶


 日本茶の伝統と格式を誇るのは、京都の宇治茶です。静岡茶や薩摩茶に比べると生産量 は少ないのですが、質が高いのが特徴です。

明恵上人(ミョウエショウニン)は栄西禅師(エイサイ) が伝えたお茶の種を京都郊外の栂尾(トガノオ)の畑にまき、日本最初の茶園を開きました 。

その栽培法が宇治に伝わり、煎茶や玉露の製法が編み出されたのです。煎茶や玉露は抹 茶と違い、形式にとらわれないお茶として、あらゆる階級に広まるきっかけとなりました 。

 以上が三大銘茶といわれる産地と銘柄ですが、ほかにも優秀な茶どころはたくさんあ ります。





★その他の産地・銘柄


埼玉県の狭山茶(サヤマ)は、一番茶しか摘みません。

また、仕上げの段階で強い火入れをす るため、味が濃く甘みが残るのが特徴です。

十二世紀末、明恵上人が川越あたりに植えた のを入間狭山(イルマサヤマ)といい、所沢周辺に移したのが現在の狭山茶といわれています。




嬉野茶(ウレシノチャ)は佐賀県嬉野町で作られる釜炒り茶(カマイリ)です。

別名「グリ茶」と もいい、苦みと渋みが少なく、あっさりした味わいです。

 以上のお茶は、加熱して酵素 の働きを正めた不発酵茶です。





日本のお茶はほとんどが不発酵茶ですが、なかには蒸した あとに桶に漬け、発酵させる後発酵茶もあります。




 後発酵茶には、

徳島県相生町、上勝 町の「阿渡番茶」

高知県大豊町の「碁石茶」、

愛媛県石鎚山の「石鎚黒茶」、

富山県朝日 町の「バタバタ茶」

があります。









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