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ダイエットの食べ方








ダンベル体操で、6力月も全身の筋肉に刺敵を与えると、筋肉が1kgくらい増えて体の 活力がアップしながら、体重が3〜5kgも減量する例が多数ある。

筋肉が増えている中 での体重の減量なので、体脂肪量は4〜6kgも減ったことになる。

体を支える活性組織 の筋肉が増えて、体のお荷物でしかない体脂肪が減量するのだから、体重の減量分を上ま わる身軽な体になったと感ずることができる。

これが本筋のダイエットである。

そこで、 このダンベル・ダイエットを、一層効果的に進める食べ方について考えてみることにしよ う。








○体に脂肪が蓄積するメカニズム


@脂肪組織で脂肪が合成されて貯蔵される


脂肪細胞は血中のぶどう糖を取り込んで、これを脂肪酸と活性グリセロールに変える。

脂 肪酸が活性グリセロールに結合して、脂肪となり蓄積される。

このような脂肪合成は、イ ンシュリンによって活発化するので、インシュリン分泌を刺激するぶどう糖や砂糖、でん ぶんなどを摂ると、脂肪細胞の脂肪合成が活発化する。




A肝厳で合成された脂肪(VLDL)が血中に放出され、脂肪組織に取り込まれる


肝臓も脂肪組織と同様に、ぶどう糖から脂肪酸と活性グリセロールを合成し、これらを結 合して脂肪に合成する。

肝臓で合成された脂肪はVLDL脂肪と呼ばれ、血中に放出され たあと、心臓、筋肉、そして脂肪組織などによって取り込まれ、貯蔵される。

その取り込 み方であるが、各組織に分布している毛細血管の内壁にあるリポタンパク・リパーゼと呼 ばれる酵素によって、脂肪が脂肪酸とグリセロールに分解され、脂肪酸が細胞内に取り込 まれる。

脂肪細胞がこのようにして血中からVLDL脂肪を取り込む場合には、細胞内に 入った脂肪酸は活性グリセロールに結合して脂肪となり、貯蔵される。

しかし、心臓や筋 肉に取り込まれた場合には、そのほとんどが脂肪として貯蔵されることなく、エネルギー 源として分解されていくことになる。

したがって、血中のVLDL脂肪がどの組織に取り 込まれていくかによって、体脂肪への蓄積度も変わってくる。

インシュリンは、血中VL DL脂肪の心臓や筋肉による取り込みを抑制し、逆に脂肪組織による取り込みを活発化す る。インシュリンはさらに、肝臓による脂肪合成を活発化し、血中へのVLDL脂肪の放 出を促す作用も持っている。




B食事から摂った脂肪が脂肪組織に取り込まれて貯蔵される


炒め物や揚げ物など脂肪の多い食べ物を食べると、その脂肪が消化・吸収されて血中に脂 肪となって現れる。

これはカイロミクロンと呼ばれる脂肪である。

このカイロミクロン脂 肪は、肝臓で合成されて血中に放出されてくるVLDL脂肪と同じやり方で、各組織の毛 細血管のリポタンパク・リパーゼによって脂肪酸とグリセロールに分解されたあと、脂肪 酸が細胞の中に取り込まれていく。

そしてVLDL脂肪と同様に、カイロミクロン脂肪の 脂肪細胞による取り込みはインシュリンで活発化する。

心臓や筋肉による取り込みは、逆 にインシュリンで抑えられる。








○体脂肪の蓄積を促進する太る食べ方


@タ食で高脂肪食を食べてから睡眠に入る


現代人に肥満が発生する最大の原因は、タ食で高脂肪食を食べることにある。

ビーフス テーキ、とんかつ、天ぷら、焼き肉、中華料理などなど、タ食で食べるご馳走は、高脂肪 料理であることが多い。

この高脂肪料理をごはん、パン、麺類、いも類などのでんぷん質 食品と食べ合わせる夕食は、体脂肪の蓄積を効率よく進める。

それは、タ食後の安静状態 とタイアップして出てくる効果である。

まず、高脂肪料理を食べると、食後3時間から5 時間にかけて血中のカイロミクロン脂肪が高レベルとなる。

8時に夕食を食べ始めて8時 半に終わったとして、血中のカイロミクロン脂肪のレベルは10時頃から上昇し始め、1 1時から夜中の2時頃まで、ピークを続けることになる。

次に、でんぷん源としてごはん やパン、パスタなどを食べ合わせたとすると、食後に血中インシュリンが徐々に上昇して くる。

そのピークは食後30分くらいから3時間くらいまで続く。

すなわち9時頃から1 1時半頃までインシュリンは高レベルとなる。

すでに指摘したように、血中のカイロミク ロン脂肪が高レベルであるときに、インシュリンも血中に高濃度にあると、カイロミクロ ン脂肪は脂肪組織に活発に取り込まれることになる。

したがって、夕食で高脂肪の食事を 食べることは、体脂肪の蓄積を促す太る食べ方であることがわかる。

現代人はこのような 高脂肪の夕食を、遅い時間帯に食べる傾向がある。

タ食が9時とか10時と遅い人は、か なりいる。

高脂肪の夕食を遅いタイミングで食べれば、食べてから就寝までの時間も短く なるし、睡眠中に血中のカイロミクロン脂肪とインシュリンの両者が高レベルになるので 、一層、体脂肪の貯蔵が促される。








〈夕食で太らないための対策〉


夕食で、炒め物や揚げ物、洋風や中華風のものなど、脂肪の多い料理を避けること。

タ食 をできるだけ早めに食べて就寝までの昨間をあけることが、肥満防止の最も大事な食べ方 である。

夕食の食べ方に加えて、タ食を太らない食事にする大事な対策は、タ食を食べた あと就寝するまでの間に運動をして、インシュリンの分泌を抑えることである。

インシュ リンは膵臓から分泌されてくる。

その分泌は、運動をして交感神経活動を活発にすると抑 制される。

したがって、食事中に糖分やでんぷんなどを摂って血糖を上昇させ、それが膵 臓を刺激してインシュリン分泌が高まったあとで運動をすると、血中インシュリンのレベ ルは低下していく。

その結果、リポタンパク・リパーゼの活性は脂肪組織で低下していき 、逆に筋肉などで上昇していくため、血中のカイロミクロン脂肪は脂肪組織よりも筋肉に 活発に取り込まれるようになる。血中カイロミクロン脂肪がエネルギー源となって筋肉で 分解される流れがつくられるわけである。

夕食後の運動が、体内のエネルギー代謝を脂肪 の分解に傾けることは、実験的にも証明されている。

そこで、膵臓のインシュリン分泌を 抑えるために運動をしよう、ということになるが、夕食後に暗い街中や田畑の回りを歩く のは、いろいろな埋由ですすめられるものではない。

安全に、そして誰にでもできる運動 で、また仲間を誘わずとも一人で、好きなときにやれる運動があれば一番良い。

食後であ るから、走るなど体を上下にゆする運動はダメである。

こう考えてみれば、ダンベル体操 は手軽で、短時間でできる、夕食後に向いた運動の一つである。

夕食をとってから時間を あけすぎると、インシュリン分泌のピークが過ぎてしまうこともあるので、食後1時間あ たりがダンベル体操のグッドタイミングであろう。




A脂肪と砂糖を同時に食べる


アメリカ・ミシガン大学のドリウノスキー博士は、太る原因の一つに甘い物を食べること があると昔から言われているので、肥満した人たちの糖分の摂取量を測ってみたが、スリ ムな人たちと比べてほとんど差がなく、このことに疑問を抱いた。

そして、自分も含めて アメリカ人の甘い物の食べ方をじっと観察した結果、アメリカ人の甘味好みは、すべて砂 糖と脂肪がドッキングしたものに集中していることに気がついた。

ケーキ、チョコレート 、アイスクリーム、ビスケットなどなど、どの甘味をみても砂糖と脂肪が合わさっている のである。

もちろんアメ王のように砂糖の塊でできているものもある。

しかし、脂肪は肥 満につながるカロリーであることを考えた場合、もしかすると肥満者は脂肪を含んだ甘味 を好んで食べて、結果的に脂肪を多量摂取しているのかも知れないと考えた。

そこで、甘 味嗜好について、科学的に調べることにした。




スキムミルクに砂糖を加えたもの、脂肪が 3.5%含まれる牛乳に砂糖を加えたもの、クリームのようにかなり脂肪を 含んだものに砂糖を加えたもの、そしてクリームにオイルを加えて脂肪が56%にもなる、 こってりしたものに砂糖を加えたものを、実験用の〃甘味〃として用意した。

被験者とし て女性を選んだが、肥満した女性、スリムな女性、そして昔肥満していたが、ダイエット をして減量した女性の3群を集めた。

そして、各種の甘味をどのように好むか嗜好をテス トしたのである。

その結果、肥満した女性は例外なく、脂肪がこってりと含まれた甘味を 、たいへん美味しいと答えたのに対して、スリムな女性群は、脂肪こってりの甘味を好む 者もいるが、脂肪のない甘味を好む者もいて、反応に大きなバラッキを見せた。

ダイエッ トでスリムになった女性群も、脂肪の少ない甘味から脂肪こってりの甘味まで、幅広い嗜 好を示した。

ドリウノスキー博士は、研究結果をみて、砂糖は太ることに単独で関係して いるのではなく、脂肪にドッキングして太る原因となっているのだと結論づけたのである 。

ところで我々は、ドリウノスキー博士が研究を進めていた頃、日本において食生活が高 脂肪食化してくるのに伴って肥満が多発する原因は、単純に脂肪の摂取量が増えたことに あるのではなく、高脂肪料埋と、インシュリン分泌刺激作用の強い糖質食品を食べ合わせ る欧米風〃食べ方〃にあると推定していた。

高脂肪料理を食べて、血中にカイロミクロン 脂肪が食後4〜5時間にわたって大きなピークを見せて流れるときに、砂糖も含めてイン シュリン分泌刺激力の強い糖質食品を食べ合わせると、インシュリンも食後3〜4時間、 血中に高濃度に流れることになる。

このインシュリンは、すでに説明したとおり、脂肪組 織のリポタンパク・リパーゼを活性化するので、血中の脂肪は効率よく脂肪組織に取り込 まれて体脂肪となり、肥満をもたらすことになるのである。




改めて、現代人の食生活を見 直すと、ステーキとパンの食事のあとにアイスクリームをデザートとして食べる、中華料 理のあとにまんじゅうを食べる、天ぶらのあとに羊かんを食べる、ハンバーガーやピザ、 フライドポテトなどを食べながら甘いノフトドリンクを飲むなど、食事の多くが脂肪と砂 糖のドッキングになっている。

それに加えて、でんぷん質食品もごはん(粒食)に代わっ てパン(粉食)がよく食べられるようになったが、同じでんぷん量を摂ったとすると、食 後のインシュリン反応はパンのほうが強い。

それは、粒食に比べて粉食では消化・吸収の スピードが早いので、血糖上昇が強くインシュリンの分泌を強く刺激するためである。

さ らに、従来、日本人は夕食後のデザートにフルーツを食べることが多かったが、現代人は 甘いデザートを食べるようになった。

フルーツも昔は皮をむいてそのまま食べたが、現代 人はジュースにして飲むことが増えた。

たとえばりんごをガリガリ食べるのに比べて、ア ップルジュースにして飲むと、インシュリン反応は著しく強くなってしまう。

そして、甘 味もまんじゅうや羊かん、最中などでんぷんと砂糖でできた和菓子よりも、脂肪と砂糖の ドッキングした洋菓子をよく食べるようになった。

どの変化をみても、脂肪がインシュリ ン分泌刺激力の強い糖質と同時に口に入る点で共通している。

そこで、我々は、現代人に 肥満が多発する原因として、脂肪とインシュリン分泌刺激性糖質を同時摂取する食べ方が あるとの仮説を立て、ラットを使う基礎的研究でこれを証明することにした。




ラットを一 日2食制のもとに、タ食では高脂肪食、朝食では脂肪の少ない基本食を与えた。

一つの群 には、タ食の高脂肪食に砂糖を加えて、脂肪と砂糖を同時に摂取するようにした。

もう一 つの群には朝食の基本食に砂糖を加えてやり、脂肪は夕食、砂糖は朝食と、別々に摂取す るようにした。

両群とも15匹ずつ、計30匹としたが、オスの実験とメスの実験の2つ を平行してすすめたので、計60匹使う大実験となった。

両群のラットは一日に摂取する すべての栄養素の量が等しくなるように給餌された。

ちがうのは、脂肪と砂糖を同時に摂 るか、それとも別々に摂るか、タイミングだけである。

さて180日間の数学的栄養実験 を終えて体脂肪量を測定したところ、オスでは脂肪と砂糖の同時摂取群では99・5gで あり、分離摂取群の83・3gに比べて著しく大きかった。

メスでも同時摂取群で47・ 9g、分離摂取群で34・6gと、やはり同時摂取群で著しく体脂肪蓄積が大きかった。

この研究結果はアメリカの栄養学会で高く評価された。

ドリウノスキー博士が明らかにし た、肥満者は脂肪を含む甘味を好むという嗜好上の特性は、我々の基礎研究によって、確 かに太ることにつながる特性であることが証明されたからである。

アメリカに旅行すれば 、どうしてこんなに太っちまったんだろう、と驚かされるような超デブさんたちとたくさ ん出会うが、脂肪の多い食べ物をコーラを飲みながら食べるという、アメリカ人の典型的 食べ方にその原因があるというわけである。




脂肪と砂糖を同時に摂取したら太る、この真 理を広く食生活に照らし合わせて、太る食べ方を避けることが大切である。









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