身体に効く栄養成分・食材・調理方法
Welcome
Welcome




筋肉で決まる”太るタチ”








筋肉は健康を支配する、大変重要な組織であるが、肥満の発生にも筋肉は決定的な役割を 果たしている。

人間には〃太るタチ〃があるが、筋肉の白筋と赤筋の2つのタイプを、ど のような比率で保持するかによってタチが決まる。

白筋の多い人は太りやすく、赤筋を多 く侍つと太りにくい。

白筋は、酸素の貯蔵体である赤い肉色素(ミオグロビン)をあまり 持っていないために白っぽい色をしているが、酸素に乏しいため脂肪を分解する力が弱い 。

酸素を使わずにぶどう糖を乳酸という中途半端な物質に分解しながらエネルギーを生産 する。

乳酸がたまると筋肉は疲労してしまうので瞬発的な運動にしか対応できないのが白 筋である。

白筋の代表は鶏肉である。鶏が「コケ、コッ、コーオ!」と3回羽ばたくと、 あとはコッコ、コッコと歩くことしかできないのは、白筋でできているため、乳酸がたま って疲労するからである。

人間では相撲や柔道の選手たちが白筋型である。

彼らが共通し て太って短命であるのは、脂肪を分解しにくい白筋が多いために、高脂血症になりやすく 、体脂肪を蓄積し心臓の冠動脈硬化を進めてしまうためである。




一方、赤筋は酸素の供給 さえ絶えなければ、脂肪を炭酸ガスと水という完全な分解物にしながらエネルギーを生産 できるので疲労しにくい。

牛、馬、鯨、マグロ、カツオなどが赤筋型であり、スタミナを 発揮する動物である。

人間ではマラソンやトライアスロンなどの選手が赤筋型であるが、 彼らは一般にスリムで長生きできる体質を持っている。

それは赤筋が血中脂肪を活発に分 解するので高脂血症になりにくいし、体脂肪の蓄積もおこりにくいからである。




この筋肉 の持ち方で太り方に差が出ることについては、科学的データもあって間違いない。

体脂肪 率と筋肉の赤筋の比率の相互関係を調べたデータによると、筋肉中の赤筋の比率が低く、 白筋が多いほど、体脂肪率は高い。

白筋が多く赤筋が少ないと、血中の脂肪の分解率が悪 くなるだけでなく、基礎代謝も抵くなる。

基礎代謝は安静下で体が酸素をどれだけ消費す るかで測定されるが、赤筋が多いと酸素使って脂肪を分解する代謝が活発なので、酸素消 費量が大きくなる。

基礎代謝が小さいと安静代謝、活動エネルギー代謝、そして食事誘発 性体熱産生の3つから主として構成されている一日のエネルギー消費が、すべて小さくな る。

したがって基礎代謝の小さい人は、人並に食べていても、また、場合によっては人に 比べて少ない食事を食べていても、エネルギー消費よりもエネルギー摂取が上まわること になりやすいので、エネルギー摂取過剰で太ることになってしまう。




事実、年齢が同じで 育ちも同じような条件にありながら、遺伝的に赤筋をたくさん保持してトライアスロンの 選手になった69.5kgの男性と、白筋をたくさん持って柔道選手となった105kg の男性を比較したデータがある。

基礎代謝の指標となる直腸温は、柔道選手で0.6度も 低く、同じ食事を食べたあとの食事誘発性体熱産生も、柔道選手で約2分の1にすぎなか った。

このように基礎代謝が小さいことは、確実に太ることにつながるが、その決定力は 筋肉に白筋が多く赤筋が少ないことに握られている。

そこで、自分は白筋型か赤筋型を知 ることが必要となるが、バカ力はあるがスタミナが乏しく、デブだという3拍子を揃え持 っている人は、間違いなく白筋型である。

白筋型は太るタチを持つだけでなく、高脂血症 となって動脈硬化を進めてしまうので、相撲取りのように70歳まで生きられない可能性 もある。

だから、人生残り少ないことを認識し、これからは一時も時間をムダにすること のないよう真面目に生きる覚悟をしなければならない。




一方、力はないけどスタミナがあ り、比較的自由に食べても太らない、という3拍子を持ち合わせていたら、ラッキーにも 赤筋型に生まれたと考えてよい。

太らず、動脈硬化も進みにくいので、スリムで長生きで きる幸せな体質を持ったことになる。

筋肉の赤筋と白筋の持ち方次第で、人生は明るくも なり、暗くもなってしまうのである。









ダンベル体操で寝たきり防止と介護パワーのアップに取り組もう。 に戻る。