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MEAT


赤ワインの独特な渋みが、

肉の旨さを際立たせる。





ソムリエは一杯のワインの評価をするのに、色の濃淡に始まって後味にいたるまで、18 もの特徴についてチェックするという。

けれど、我々が料理に合わせてワインを選ぶ場合 には、その中の3つのポイントで十分だ。



◆まず第一の重要な特徴は、ワインの香りだ。

カ シスの香り、トリュフの香り、土の香り、あるいはヨードの香りなどなど。

ワインの香り は、実に様々な言葉で表現される簡単にいえば、この香りを料理に合わせてやる。

シラー 種のブドウを使ったワインは、ことに若いうちは胡椒の香りが際立つ。

この手のワインは、 そのものずばり、ペッパーステーキに合う。

たとえばこういう具合に、料埋から想像する 香りと、ワインの香りを含わせるというわけだ。



◆第二の特徴は渋み(ただしこれは赤ワイ ンの特徴。

白ワインの場合は酸味がこれに代わる)。

渋みというと、一般的にはあまり好 ましくない特徴のように感じるかもしれないが、こと赤ワインに限っていえば、渋みはそ の個性を際立たせる重要な特徴だ。

食事との相性でいうなら、渋みの強いワインは脂肪の 多い肉とよく合う。

肉の脂身は甘くて美味しいけれど、たくさん食べるとしつこい。

ワイ ンの渋みには、その脂肪を包み込んで、ロの中をさっぱりさせる働きがあるのだ。

したが って、脂肪分をたっぷり感じる口ース肉のステーキなどには、カベルネ・ソーヴィニヨン 種などを原料に使った渋みの強いワインが合う。

反対に肩肉の煮込みなど、脂身の少ない 肉を使った料理は、ピノ・ノワール種のような渋みの穏やかなワインとの相性がいい。



◆三 番目の特徴は、余韻だ。ワインを飲み下した後、その香りや味わいが口の中にどのくらい 長く残っているか、その余韻の長さのことである。

口中に残る味といっても、深い苦味や いやな臭いは余韻とは呼ばない。

余韻とは、あくまで、旨いなあー、と感動する時の〃− 〃の部分の長さのことだ。さて、この余韻は、必ずしもブドウの品種だけで決まるわけで はない。

それよりも、造り方がかなり大きくものをいう。

同じ品種を使っても、余韻の長 いワインもあれば、短いのもある。

そして一般には、余韻が長いほど上質の、つまり高級 なワインということになっている。

余韻の長いワインを造るには原料のブドウを厳選する 必要があるし手間もかかる。

それにワインを単独で味わうと、何といってもこの〃旨いな あ−〃が長い方が感動も大きいからだ。

けれど、料理と合わせる場合には、必ずしも余韻 の長いワインを選ぶのが正解とは限らない。

あっさりした料理には、むしろ余韻が短めの ワインを合わせた方が美味しく感じる。

ワインの余韻の長さは、料理の余韻の長さに合わ せるのが原則なのだ。

同じ肉を焼く場合でも、その方法によって仕上がる料理の余韻は違 う。

たとえば、ソテーという方法だと、最初に肉の表面を焼いて旨みを中に閉じ込めるた め、長い間香りや旨みが口の中に残る。

したがって、余韻の長い(つまり高級な)ワイン が欲しくなる。

これに対して、直火で脂を落としながら焼くグリルとい方法だと、脂が程 よく落ち、あつさりした後味になる。

余韻の少ない(つまりあまり高価でない手頃な)ワ インがしっくりするというわけだ。






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