ダイエット
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Cデブを遺伝のせいにしたくない! けれど…
食欲の乱れは、根本的には本人の生活習慣に問題がある。
でも遺伝によって食欲中枢が正
しく機能しないケースがあることが、マウスなどを使った最近の研究でわかってきた。
先
祖代々生まれつき肥満のマウス(ob/obマウス)を調べてみると、ある遺伝子に異常
が発見された。
この遺伝子、obジーンは脂肪細胞にレプチンというタンパク質を作らせ
ている。
このレプチンには、食欲のコントロールに関わる重要な作用がある。
まず、現在
どんなモノを食べているかの情報を視床下部に送り、その情報を受け取って満腹中枢を刺
激して摂食にブレーキをかける。
さらに、視床下部の弓状核という場所で作られるNYP
の生合成を阻害するのに働く。
NYPは空腹中枢に作用して摂食を促す、かなり強力な空
腹物質。
その生合成を邪魔するということは、レプチンによって満復感が引き延ばされる
ことを意味する。
いずれにせよレプチンは満腹を促す、いわば満腹物質なのである。ob
ジーン(肥満遺伝子)に突然変異が起こると、このレプチンがうまく生成されないことが
ある。
つまりそれだけ満腹感が得にくくなるわけ。
それが過食を招き、肥満症となる。
o
b/obマウスは代々その遣伝情報を受け継いだ結果、太っているらしいのだ。
最近ヒト
でも、obジーンに異常がある遺伝性肥満症の家系が見つかっている。
ちなみにレプチン
は遺伝性以外の肥満にも関係している。
普通の過食や運動不足などによって太る場合(単
純性肥満)、むしろ満腹情報を伝えるレプチン自体は多い。
それなのに食べ過ぎるのは視
床下部でレプチンの作用を受け止めるレセプターの機能が低下しているためだと考えられ
る。
レプチンの研究が進めば、肥満研究に新しい世界が広がる可能性もありそうだ。