身体に効く栄養成分・食材・調理方法
Welcome
Welcome
ダイコン「大根]
○アブラナ科
○旬は秋から冬にかけて。
○かぶのような形のショウゴイン、桜島大根などの種類もある。
◆【薬効】
消化不良/胃酸過多/二日酔い/せき/打ち身/頭痛/発熱/のぼせ/歯ぐきの出血/ニ
キビ/冷え性
●消化酵素が胃腸を整える野菜
大根の原産はアジアの暖かい地方や地中海だといわれています。
日本にも古くから渡来し
、すでに『古事記』に、すずしろ、おおねの名前で登場しています。
年間を通して見られ
る野菜ですが、旬はやはり秋から冬。ことに冬場は、寒さでぐんと甘みが増し、冬の家庭
料理にはなくてはならない素材となります。
根の部分には、でんぷんの消化酵素であるジ
アスターゼが多く含まれているほか、グリコシダーゼなどの酵素を持つため、食物の消化
を助け、また腸の働きを整えてくれる作用があります。
よく、芝居のへたな役者のことを
「ダイコン」といいますが、これは、大根を食べても決して食あたりすることのないのに
「当たらない役者」をひっかけたもの。
●根にはビタミンC、葉にはAが豊富
栄養素としては、豊富なビタミンCも忘れることができません。
ただし、根の部分のCの
分布は平均しておらず、表面の皮のほうが中心部より2倍も多く含んでいます。ですから
、なるべく皮はむかず、きれいに洗って皮ごと食べたほうが、栄養価が高いわけです。
そ
れ以上に見逃せないのが、葉の部分の栄養です。ビタミンCも根より葉のほうがずっと多
く含,まれているほか、根にはないビタミンA(カロチン)も、葉には多く含まれていま
す。さらに、葉の部分には、ビタミンB1、B2、ニコチン酸、カルシウム、ナトリウム、
リン、鉄などの諸成分を含み、まさに滋養豊富。こんな貴重な部分をむざむざと切って捨
ててしまうのは、もったいないかぎりです。
●スの入っていないみずみずしいものを選ぶ
大根の栄養をもっとも効果的に摂取するには、皮ごとおろして食べるのがいちばん。
ただ
し、食べる直前にさっとおろすのがコツで、おろしてから1時間もすると、せっかくのビ
タミンCもゼロになってしまいます。
もっとも、おろしたては辛みも強いので、辛みの苦
手な人は、おろしてから20分程度おいたものを食べるといいでしょう。
おろし金も、金
属のものよりは陶器かプラスチックの製品を使ったほうが化学変化をおこさず、味もよく
、栄養分も破壊されません。
大根おろしは焼き魚や肉に添えたり、野菜や魚卵、きのこな
どとあえたりと、利用範囲の広い食べ物です。
おもちを食べるときも、大根おろしを添え
ると、消化吸収がよくなるので、胃にもたれることがありません。
冬場の大根は、煮物に
するのが最高です。
おでん、ふろふきはよく知られていますが、ほかにも、ぶりのアラや
豚肉の角切りと煮たりしても、肉や魚のうまみが大根によくしみて、とてもおいしいもの
です。
もちろん、せん切りにしてみそ汁の実にしたり、なますや漬け物にしても、そのう
まみはきわだちます。
葉の部分は、きざんで油炒めにし、しょうゆで味をつけます。
肉や
干魚、かつおぶしなどといっしょにいため煮してもおいしいものです。
また、ごはんに炊
きこんで菜飯にしてもよし、ぬか漬けやみそ汁の実にしてもおいしくいただけます。
買う
ときは、スが入っていないものを選ぶことがポイントです。
スの入っていないものは、軽
くたたくと澄んだコンコンという音がします。
ずしりと重みがあり、身がしまって、みず
みずしい感じのものがベスト。葉の茎の部分を析ってみて、空洞があるようなものは避け
てください。
切り干し大根も、独特の風味を持つおいしいものです。よく乾燥して色が薄
いものを選びます。
甘みの強いものが良品。栄養的にも、ビタミンB1、B2、Cのほか、
ブドウ糖や各種ミネラルを含んでいます。
繊維質も多いので、理想的な健康食品といえる
でしょう。
●消化を助ける大根おろし、のどあれに効く大根のどあめ
大根のジアスターゼが胃腸にいいことは、すでに述べたとおりです。
ごはんやもち、いも
などを食べすぎて胃のもたれを感じたときは、大根おろしを食べると、スッキリと楽にな
ります。
また、でんぷんだけでなく、たんぱく質や脂肪の消化も促します。焼き魚や焼き
肉におろしが欠かせないのもこのため。
胃酸を中和する作用もあるので、ゲップ、胸やけ
、胃のもたれなど、胃酸過多の諸症状も改善してくれます。
二日酔いでスッキリしないと
きも、すりおろして飲むといいでしょう。
胃の不快感が解消するとともに、ビタミンCが
肝臓の機能を高めるのに役立ちます。
民間薬としてわりあいよく知られているのが、大根
から作るのどあめです。せきどめ、のどの炎症どめ、声がれ、のどあれなどに効果があり
ます。
●消炎作用を利用して、打ち身や頭痛に
外用薬としても、種々の利用法があります。
打ち身には、患部をおろし汁で冷湿布すると
はれがひきます。
また、同じおろし汁の消炎冷却効果を利用して、頭痛、発熱、のぼせな
どの場合、汁をガーゼなどによくしみこませ、ひたいに当てる方法もあります。
高血圧か
らくるのぼせの場合、外用だけでなく、おろしにして食べても効果があります。代謝を促
進し、血行をよくする働きがあるからです。
ちょっと変わったところでは、歯ぐきの出血
やはれに、おろし汁を塗るというものもあります。
これも消炎作用を利用したものです。
おろし汁はニキビにも効力を発揮します。
新鮮なおろし汁をガーゼにしみこませて、1日
に数回、患部に貼るようにするのがコツ。
軽いじんましんも、この療法でなおる場合があ
ります。葉のほうも外用薬として、いろいろな利用法があります。
たとえば、干葉(大根
の葉を陰干しにして乾燥させたもの)を人浴剤に使うと、体を温めてくれます。干葉をき
ざんだものを袋に入れて浴槽に漬け、水からわかします。
冷え症や痔、婦人病などに効き
、湯ざめを防ぎます。
左側のフレーム内にmenuが表示されている場合は、
使用しないで下さい。

TOPに戻る