身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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みかん
◆(薬効)
風邪・便秘・動脈硬化・高血圧・美肌
○みかん科
○旬は秋から冬
○ふゆの果物の代表。
皮が手で楽にむけるのが特徴
●日本人に愛される冬のくだものの王様
正しくは温州みかん(ウンシュウ)といいます。
この名前は、原産が中国の温州であることに
由来していますが、諸説ぷんぷんで正確なところはよくわかりません。
植物学者の牧野富
太郎氏によれば、みかんは日本が原産で、中国の温州とは無縁だそうです。
それはさてお
き、温州みかんが日本の特産であり、冬のくだものの王様であることに変わりはありませ
ん。
もっとも、現在のような温州みかんが出回るようになったのは、明治になってからの
こと。
紀伊国屋文左衛門でおなじみの紀州みかんは、ずっと小ぶりな別の品種です。
温州
みかんにも、早生のものと、そうでないものとがあることは、よくご存じでしょう。
これ
にハウスものが加わって、現在は出荷時期も三段階に分かれるようになりました。
いちば
ん早いハウスものですと、夏のうちから出回ります。秋の声を聞くとすぐに早生みかんが
登場し、冬本番になって、ふつうのものがどっと市場をにぎわします。
●実、皮、袋すべてに薬効がある
みかんというとすぐビタミンCが思い浮かびますが、たしかにCの含有量は100g中3
5mgと豊富です。
1日3個も食べれぱ、成人の必要量を満たしてしまいます。
そのほか
にも、ビタミンA(カロチン)、P、カリウム、ペクチンなどを含みます。
酸味の主役は
クエン酸。果実はもとより、袋や皮、皮の内側の白いすじの部分にもそれぞれ栄養があり
、捨てるところがないといわれるほど。じつに利用価値が高いくだものです。
植物繊維は
袋に多く、皮の内側のすじにはビタミンB、Cが豊富です、また皮は、漢方では「陳皮」
(チンピ)といって、さまざまな薬に用いられます。
陳皮を細かくきざんだものは、七味と
うがらしに、薬味としても使われています。
おいしいみかんは、中身がよくしまっていて、
皮のつやがいいものを選びます。
ただし、ワックスをかけてつやを出してあるものもあり
ます。そのほか、皮が厚くてゴワゴワしているもの、皮と実の間にすき間ができているも
のは上等とはいえません。
保存は冷暗所に置くこと。
箱買いした場合は、一度全部出して
みて、いたんだり、カビがはえたりしているものがないかどうかチェックします。
●かぜの熱、せき、たんに陳皮が効果的
みかんはかぜの薬として、昔から珍重されてきました。
毎日食べることでビタミンCの補
給ができ、かぜに対する抵抗力が増すことはいうまでもありません。
かぜをひいてしまっ
た場合は、きざんだ陳皮5〜10gに熱湯を注ぎ、砂糖を少々加えて日に3回ほど服用し
ます。
軽い症状ならこれですぐになおります。
熱や悪寒、のどの痛み、せきなどがある場
合には、陳皮としょうがを等量、水から煮て煎じたものに砂糖を加え、3回に分けて飲み
ます。
陳皮は、皮を日に干してよく乾燥させたもので、家庭でもすぐに作れます。
陳皮を
常備しておけば、薬味や香辛料としても使えるので大変便利です。
とくにスープやうどん
、おかゆの中に陳皮を2、3片人れると、香りで味が引き立ち、食欲増進はまちがいあり
ません。
せきやたんがひどいときは、陳皮を黒焼きにして粉末にし、ハチミツとねり合わ
せて服用してみてください。
●血液を浄化し、血管を丈夫にする
みかんを毎日食べていれば便秘にも効果があります。
なるべく繊維の多い袋ごと食べまし
ょう。
すっぱさのもとであるクエン酸も、腸を刺激し、活発にする作用があります。
がん
こな常習便秘なら、陳皮を前もって酒にひたしておいてから、火であぶって黒焼きにし、
粉末にしたものを白湯に溶いて飲みます。
またみかんは、毛細血管を健全にします。
これ
はペクチンがコレステロールを分解し、カリウムが血液を弱アルカリ性に保つからで、動
脈硬化や高血圧の予防に最適です。
ビタミンPには毛細血管を破れにくくする働きもある
ので、高血圧で脳卒中が心配な中高年の人にうってつけです。
また、クエン酸は血行をよ
くし、ビタミンCは皮膚のメラニン色素を抑制します。
同時に、ビタミンAはうるおいの
ある肌をつくりますので、肌が気になる女性にも、みかんは欠かせません。
ちょっと変わ
ったところでは、陳皮を水で煮出した汁をリンスがわりに使うこともできます。髪につや
が出て、しっとりなめらかになるのが「陳皮リンス」の特長です。
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