身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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ごま「胡麻」
◆意外なほどカルシウムが豊富で、「不老長寿」神話があるほど薬効が高
い。
【薬効】
動脈硬化予防/ストレス/健脳/老化防止/やけど/切り傷/生理痛/せき
●古代の僧侶の貴重な栄養源
不老長寿の食物として食べられてきたごまは、ゴマ科の植物で、インド、エジプトが原産
地。
インドから中国、そして日本へと伝わってきたようです。
日本へ伝わったのは奈良時
代のこと。
平安時代にはもう、ごまから油をとっていた形跡が見られます。
最初は、寺の
僧侶たちが薬として使っていたようで、おもに傷の手当てにごまを使っていたと思われま
す。
山にこもる僧侶にとって、ごまは重要な薬であり、また栄養源でした。その後、ごま
は精進料理に使われるようになり、寺だけでなく、一般にも普及していったというわけで
す。
●無着色で粒のそろったものを選ぶ
ごまは粒がそろい、実がかたいものほど良質です。
もちろん湿っているのは古いので、よ
く乾燥したものを選びましょう。
黒ごまのなかには着色した製品もあるので、必ず無着色
のものを選んでください。
ごまを摂取するにはさまざまな方法があります。ご飯にふりか
けても、めんつゆに入れてもおいしいですし、すって野菜などをあえたごまあえも、ひじ
ょうに栄養価の高い、すぐれた調理法です。
すりごまをくずで固めたごま豆腐は、精進料
理のなかでも傑出した一品です。
また、手っとり早く食べるためには、市販のごまぺ−ス
トがおすすめ。毎日小さじ1杯のごまぺーストをとるのが理想的です。
●不飽和脂肪酸が血管をじょうぶにする
ごまは理想的な栄養食品で、植物性食品としてはトップクラスの栄養価をほこります。
た
んぱく質は、必須アミノ酸をたっぷり含んでいます。油をとるほどですから脂肪分も多く
、100g中52gもの脂肪があります。
この脂肪分には、リノール酸やリノレン酸など
の不飽和脂肪酸が多く含まれています。
これは血管をじょうぶにし、コレステロールをと
り除くはたらきがあるので、動脈硬化などの予防をしてくれます。
●豊富なカルシウムがストレスを抑制する
ごまには、植物性食品としてはめずらしいほどカルシウムがたくさん含まれています。カ
ルシウムはたんぱく質とともに吸収され、神経過敏をしずめてくれるはたらきがあります
。
ごまの不飽和脂肪酸は、男性ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌をよくして、ストレス
から臓器を守るはたらきをするといわれます。
また、ごまに含まれているレシチンやビタ
ミンB1は、脳細胞を活性化するはたらきがあるともいわれます。
アミノ酸が脳細胞の疲
労回復に効果があるので、健脳食品としても見直されてきているようです。
●マグネシウムによって、ビタミンB1やカルシウムが効率よく利用される
もうひとつ注
目したいのはマグネシウムで、100g中に350mgも含まれています。
マグネシウム
は、「ミネラルバランスのミネラル」とよばれ、これが不足すると、たとえビタミンB1
やカルシウムをたっぷりとっていても、うまく利用されなくなります。
いうなれば、マグ
ネシウムはビタミンB1やカルシウムをスムーズにからだが利用するための媒体のような
役割。
これなくしてはビタミンB1、カルシウムもその力を発揮できません。その点、マ
グネシウムの多いごまなら、効率よく栄養素を役だてることができるでしょう。
●脂肪分や鉄分などが、不老長寿神話を
昔からごまが不老長寿の薬とされてきたのは、「若返りビタミン」とよばれるビタミンE
が含まれており、ごまの脂肪分とあいまってからだの老化をおくらせているためでしょう
。
また、鉄分が多く、細胞機能を活性化します。脂肪分が血行をよくするほか、黒ごまは
白髪を予防するという話もあります。
これも、ごまが不老長寿の薬とされてきた一因かも
しれません。
ちなみに、若白髪は遺伝もありますが、鉄分不足も大きく影響します。ごま
を常食すれば、若白髪を防ぐことができるかもしれません。
●やけどや切り傷の治療にもごまを
ごまには消炎作用があるといわれ、外用薬として使う民間療法もあります。
これは昔、僧
侶たちが傷薬として用いたということからもうなずけるでしょう。
手元に薬がないときに
は、ごまをすって(ごまペーストでもよい)、そのまま患部にぬります。
かぶれや切り傷
、ごく軽いやけどなどの薬の代用になるといわれています。
ごまがなければ、ごま油をぬ
っても同じ効果があります。
●生理痛をやわらげ、せきを止める
このほか、ごま塩を番茶にふりかけて飲むと、生理痛に効果があると昔からいわれました
。
番茶にごま油を落としても同じ効果が得られるともいいます。
また、黒ごまと氷砂糖を
8対1の割合ですり、これに湯を注いで朝夕15gずつ飲むと、せきどめになるともいわ
れています。
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