身体に効く栄養成分・食材・調理方法
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クルミ





●昔から世界じゅうで食べられてきたナッツ


 原産地はペルシャで、2000年くらい前に中国に渡ってきたとされています。
しかし 、縄文時代の遺跡からくるみのからが発見されたことから、日本でも古代からくるみを常 食していた可能性があると考えられています。

 くるみは6属50種もありますが、食べ られるのは手打ちぐるみ、鬼ぐるみ、姫ぐるみ、ペルシャぐるみなどです。
 木になって いるときは、からのまわりに緑色の果皮がついていますが、熟すとこの皮が破れて、なか のからが落ちるのです。




●アメリカやブラジルが主産地


 生産量が多いのはアメリカ。なかでもカリフォルニアは有名です。
フランスのアルザス 、ロレーヌ地方やブラジルもよく知られています。
また、中国山東省の西門というところ でとれたくるみは、味がよいと世界的に有名です。

 日本でも昔は、寒い地方にくるみの 木がたくさんあったのですが、戦争中に激減してしまいました。銃の台尻にくるみの木を 使ったためです。
しかし最近は、栄養価が見直され、長野県や東北地方などの寒冷地で栽 培するようになりました。




●からつきのまま保存する


くるみはからの色が薄いほど新しく、古くなると濃くなります。
選ぶときは、手にとって 重さを計ってみます。
軽くて、ふるとカラカラ音がするのは古いので、さけたほうがいい でしょう。
また、からのまんなかに黒い線が出ているものも、古くなっている証拠です。

 保存するときは、からつきのまま保存しましょう。
からから実を出して長時間空気にさ らすと、脂質が酸化するからです。
からつきのまま保存すれば、2〜3カ月はもちます。

 しかし、割るのがめんどうなので、からつきは敬遠されてしまうようです。日本の鬼ぐ るみはとくにからがかたく、くるみ割り器でも割れないほど。
そういうときはからの合わ せ目を水でぬらし、フライパンでからいりすると、合わせ目に入った水が膨張してふくれ ます。
そこをナイフなどをさしこんでこじあけるとらくにあきます。アメリカ産のものは、 くるみ割り器で簡単に割れます。




●くるみ酢、くるみバターなど料理法も豊富


 欧米や中国など、世界じゅうで食べられているだけに、その料理法もさまざまです。
  ケーキやクッキーのタネにまぜたり、中国料理のように野菜と炒めて食べてもおいしいも のです。すりつぶして野菜とあえれば、日本料理にも使えます。

すりおろして、大根おろ しとまぜてかつおぶしをかけ、しょうゆをたらして食べるという方法もあります。 
ほか に、くるみ豆腐、くるみもち、くるみの焼きみそあえなど、いろいろな料理法があります 。

 もちろん、そのまま食べるという手軽な方法もあります。豊富な脂肪分が胃壁を守っ てくれるので、よくかめば酒の肴にもいいでしょう。

くるみを使った独特のものとしては 、くるみバ夕−がよく知られています。これは渋皮といっしょにすり鉢ですり、裏ごしし たもの。バターのようにパンにつけて食べるとおいしいものです。




●中国では西太后も愛用した薬用食


 くるみは、昔から「貴族の美容食」とよばれてきました。
中国の西太后はくるみで作っ た合桃酪(ゴウトウラク)(くるみで作った汁粉)を飲んでいたといわれています。
これはく るみをつぶして乳状にしたもので、古くから薬用として用いられてきました。

 中国では 、からを割った中身が脳の形に似ているところから、頭にいい食べ物とされてきました。
科挙制度があった時代、受験生たちがこぞってくるみを食べたという逸話も残っているほ どです。




●リノール酸を大量に含み、血中コレステロールを下げる


 くるみは100gで673キロカロリーもある高エネルギー食品です。
果肉の6〜7割 が脂肪分で、その脂肪の約6割がリノール酸です。
つまり、全体の4割ほどがリノール酸 で占められていることになります。

リノール酸は生理活性物質で、欠乏すると成長が低下 したり、皮膚炎になることが知られています。
また、動脈硬化を予防するはたらきがあり ます。




●血圧を下げ、成人病に効果的


 くるみのガンマ・リノレン酸は、血圧を下げる効果もあります。
血圧が高く、コレステ ロール値の高い中高年の人は、くるみを食べることによって症状を治すことができるでし ょう。
当然、成人病の予防も期待できます。

ただし、高エネルギー食品であるために、食 べすぎには注意が必要で、とくに高齢の人はひかえめに。
l日2〜3個が限度です。

 脳 の神経を形成するのに重要な役割を果たすという説もあるので、くるみを食べると頭がよ くなるという中国の考えかたは、あながちうそではないかもしれません。
 脂肪酸のほか に、たんぱく質も多く含んでいます。
ほかにカルシウム、リン、鉄分、カロチン、ビタミ ンB2、ビタミンEなどを含んでいます。




●強壮、ストレスなどに薬効がある


 古代中国の医学書では、強壮の効があるとされていました。
消化吸収されやすいたんぱ く質や脂肪が豊富ですから、たしかにスタミナ増強の作用はあります。
強壮を目的とする 場合には、渋皮をむいたりせず、そのまま食べるほうがよいとされています。

 また、1 日に数個ずつ食べていれば、神経過敏が治り、安眠できるようにもなります。
不眠症、ノ イローゼ、神経衰弱などによく効き、ストレスに強くなることも期待されます。




●便秘、美容にも効果がある


 くるみとごまをすりつぶして湯を注いで飲むと、便秘に効果があるといわれています。
かなりがんこな便秘でも、この方法で解消できるはずです。

 新陳代謝が活発になるため 、肌につやが出てきれいになる美容面の効果も見逃せません。
動物性脂肪のとりすぎは、 しわをふやし肌の老化を早めますが、これを防いでくれるのがビタミンE。
はりのある若 々しい肌を保つために、くるみを常食しましょう。




●耳の病気、皮膚病、虫くだしなどにも使われる

 おもしろい利用法として、中国ではくるみを油で揚げ、ろ過してとった油を外耳道炎の 治療薬に使ってきました。
油をガーゼにひたして外耳道に押しこむと、外耳道炎が治ると いうことです。
1日1回、数日つづければ完治するそうです。

 また、青いくるみの皮を 干して作った煎じ汁をぬると、皮膚病のかゆみがおさまるともいわれています。 
ほかに もくるみには、回虫駆除、尿道炎、病後の疲労回復など、さまざまな薬効があるとされて います。






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