家紋E−藤

 檀家様でそれなりに多い家紋に藤紋があります。
 藤(ふじ)紋は全部で157種類ほどありますが、基本は2種類で、「下り藤」と「上り藤」です。それぞれに、丸が付く場合と着かない場合があります。藤は寿命が長く、繁殖力が強いことでめでたい植物です。栄華を極めた藤原氏の代表紋のため、そこにあやかり藤紋を使用する人々も増えました。また、姓に藤がつく場合は、藤紋を使っていることが多いようです。
 藤の花は、上から下へ下がって咲くため、藤紋の基本は、「下(さが)り藤」です。その後、上がる方が縁起が良いということで「上り(あがり)藤」ができました。
 家紋の当初は、丸がありませんでした。その後、分家をあらわす意味で、丸がつくようになりました。さらに丸があるほうが、家紋としてのすわりや見栄えがよいということで、丸が用いられるようになりました。(家紋のいろはより)

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和5年4月30日(日):第4386号】