浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図⑪ 場所の地図
浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第十一図です。
第十一図の解説は次のように示されていました。
第十一図 百ヶ日(100日目)
百ヶ日では、平等王によって裁かれる。
四十九日で結審したはずだが、こればかりはわからない。罪の重いものは、いまだ苦しい裁判が続くのである。この地獄極楽図は、三回忌で最終結審する思想の絵図であるが、日本は三十三回忌で最終結審する信仰が中心である。もうすでに結審し、六道に振り分けられたとは思うが、まだ裁判が続いているかもしれない。そこで、節目の時に集まり、善行を積み、法要をして、裁判の資料に善行を追加するのである(追善法要)。また、結審はしていたとしても、六道の中で苦しみの世界におとされたかもしれない先祖を救いたいとの願いでもある。
百ヶ日法要は、昔は墓直しの法要といわれていた。土葬の時代は、棺を埋めて百日が経つ頃に、棺は腐り、棺の中の空洞に土が落ちるため、土葬場所があれる。それを直すために集まっていた。現代は火葬となっている為、墓直しは行われていないが、ちょうど百日目には墓参りをすべきである。
図の上部からは阿弥陀様が雲に乗って現れている。阿弥陀様は、すべての人を救済しない限り仏になるまいと誓い、私たちに寄り添っている。阿弥陀如来を信仰すれば、阿弥陀様の力で極楽に往生させてもらえるというのが浄土教の信仰である。
図の下部では、相撲をとって楽しむ光景が見られる。地獄も安らぎの時があるのだろうか?
≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月25日(金):第3967号】